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やり切るためには奥が深いperson観点の採用広報について
「personの採用広報はとにかく奥が深い」
ここ最近、ひしひしと感じています。
2017年頃から一般化し始めた採用広報について。
皆さま、重要であることは理解されている一方で、採用広報の難易度の高さ、そして費用対効果を説明しにくい故に、キャパを投じる事をジャッジできないモヤモヤ。そんなお気持ちなのではないでしょうか?
当社ポテンシャライトは、2017年から採用広報の支援をし続けてきました。当時はライティング経験はゼロ。広報に関しての知識もゼロからスタートしましたが、改善に改善を重ね、独自に採用広報のノウハウを蓄積してきました。
そんな中、採用広報で最も重要な題材の1つである「person」。このpersonの記事は本当に奥が深いと思っています。その奥の深さについて本ブログでご説明したいと思います。
0. 採用マーケティングについて
採用マーケティングとは:
採用活動における「応募前」までのフェーズに打つ施策のこと
👇下記ご覧ください。
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採用広報とは:
採用活動における「広報活動」のこと。最もイメージしやすいのはWantedlyのフィード(社員インタビュー)のこと。
上記にてご覧いただいております通り、採用広報は採用マーケティングに内包されます。
1. 採用広報の題材について
採用広報に取り組む際に、皆さまが最も関心を持っていらっしゃるのは「題材」についてだと思っています。採用広報=社員インタビュー、というイメージをお持ちの方は多いかもしれません。
ただ、採用広報は様々な題材で作成することができます。
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こちらは、当社が提携している採用企業の「魅力項目」を図にしたものです。つまり、候補者さまが採用企業に魅力を感じるのは、この12項目に分類できる、そう解釈いただければと思います。(これ以外にもあるかもしれませんが)。
採用広報=社員インタビューと先ほど記載しましたが、世に出ている採用広報の7割程度は社員インタビューかと思います。ただ、残りの3割は、前述した12項目を題材にしていることも多く、きちんと企画を練られて執筆された記事については、戦略的に書かれています。
そんな中、本ブログの冒頭に「person」の採用広報の奥が深い、と記載しました。それはなぜなのか?次項で説明したいと思います。
2. personの記事は読み手(ユーザ) を限定しやすい
採用広報の記事を作成する前に、まずは企画書を作成することが多いです。
企画書は、
採用広報企画の作成
採用広報記事の目的
ターゲットの設定
ターゲットのインサイト(≒ 潜在ニーズ) の設定
メッセージング(魅力) の仮案設計
質問設計
インタビューの実施
45〜60分程度
インタビュー内容の執筆
当社契約のライターにて実施する予定です(料金内包しており御社が支払う必要はありません)
納品
これらの内容です。
当社が、採用広報の支援に入る際に特に意識しているのは「ターゲット」「インサイト」「メッセージング」この3つです。ターゲットは絞れれば絞れるほどインサイトも明瞭になり、そしてメッセージも鋭くなります。
ただ、このターゲット/インサイト/メッセージングを採用広報のために作成していて、違和感を覚えることがありました。それは、
「philosophyやproduct、strategy、privilegeの記事はターゲットを絞りにくい」
ということでした。
これらの4つの魅力項目を打ち出す採用広報を作成する際は、「特定の職種」に絞った記事ではなく、「全職種」の方々に見ていただく記事になります。営業職の方、エンジニア職の方、デザイナーの方、そしてマネージメントクラスの方、CxOクラスの方など、全職種の全レイヤーの方に見ていただく記事になります。そのため、前述した「ターゲット」はぼんやりすることが多く、それに伴いインサイトもややぼんやりします。
ただ、メッセージングは明瞭にしなくてはなりません。philosophyやproduct、strategyについて、メッセージングがぼんやりしている記事では、ご覧いただいている候補者さまを訴求する事は難しくなります。
話を戻すのですが、ターゲット/インサイト/メッセージングを細かく設定できるのは「person」の記事であり、それ以外の記事については、personほど細かく設定できないなと感じていました。
そして、これは当社の自社採用時に出た気づきなのですが、
「同じ募集職種でも、様々なターゲットが存在する」
ということ。
例えば、当社はHR業界の企業ですので、何かしらHR業界の経験のある方がターゲットです。「何かしら」を明文化すると、
・人材紹介経験者
・人材派遣経験者
・求人広告代理店の営業経験者
・求人メディアの営業経験者
・HR Tech出身者
これらのあらゆるターゲットによって、現職で感じられている事は様々だと思うことが多々ありました。
全ターゲットに対して共通している事は、「提案できる商材が限定的であること」です。当社は、お客様のすべてのHR課題を解決すると打ち出しているため、それは解決することができます。ただ、各ターゲットによって、それぞれ別のペインを抱えていることがあります。
例えば、
・人材紹介経験者
- 自社の得意な求職者層以外の支援がしにくい
- 人材紹介という手段以外の支援ができない
・人材派遣経験者
- 派遣社員が中心であるため、CxOクラスなど上位層の支援ができない
- 顧客の重要度が高いポジションについて知ることができない
などです(一部のみ記載しました)。
人材紹介経験者、人材派遣経験者では、当社の採用メッセージは少し変える必要がありそうですよね。
3. エンジニアの採用広報の支援に入ってみて
当社はエンジニア採用の支援が多いのですが、エンジニアの採用広報の支援も多く実施しています。
採用広報の支援を継続的に実施していたところ、気づきが連続的にありましたので、記載したいと思います。
3-1.「職種」ごとに採用広報記事を作成する
「エンジニア」と前述しましたが、ひと口でエンジニアといっても様々存在しています。また、エンジニアという表現よりも「プロダクト開発において必要な募集職種」と表現したほうが良かったかもしれないのですが、エンジニア以外にもプロダクト開発において必要な職種が幾つか存在しています。
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こちらは、プロダクト開発をしている企業で、職種としても一般的な職種になります。これらのポジションは、常時募集をしている企業様も多いのではないでしょうか。
職種を細分化して採用広報の記事を作成すること自体は、ポジティブではあったのですが、ここである課題が発生しました。
「その募集職種に応募している候補者さまのキャリアと、採用広報に出ている社員のキャリアに共通項が少ない」
どういうことかというと、
仮に御社のバックエンドエンジニアの採用広報があったとして、その採用インタビュー対象者がサイバーエージェント出身者であったとします。その方の前職の経験、転職/入社理由、そして入社後に感じているその企業の魅力などが書いてあると仮定します。
ただ、御社のバックエンドエンジニアのポジションで応募してくださる方で、サイバーエージェント出身のような方が多いかというと、そんな事はありません。もちろん、「サイバーエージェント出身者がその企業を選んだという事実」、「サイバーエージェント出身者が感じる御社の魅力」という点においてはポジティブに伝えられる要素はあるかもしれませんが。
何度も申し上げますが、採用広報は、ターゲット/インサイト/メッセージングが大事です。サイバーエージェント出身者の方の採用広報が、目の前にいる候補者さまに最適な内容であるとは言い難いなと思っています。
そこで次項をご覧ください。
3-2.「ターゲット」ごとに採用広報記事を作成する
前項は「職種」と表現しておりましたが、職種よりも1つブレイクダウンして「ターゲット」別に採用広報記事を作成します。
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こちら記載した通り、前項よりも細かく分類できています。仮に御社のバックエンドエンジニアが10名存在していたとします。10名存在していれば、おそらく様々なバックグラウンドを持った方がいらっしゃるかと思います。もし仮に、その10名の方々が、前述したようにそれぞれ当てはまるのであれば、1本ずつ採用広報を書くのはすごく効果的です。なぜならば、
「応募してくださる候補者のキャリアによって、適切な採用広報を提示できる」
からです。
何度も申し訳ないのですが、person観点の採用広報の1番のメリットは、「ターゲットに合わせてメッセージを鋭くすることができる」ことだと思っています。そのため、応募してくださる候補者の「ターゲット」に応じて、その数だけ採用広報がある事は、ものすごく良いことなのです。
3-3.「年齢」も変数要素に入れた採用広報記事を作成する
まずはこちらをご覧ください。
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前項までに「職種」と「ターゲット」を細かく分類して、採用広報の記事を書きましょう、という話をしました。
ただ採用広報支援をしているうちに、若手の方々とシニアの方々でお話しされることが割と異なることが分かってきました。たしかに、僕は今37歳になりましたが、20代の頃と比較すると価値観は多少変化してきたと思っています。子供ができたり、自分の会社内の立ち位置が上がってくると感じることも出てきます。
そのため、上の表に記載した通り、20代、30代、40代という形でジュニア、ミドル、シニアで分類をして採用広報の記事作成を意図的に実施したほうが良いという結論に至りました。
最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。
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