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「ハイドリーム(最高な状態)」を活用した新しい採用ブランディングの手法について
「あれ、新しい採用ブランディングのテクニックかも?」
ポテンシャライトは採用「実務」の支援が最も得意分野ではありますが(スカウトメール送信など)、世間的には、採用「ブランディング」「マーケティング(採用広報など)」に強みを持っていると認知いただいているかと思っています。
そんな中「採用ブランディング」については、これまでさまざまなノウハウを更新してまいりました。
ただ、2023年7月に新しい気づきがありました。
それは、
「ハイドリームにおける魅力設計」
です。
??という印象だと思いますので、下記にて細かく説明してまいります。
0. ハイドリームとは?
ハイドリームとは:
最高の夢の状態であること
「夢」という言葉を入れると抽象度が上がるのですが、シンプルに「最高の状態」と定義をするとイメージしやすいかもしれません。
対義語として「ロードリーム」という言葉があります。
ロードリームとは:
最悪の夢の状態であること
皆さん、ここで質問です。
「皆さん在職中の企業の採用活動において、ロードリーム(最悪な状態)はどのような状態でしょうか?」
この質問をすると、
◆ロードリーム(最悪な状態)
・1ヶ月で応募が1件もこない
・求人票の内容が激薄で、事業内容/職務内容もよくわからない
・企業の魅力がゼロ
・どんなに優秀な方でも面接が不合格になってしまう
・採用活動をしたいと言っているが予算がゼロ
などの回答をいただきます。
これはもう最悪ですよね。さすがに上記のような状態になることは少ないかと思うのですが、あり得るかもしれません。
では皆さん、改めて質問です。
「皆さん在職中の企業の採用活動において、ハイドリーム(最高な状態)はどのような状態でしょうか?」
この質問をすると、
◆ハイドリーム(最高な状態)
・1応募、1面接、1内定、1内定承諾
・媒体掲載やエージェント依頼をせずとも、自社ホームページで採用充足
・リファラル採用だけで採用充足
・面接官の惹きつけがものすごく強い
・事業内容/福利厚生/カルチャーなどが最高に良い
などの回答をいただきます。
言うまでもなく、これは最高ですよね。1名応募で1名内定承諾、これは理想です。ただ皆さん、ハイドリームである状態が「理想」として捉えた際に、
「本気でハイドリームな状態を目指す場合は、どのような施策を投じるべきか?」
と考えたことはありますでしょうか?
もちろん実現できるかはわかりません。ただ、考えるのは自由です。そして考えたこともない方のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか?
1.「ハイドリーム」という言葉は「プロセス指向心理学」を学んだ際にたどり着いた
少しだけ雑談を。
「ハイドリーム」という言葉をご存知の方は少なかった?のではないでしょうか?僕は聞いたことがなかったです。
どこでこの言葉を聞いたかというと、僕がここ最近「プロセス指向心理学」に興味があり、色々と調べたところ辿り着きました。
参考までに最近書いたブログを掲載しておきます。
プロセス指向心理学の話を進めてしまうと、長くなってしまうので、話を戻します。
2. なぜ「ハイドリーム」という概念を採用ブランディングに適用してみようと思ったのか
これは偶発的な出会いでした。
前述した通り、プロセス指向心理学を学んでいた際に、「ハイドリーム」と出会いました。
「ハイドリーム=最高の状態か。今の自分の人生にとっての最高の状態ってどんな状態だろう…。今のポテンシャライトにとっての最高の状態ってどんな状態だろう…、、ん?そういえば、今日お会いした企業さまがPM(プロジェクトマネージャー)採用で苦戦をしていたが、そういえばPMにとっての最高の環境である企業って、どのような状態なんだろう?」
このような思考を回したことがありました。
ポテンシャライトの採用ブランディングの考え方としては、
魅力の「発掘」「言語化」「整理」
です。つまり、企業さまが気づくことのできない魅力を第三者(ポテンシャライト)として接することによって、「発掘」「言語化」をする、という取り組みです。
この採用ブランディング自体は、希少価値が高いサービスと自認しています。当社の独自の強みであり、むしろこのサービスを提供できる採用支援企業はほぼ見たことがありません。
採用ブランディングサービスをもう少し咀嚼しながら説明をすると、
◆採用ブランディングで発掘できる魅力について
1) 今まで文言化できていなかったことを文言化する。
- すでに採用企業側で何となく魅力を理解している
- 文言化する時間がなく、当社にご依頼をいただく。
- ただ、採用企業側で気づけないような魅力を当社が発掘もする。
- 第三者として当社の見解も含めながら整理をする。
2) 自社ではわからなかった(発掘できなかった)魅力を文言化する
- 採用企業側で気づけないような魅力を当社が発掘する。
- 発掘した魅力を文言化する。
- 第三者として当社の見解も含めながら整理をする。
3) その魅力に対して、重要性を付け加える(IFAの概念)
- 発掘した魅力自体の重要性を説く。
- なぜならば、候補者がその魅力の重要性を理解していなければ、魅力として伝わらないから。
- 各魅力にそれぞれ重要性を説くことによって、魅力度合いが昇華していく。
このようなイメージです。
ただ、上で羅列した採用ブランディングで発掘できる魅力については、「臨界点」が存在していました。
それは、
「その企業の “潜在能力” 以上の魅力度合にはならないこと 」
少し誤解を招きそうですので、丁寧に説明します。
2-1. 企業の魅力の “潜在能力” とは?
まずは下記をご覧ください。
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よくある「氷山の一角」です(フリー画像を持ってきました)。この画像を用いて、本ブログの説明ができればと思います。
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👆 こちらをご覧ください。
「今」わかっている魅力が存在しています(Aの部分)。
それに加えて、「採用ブランディングにおいて発掘」できる魅力もあります(Bの部分)。
当社の採用ブランディングサービスを棚に上げて説明をすると、Bの部分はたくさん存在しており、この部分が多ければ多いほど、「“潜在能力” が高い」 と言えます。実際にそういった企業様はいらっしゃいますし、逆に “潜在能力” が低い企業様も正直存在しています。
ここで言う「潜在能力」とは、「発掘できていない魅力の数/大きさ」とでも表現しましょうか。
当社の採用ブランディングサービスではこの“潜在能力” をとにかく開花させ、文言化して整理をして、採用活動に活かしていく。具体的には採用広報、採用ピッチ資料、カジュアル面談でのスクリプト化などのお手伝いをしています。
前述した話に戻ると、
「その企業の “潜在能力” 以上の魅力度合にはならないこと 」
と記載しましたが、これはどういった意味合いなのか?
2-2.「その企業の “潜在能力” 以上の魅力度合にはならないこと 」について
当社が採用ブランディング支援に入らせていただいた際に、やはり魅力の「発掘度」や「尺度」には各企業で差異が発生します。
「この企業は魅力が“たくさん“発掘できたな」
「むむ、この企業は魅力を発掘できたが、数がもう少しほしいな…」
という感触はあったりします。
これは当社の「深掘り力」不足かもしれないのですが、それは一旦置いておき(本ブログの趣旨から外れるため)、なぜこの事象が起きるのかというと、
“潜在能力” 以上の魅力度合にはならないから
という理由が大きいかと思います。
誤解がないように申し上げますと、当社の採用ブランディングサービスの満足度は10点満点中9点を超えます。
つまり、
「思った以上に自社には魅力があった」
「ポテンシャライトさんに発掘してもらった魅力は想像以上であった」
「こんなに語れる魅力が同社にはあったのか」
と感嘆いただけることのほうが圧倒的に多いのが実態(本音)です。
そのため、 “潜在能力” と記載しましたが、
「御社(採用企業)が思っている以上に、御社の魅力の“潜在能力“は大きい」
と言えます(これは割と自信があります)。
話を戻して、
とは言いつつ、各社の“潜在能力” がある中で、この “潜在能力” を凌駕する取り組みはできるものなのか…?
いや、むしろ“潜在能力” 以上の 魅力設計は必要なのか?それは偽りになってしまうのでは…?
というような葛藤があった中で、ハイドリームに出会ったのです。
3.「ハイドリーム」を採用ブランディングに活用するって、どういうことか?
端的に言うと、
「御社(採用企業)において、○○職の採用をするにあたり、候補者にとってのハイドリーム(最高の状態)とは何でしょうか?」
これを自問自答してみていただけると、新しい世界にいけると感じています。
これは僕も反省点ではあるのですが、どのように魅力を「捻出」するか、「文言化」するかに偏っていた気がするのですが、そうではなくて、「最高の状態」を定義することによって、全く異なる場所から景色を見ることになるのかなと感じています。
誤解がないように申し上げますと、
「最高の状態」>>>>>「御社の状態」
だと思います。世の中の全社が「最高の状態」であったとしたら、各社でここまで離職が起きていないかと思います。
必ず不満が存在しており、その不満が退職理由になります。そのため、各社でハイドリームを考えること自体をして「いない」可能性が高く、ただハイドリームを考えたところで、実現「できない」と潜在的に考えてしまっている企業さまも多いのではないでしょうか。
話を戻して、具体的にどのように採用ブランディングにハイドリームを活用していくのかを記載してみます。
3-1. ポテンシャライトのHRパートナーの場合
ポテンシャライトでは主にベンチャー企業のHR支援をしています。採用戦略〜採用マーケティング、採用実務、人事組織など多岐に渡ります。
そんな仕事の中で、「ハイドリーム」とはどのような状態を指すのかを考えてみます。
ハイドリームな状態
- 日本で最も優秀なHRパートナーチームが在籍している
- 著名企業/超成長中企業の支援をしている
- 社員がRespectを持っており、相手の立場に立って話ができる
- 採用戦略〜採用マーケティング、採用実務、人事組織まで幅広く経験できる
上記はメンバーにヒアリングをしてあがってきた内容です。
これらすべてが当社に当てはまっている情報ではなく、あくまでも「最高な状態」として記載しています。言い換えれば「最高の理想」です。当社でいうと、この環境にどこまで近づけることができるのか?がポイントになります。
3-2. PM(プロジェクトマネージャー)の場合
例えば、SIerのPMの場合のハイドリームを考えてみます。
SIerのPMのハイドリーム
-
-
-
-
↑
あれ?未記入?
そうなのです。
ここで気づきがあったのですが、ハイドリーム、つまり最高な状態をヒアリングしたことはこれまで少なかったように思えます。
「御社の魅力は何ですか?」
「候補者様の◯◯というインサイトを凌駕できる魅力はありますか?」
この類のヒアリングは、あくまでも「潜在能力」の開花に過ぎません。そのためギリギリ想像できる範囲に収まります。
ここで皆さま質問です。
ハイドリームについて、考えたことはありますでしょうか?
今、自分が勤めている企業・業界・職種におけるハイドリームとは?(最高な状態とは?)
おそらく考えたことがない方がほとんどなのではないでしょうか?
なぜならば、最高な状態を考えたとしても「それが実現すると思っていないから」です。想像したとしても実現しなければ思っても虚しいだけだったりしますよね。そのため、日頃の会話でハイドリームが出てくることは少ないと思っています。
補足しますと、ハイドリームは「一般的な希望」のさらにその先です。言い換えれば「最高の希望」とでも言いましょうか。皆さんの一般的な期待を大きく凌駕する「最高の状態」であることです。
4. どのようにハイドリームを認知し、実現していくのか?
僕個人の意見としては、ペルソナ候補者に対してのヒアリングだと思っています。
今このブログを書いていて、ふと思ったのですが、僕らのお客様(採用企業側)は、採用活動における「ハイドリーム」を当社が理解している、という期待のもとお付き合いいただけているのではないかと思います。なぜならば、これまでに350社様以上の採用支援の実績があり、限りなく採用活動が成功している事例を知っているのではないかと思われているためです。
これは間違いではなく、むしろ、ありとあらゆる成功事例は、社内に情報を格納しており、そして当社が支援をしていない企業様についての採用成功事例のウォッチもしています。
ただ、それは「採用企業側」を起点とした話であって、「候補者さま側」のハイドリームと必ずしも=でつながるわけではありません。僕が今申し上げているのは、「ペルソナ」をある程度決めて、その「ペルソナ」にとってのハイドリームをヒアリングしてみる。なぜヒアリングするのかというと、
多くの方がハイドリームについてを真剣に考え、アウトプットしたことがない/少ないから
です。
そのため、「夢物語」と言ってしまえばそうなのですが、世の中にハイドリームの情報が少ないのではないかと解釈しています。
最後に
今回の「ハイドリーム」を適用した採用ブランディングについては、幾つかの企業様から着手しようとしています。そのためまだ事例がないのですが、近いうちにこの考え方を適用した採用ランディングを実施してみた所感などをブログとしてアウトプットできればと思っています。
ちなみに、この考え方は、ある程度採用活動の経験がある企業様の方が適しやすいと思っています。なぜならば、採用活動を成功させるために思考し、失敗し、成功し、様々なノウハウを得た。ただ、どうしても超えられない壁がある、という企業様が取り組むべき施策のレベルなんだと個人的には思っているからです。
皆さんいかがでしたでしょうか。
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。
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