アタックして涙が出ちゃうのは女の子だから
イベントってのは晴れれば98%成功だ。
学校や地域のイベントを見てきて経験上そう言い切れる。
週間予報ではその日は雨だった。
行先は細野高原。
「少々の雨なら行こう」
予報が変わりますようにと祈りつつ
前日もラインで行程を確認しあう。
写友たちを乗せた特急踊り子号が定刻通り伊豆稲取駅に到着した。
思いのほか降りてくる人が多いのに改札を抜けたグループが
立ち止まって話を始める。その塊の中に埋もれてしまわないよう少し斜めになりながらホームから降りてくる友人たちを探す。
いたいた!!
向こうで写友たちが手を振っている。
はるれい、ちょこ、ゆうほ。
3人はコロナ禍を除き毎年のように下田を訪れてくれている。
下田にとってお得意様と言っても過言ではない。
今回は下田から少し離れた伊豆稲取を拠点にした1泊2日のオフ会。
稲取港近くで美味しく海鮮をいただき、予定通り細野高原へと向かった。
すごい細道を私のすごい運転でご案内。
途中ひやひやした箇所もあったけどまあいいとしよう。
現地に着けば青空が広がっていた。
雨の心配はなくなったけどここまで晴れるなんて。
11月の細野高原ではススキが見ごろを迎える。
ん??ススキ・・、ススキに見ごろってあんのか??
ススキの見ごろってどんな??
あー、それはともかく高原全体がモヘアのカーディガンを羽織ったようで
ススキは陽の光を絡めては始終風にそよいでいた。
「あんたが山に行くと雨になるから行くな」ぐらい言われる人がメンバーにいるのに青空広がる「細野高原ススキオフ」
そう、ここはいっぱしの山なのだ。(標高821m)
3人の写友はバリバリの山部。私は海部(専攻は散歩)
イベントを成功させる残り2%は私の脚力にかかっている。「もう歩けない」なんて言うわけには・・・!
「コーチ!もう1本お願いします!!」ぐらいの気概で歩かなきゃ。
細野高原散策コースには駐車場から少し歩いて雰囲気だけ味わう、
気持ーち登ってフォトスポット(ススキの海にダイブ)まで行く、
どうせここまで来たんならとてっぺんの三筋山まで登る、
三筋山しか眼中にない、といくつか楽しみ方がある。
彼らが三筋山アタックしないわけがない。
このオフが決まってから「脚鍛えとかなきゃ」と思いつつも
なーんもしてこなかった私。すっげー歩くの遅い。ごめんよ、みんな。
海に突き出した稲取の街がぽかりと浮いてるようにも見える。
海と空との境目を隠すように雲が現れ始めた。空のグラデーションをより強く感じる。アタックしたんだ。
夕映えのおまけまで所望するわがままぶりを発揮しつつ急に顔を出した
冷たい風に追い立てられるように下山した。
カフェオレ飲もうなんて言ってたのに、スタート地点の
キッチンカーはもう撤収していた。
140分コースを歩いた私達だが、実質3時間近く細野高原に滞在していたはずだ。
当たり前だけど山は登ったら降りなきゃならない。
私の場合、山頂での感動より帰りの心配。
涙出そうになったのは下山の方だった。
「明日立ち上がれなかったらどうすんべ?」そんな不安を打ち消すように
料理への期待感を膨らませ宿へ向かう。
空には半分こになったお月さんが出ていた。
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