エンジニアを永続的に採用するなら すぐに取り組むべき「ポテンシャル プール」について
どう考えても1ヶ月間に複数名のエンジニア採用は至難の業である。
2021年に僕が出した結論でした。
少し絶望的な見出しからスタートしてしまったのですが、この内容について紐解きながらお話をしたいと思っています。
0. カジュアル面談数:32件
詳細はこちらのブログをご覧になっていただきたいのですが、論理的に計算すると、1名の入社決定のために必要なカジュアル面談数は32件と算出できます。
少し詳しく説明をすると、
こちらの歩留まりで計算しました。
ちなみに、もし仮に「面接が3回」の場合は32件以上のカジュアル面談が必要になることが多いです。また、もし仮に「各種通過率」が上記数値よりも高い企業様であれば、32件未満になることも多いです。
そのため、「カジュアル面談:32件必要」と申し上げたのですが、企業様によっては「20〜40件程度」を要しているように思えます。
(誤解がないようにいうと、「1次面接(選考)ではなく、「カジュアル面談」の話をしています」)
1. スカウト通数:320件
32名のカジュアル面談設定をするためには、スカウト通数は320通必要です(スカウト返信率:10%の場合)。
前提として、昨今のエンジニア採用において、「エージェント経由」の採用よりは「媒体経由」や「リファラル経由」の採用のほうが圧倒的に多いと感じています。エージェント経由だとカジュアル面談をカットし、1次面接からスタートできることがありますが、媒体/リファラル経由だと、概ねカジュアル面談が必要となります。
皆さんお察しの通り、リファラル採用を進めるにあたり「毎月必ず●名の面談を設定できる」と想定するのはあまり好ましくはありません。
なぜならば、社員経由のご紹介は枯渇することが多いからです。となると、媒体の「スカウト」が再現性を生むためにも必要になってきます。
話を戻して、エンジニア採用に適した採用媒体をできる限り挙げてみましょう。
などが該当しますよね。
ちなみに、上記をした媒体に「御社のご要望にマッチしたエンジニアは何名登録があるのか?」はご存知でしょうか?
2. 御社が求めるエンジニアは何名いるのか?
エンジニア採用媒体上に御社が求めるエンジニア、つまり御社の募集要件にマッチするエンジニアは何名程度いらっしゃるのでしょうか?
もちろん企業様によって、求める採用ハードルは異なります。そのため一概に「Forkwellには御社が求めるエンジニアの人数は●●●名登録があります!」と言い切ることはできません。
そこで下記のブログが2021年に誕生をしています。
こちら長文のブログなので、全て読んでいただかなくて大丈夫なのですが、このブログの中で伝えたい結論としては、下記です。
結論としては、上記をしているスカウト媒体A〜Eの登録者に対してスカウト可能な人数は555名です(上記、バックエンドエンジニアの場合)
本ブログのアジェンダ「1」でも記載しましたが、「320通」という記載をしましたよね。
あれ?スカウト320通で1名採用できるのであれば、スカウト555通で採用できる人数は1〜2名?という計算ができてしまいます。
3. (補足/前提) 「ホットな求職者」という概念
アジェンダ「2」でスカウト555通と記載しましたが、これは先ほど記載をした全媒体の「全登録者」の人数ではありません。
どの媒体も「全登録者数」はたくさんいらっしゃいます。ただ全登録者数の中で、「ホットな求職者」の比率は総登録者数の10%に満たないはずです。補足をすると、「ホットな求職者」とは、スカウト返信率が高いと想定される求職者様のことです。
例えば、
上記に該当する求職者様はスカウトメール返信率が高いと思いませんか?実際に返信率は高いのです。
話を戻して、ホットではない登録者にスカウトメールを乱発しても返信は見込めませんよね?そのため、スカウトメール送信時にホットであることが重要である、という前提があるということをご理解ください。
4. キーポイントの一つであるタレントプール
これは皆さん既にご存知かと思いますが、前述した課題を解決するための1つの突破口は「タレントプール」といえます。
タレントプールは御社の採用ハードルには一定満たしていますが、何かしらの理由で選考途中で「辞退」をしてしまった求職者様を指します。
前述した通り「カジュアル面談」が増える中、カジュアル面談段階で離脱する方も一定数存在しており、そのためこのタレントプールの運用が非常に重要になってくるはずです。
本ブログではタレントプールについて詳しく研究したいわけではないため、詳しくは下記のブログをご覧になっていただければと思います。
5. 新しい概念「ポテンシャル プール」
本ブログで最も伝えたいのは、この「ポテンシャル プール」についてです。
ここでのポイントは「将来的に」と言う部分です。つまり、「今」はタレントプールに格納するレベル感ではない求職者様になります。
ただ「今」は違うが「将来的に」タレントプールに格納すべき求職者様はどういった方々なのか?それを紐解きながら説明いたします。
5-1. 意外と見落としがちな「面接不合格者」
皆さま、これまで面接「不合格」にした人数は何名ほどいらっしゃいましたでしょうか?採用に携わった年数によりけりかと思いますが、とてつもない人数かと思います。おそらく山根個人としては800名ほどになるかと思います。
話を戻して、過去に面接不合格の方が、「今」 時を経てスキルを積んでいる可能性は大いにありますよね?仮に「惜しくも不合格」の方がいて、その方が1年後にスキルを積んでいたとすると、面接「合格」となる可能性はあるかと思います。
これまでの日本の採用市場において、面接「不合格」の方にアプローチをする仕組みを構築している企業は僕が知る限り知りません(もしかしたら存在してるかもしれませんが)。そして、この面接「不合格」であり将来的にタレントプールに格納できる求職者様をポテンシャライトでは、
「ポテンシャル プール」
と呼んでいます。
5-2. 面接不合格の方は、●年後も不合格になるのでは?
こちらの意見は想定済です。論点としては、面接不合格 「理由」です。下記をご覧ください。
上記はポテンシャライトで「求める人物像」を策定する際に使用する内容です。
この3分類となっていますが、僕なりの解釈をお伝えします。
①価値観については、すぐに変わるものではなく、おそらく価値観/カルチャーミスマッチで不合格だった場合は、ポテンシャル プールには入ってこないのではないかと思っています。
ただ、②人間力と③業務スキルは、後天的に「身に付く」スキルだと思っており、数年後に能力が上がっている可能性があります。であれば、数年後に改めて声をかけるのはアリだと思っています。
5-3. 不合格にしてから、どれくらい期間を空けて声を掛ける?
これは適切な期間があるわけではないのですが、僕としては「1年後」かなと思っています。
根拠としては、1年という期間が経過すると、驚くほど成長をするメンバーがいたりします。一方で全く成長をしない方もいらっしゃるかと思います。
僕の肌感覚としても、1年間で化けるメンバーがいる中で、1年が適切なのかと感じています。ちなみに先日FacebookのHRの方が登壇するウェビナーを拝聴したのですが、その方も「1年間」とおっしゃっていました。
6. 面接不合格になる方はどれくらい存在するの?
論理的に計算してみましょう。
仮に、応募数が100名だったと仮定した際に、下記となります。
よくある歩留まりです。
次に、各進捗において「不合格」になっている方を抽出してみましょう。
①+②+③+④=29名となります。
つまり29名が「不合格」or「選考辞退(離脱)」をしていることになります。
わかりやすく表現をすると、1名入社決定をするために、29名の「不合格」「離脱」が起きていると言えます。
この29名を軸として 面接不合格理由 をもう少し深掘りをしてみましょう。
と仮定した際に、Cはポテンシャル プールには入れなくて良いかと思います。価値観は先天的に身についたものであり、後天的に変更することが難しい項目かと思うので。
※価値観とは?という方は下記ブログのアジェンダの「3-1」をご覧ください。
また、AとBに該当する方は、ポテンシャル プールに入れていただいて良いかと思います。
となると、
29名 × 70%(A+B) = 20.3名
となります。
20.3名です!
このプールを将来的に活用しないのは本当にもったいないですよね。
7. インパクトを計算してみました
どのくらいインパクトがあるか、仮の数値で計算してみました。
上記、あくまでも概算ではありますが、年間:232名もの「面接不合格者」がいらっしゃいます。上記アジェンダ「6」で記載をしましたが、ポテンシャル プールに分類できる比率は「面接不合格者 × 70%」と仮定すると、162.4名となります。
年間:162.4名…。すごい人数ですよね。
最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。
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