時つ風、バンギャルもゆる夏のバグサミ
8月9日の話。
同じ週に2回もフェスがあるというのは、なかなか厳しいもので、しかもお盆休み前ともなると仕事の調整をする為に簡単には休めない。更に月始めにもライブ遠征で有休取ったばかりとなると余計だ。
なので「渋谷が大変 2019」も行きたかったが、午後休取ってそのまま夏休みに突入出来る「バグサミ」に行くことにした。朝からやらず午後からスタートというのも良心的というか、ヴィジュアル系的というか、ありがたい。
目当ては当然REIGN。
REIGNは今年のCureフェスでもスタジオコーストに来ているが、その時はメイン会場には立てずだった。悔しいなぁと思ってた所にバグサミのお知らせが来て、しかもメイン会場内に立てるという。
嬉しかった。それにDADAROMA、アルルカンの後、R指定の前という人気バンドに囲まれるという素晴らしい出番順。気合も入る。
さて、本当は13時半には現地に着いているつもりだったが、仕事を抜けれたのが13時半でキズを観れず残念だった。入場すぐのステージでギルドがライブをしているのを少し見て中へ。ぞんび、凄い人だかり。最後少しだけしか聴けなかったから、無料で配布していたDVD貰っておいた。こういうサービス良いと思う。
−真天地開闢集団−ジグザグが始まるタイミングでフロアに降りてみる。REIGNの時の観る位置確認と後ろの方だとどんな見え方なのか確認。だが、そんな事よりジグザグが楽しい。フェス仕様なのかな?面白い振りがある曲多めなセットリストだった。
雑な振りレクチャーMCを交えながら一見さんの心を鷲掴んでいくトーク力が羨ましい。周りもみんな笑いながら振りを合わせて楽しんでいた。金爆とかえんそくとか、MCでオーディエンスを惹きつけられるって素晴らしい。
DADAROMA、元THE BLACK SWANのドラム煉さんが諒平として加入してから初めてちゃんと観た。DADAROMAはアレね、のっけから「30分じゃ俺たちには短すぎる」と言いながら世界観を押し出しまくりのセットリストで、聴きながら「充分伝わっとります……」と圧倒された。お強い。
そしてメインステージにアルルカン登場。この間にスピーカー前の柵まで移動してREIGNを観るポジション確保。そのままアルルカン鑑賞。流石のメジャー感。客の煽りもMCも丁度いいオラ付きと謙虚さが混ざってて上手いなぁと感心しきり。
アルルカンの『ダメ人間』をジグザグの影丸さんがドラムカバーしてる動画が良くてね。REIGNの和春さんもこういう「叩いてみた」動画とかやらないかなぁと思っちゃう。ギターのTANOさんとかも、CDの特典とかで「歌ってみた」とかやってるけどYouTubeで流したりしても良いのになぁなんて思ったり。
ラストに『ダメ人間』は無条件で盛り上がるアルルカンでした。そして、そのままREIGN待機。アルルカン終わりでフロアの密度どれくらい変わっちゃうかなと不安だったけど、まあ次のR指定待機含めても結構な埋まり具合してくれてて安心。有り難い。
そしてREIGN登場。緞帳おりた瞬間からメンバー全体の緊張感が伝わってきた。息を呑むような、とはこの事かと言う感じの張り詰めた感じ。ちょっと「あ、大丈夫かな?」と心配になったけど、気圧されてなんかないぞと小悪魔も盛り上げる。それに呼応するようにボーカルの郁磨さんが声を張り上げて鼓舞していく。郁磨さん、遠く離れた後ろの方まで届くように大きく呼びかけ、笑いかけ、少しでも乗ってくれたら笑顔で返して拍手して、沢山集まってくれた人たちを嬉しそうに煽ってた。
最初はフロアの乗りも大人しかったけど、最後には大きな盛り上がりになってて、僕はそれを観ながら凄く嬉しかった。純粋に場を楽しむ事で伝わるものもあると思う。25分と時間は短くても、次に繋がる良いライブだったと(偉そうだが)言える。
本当に楽しかった。
そう思いつつR指定を観たら、やあ凄い。キャッチーで時にダンサブルで、でも根底にロックがあって悪ふざけも出来る。そら人気出ますわ。
『病ンデル彼女』でバンギャルがリフトからダイブを普通にやっている光景は圧巻だった。
最後はRAZORからBugLugの形式美にも似たライブの流れをジッと後ろから観ていた。そしてBugLugの『神宮橋』をこういう場で聴くと、また感慨深く感じるのだ。
「ヴィジュアル系文化は衰退なんてしてないぞ、前向いて進め」と鼓舞するような歌が響く。
夏休みの前に良いフェスを観れたと満足感と疲労感を胸に新木場を後にした。有楽町線に揺られながらウトウトしていると、夏コミ初日帰りであろう集団と呉越同舟。
そちらも充実感に溢れた良い表情をしてました。