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秋晴れの空、ベランダの洗濯物を見て幸せを感じる。


日曜日の午後1時。

娘のお昼寝布団を取りに行くために、
二階へ上がったら、心地よい風が身体に触れた。

窓を見ると、ベランダに干した洗濯物たちが
気持ちよさそうに揺れていた。

ほんとうに気持ちよさそうに。



シーツも洗って、久しぶりに布団も外に干せた。

ポカポカしたお日様を浴びて。



あぁ、しあわせ


トイレに行きたくなって、用をたっして
1階におりてソファーにどかっと座った。
お昼寝布団を持ってくるを忘れたことに気づいた。



ちょっとイラつきながら、2階へ戻ったけど、
ベランダを見たらまた洗濯物が気持ちよさそうで
心が踊った。

今度はしっかりお昼寝布団を手に持って
冷静になろう。よし、本来の目的を終えて
1階に戻ろうとした。とき、


「洗濯物を見てしあわせ?」 

なにそれ。

さすがに自分の幸せのハードル低すぎない?

幸せのハードルが低いと、小さな幸福を感じやすい。
いいことではあると思っていたけど、
さすがに変?27歳。主婦。一児の母。妊婦。
私の肩書きを並べる。

27歳。独身。バリキャリ。平日仕事。休日も予定びっしり。リア充。

これは私が歩まなかった、別の27歳の私。
後者だったら、揺れた洗濯物をみて幸せを感じていたかな?

なんかだか、自分がちっぽけな気がして
せっかくの幸せな気分だったのに、ため息が出た。



娘が昼寝中に本を読んでいたら
明日の授業で「幸せについて考える」時間があると
先生から聞かされた小学生の女の子が登場するシーンがあった。


思わず、本を閉じて私もついさっき起きた
しあわせ?を振り返ってみたくなった。



“ 洗濯物が気持ちよさそうに揺れていた ”

まず分かりやすかったのは天気。

秋晴れ、暑くはないし寒くもない。
暖かい本当に気持ちの良い陽気。

これに幸せを感じた。


これはいいとしよう。
多くの人が心地良いと思う瞬間だと思う。


洗濯物が気持ちよさそう。に対しては、
絶対に生乾きにならずに、カラッと乾いてくれる!
やったー!という主婦の視点が入っていたと思う。
これは27歳バリキャリの私だったら、
ドラム式乾燥機とか使っていただろうし、
この点に関しては今の自分の身分が
そう感じさせるのだと思う。


もう一つ主婦視点で、譲れないこと。
久しぶりに布団を外干し出来たのは
嬉しかったし、達成感だった。

建売の我が家。
そんなにベランダが広くないから
一気に干せる洗濯物の量は決まっている。

シーツも洗い、布団も干せて、それが乾ききる。

日照時間も重要だし、
それらを入れ替える体力も必要。


子どもの相手をしながら、
洗濯物をまわし、干し、
そこそこの重力の布団をベランダから入れ替える。

ことが出来た。健康体。妊婦体。


自分にその力があったことが嬉しかった。

たったこれだけのことだと思う人も
いるかもしれないけど、
心も身体も健康じゃないと実は出来ない。


出来ない期間が長らくあったから。


淡々とこなしているかーちゃんたちの
バイタリティって結構すごいよ。


27歳のバリキャリ女ではないけど、


秋晴れの空に揺れる洗濯物をみて幸せを感じる
27歳女だけど。



心身ともに健康ではあるみたい。

あぁ、しあわせ。


これで、よかった。


これが、よかった。









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