秋晴れの空、ベランダの洗濯物を見て幸せを感じる。
日曜日の午後1時。
娘のお昼寝布団を取りに行くために、
二階へ上がったら、心地よい風が身体に触れた。
窓を見ると、ベランダに干した洗濯物たちが
気持ちよさそうに揺れていた。
ほんとうに気持ちよさそうに。
シーツも洗って、久しぶりに布団も外に干せた。
ポカポカしたお日様を浴びて。
あぁ、しあわせ
トイレに行きたくなって、用をたっして
1階におりてソファーにどかっと座った。
お昼寝布団を持ってくるを忘れたことに気づいた。
*
ちょっとイラつきながら、2階へ戻ったけど、
ベランダを見たらまた洗濯物が気持ちよさそうで
心が踊った。
今度はしっかりお昼寝布団を手に持って
冷静になろう。よし、本来の目的を終えて
1階に戻ろうとした。とき、
「洗濯物を見てしあわせ?」
なにそれ。
さすがに自分の幸せのハードル低すぎない?
幸せのハードルが低いと、小さな幸福を感じやすい。
いいことではあると思っていたけど、
さすがに変?27歳。主婦。一児の母。妊婦。
私の肩書きを並べる。
27歳。独身。バリキャリ。平日仕事。休日も予定びっしり。リア充。
これは私が歩まなかった、別の27歳の私。
後者だったら、揺れた洗濯物をみて幸せを感じていたかな?
なんかだか、自分がちっぽけな気がして
せっかくの幸せな気分だったのに、ため息が出た。
*
娘が昼寝中に本を読んでいたら
明日の授業で「幸せについて考える」時間があると
先生から聞かされた小学生の女の子が登場するシーンがあった。
思わず、本を閉じて私もついさっき起きた
しあわせ?を振り返ってみたくなった。
“ 洗濯物が気持ちよさそうに揺れていた ”
まず分かりやすかったのは天気。
秋晴れ、暑くはないし寒くもない。
暖かい本当に気持ちの良い陽気。
これに幸せを感じた。
これはいいとしよう。
多くの人が心地良いと思う瞬間だと思う。
洗濯物が気持ちよさそう。に対しては、
絶対に生乾きにならずに、カラッと乾いてくれる!
やったー!という主婦の視点が入っていたと思う。
これは27歳バリキャリの私だったら、
ドラム式乾燥機とか使っていただろうし、
この点に関しては今の自分の身分が
そう感じさせるのだと思う。
もう一つ主婦視点で、譲れないこと。
久しぶりに布団を外干し出来たのは
嬉しかったし、達成感だった。
建売の我が家。
そんなにベランダが広くないから
一気に干せる洗濯物の量は決まっている。
シーツも洗い、布団も干せて、それが乾ききる。
日照時間も重要だし、
それらを入れ替える体力も必要。
子どもの相手をしながら、
洗濯物をまわし、干し、
そこそこの重力の布団をベランダから入れ替える。
ことが出来た。健康体。妊婦体。
自分にその力があったことが嬉しかった。
たったこれだけのことだと思う人も
いるかもしれないけど、
心も身体も健康じゃないと実は出来ない。
出来ない期間が長らくあったから。
淡々とこなしているかーちゃんたちの
バイタリティって結構すごいよ。
*
27歳のバリキャリ女ではないけど、
秋晴れの空に揺れる洗濯物をみて幸せを感じる
27歳女だけど。
心身ともに健康ではあるみたい。
あぁ、しあわせ。
これで、よかった。
これが、よかった。