「美しさ」の科学②
川畑(2011)は、芸術や美を求めるということから、
少し俯瞰した視点、すなわち人が持つ「欲求や欲望」そのものは、脳のどの部位が関与しているかを検討しました。
その結果、
が重要な役割を果たしているということを報告しています。
また、その部位の活動は、欲望の度合いに比例(※)して高まることが示されたそうです。
※原文では「線形に高まる」と記載されていますが、意味としては近いので私の方では比例と記載しています。
そのため、おそらく芸術作品の価値の高さの評価においても、この眼窩前頭皮質がその役割を果たしているだろうと考察しています。
人が美しいものや美しい状態を求める欲求は凄まじいものがあります。
芸術作品の中には何十億円という価格で取引されているものもあったり、
身近なところでも、美容や衣服、宝飾品、住環境などに相当なお金や労力、時間をかけることもあります。
このように、人が感じる欲求・欲望のメカニズムは、徐々に明らかになってきています。
何を美しいと感じるのかは個人差がありますが、ある程度の共通性を見出そうとする研究もあります。
イギリスで行われた大規模調査(Chamorro-Premuzic T. et al., 2009)では、
年齢や性別、性格の五因子特性モデル(※)などの個人特性と絵画の好みの違いを検討しました。
※人の性格は5つの側面に分けて考えることが出来るという有名な学説です。またこの話は別の記事で書かせていただきます。
その結果、
このようなタイプは、印象派(オスカー・クロード・モネ、ピエール・オーギュスト・ルノワールなど)の絵画を好み、
このようなタイプはキュピズム(パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラックなど)を好む傾向が見られたということでした。
また、Furnham A &Walker J.(2001)の研究では、
このような人は具象画(具体的な対象物を極端な捨象なしに描く絵画)を好ましく評価する傾向が見られたようです。
続く
写真:北野天満宮 京都
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