【#詩】試作品
新しいケーキが並ぶ
でも、お客さんは知らない
そのケーキができるまでの試作品の数を
美味しそうなケーキが並ぶ
でも、お客さんには見えない
そのケーキに隠された味の秘密は
世にでるまでの
トライアンドエラー
繰り返される試作品作り
1日の仕事が終わって、あるいは休みの日に
時間が費やされている
自分が店頭に並ぶケーキだとしたら
ぼくは、どのくらい悩んだだろうか
ぼくは、どのくらい失敗しただろうか
ぼくは、誰も知らない僕の強さを
どのくらい持てているだろうか
パティシエが1つのケーキにかける情熱と同じくらい
ぼくは僕自身に、情熱を傾けているだろうか
十分においしい試作品ができていながら、
それでも納得していない彼女の背中に、
そして僕自身に、ぼくはエールをおくった。