採用活動におけるインサイトの「全種類」の解体新書
「インサイトの種類は結局いくつあるのですか?」
このようなご質問をいただいたのは本当に最近のことでした。最近、下記のブログをアウトプットしました。
こちらのブログはキャリアの方向性を13パターン提示したもので、採用活動をする際に、募集しているポジションにおいて、どのようなキャリアの方向性×バリュープロポジションを得ることができるのか?を追求した内容になっています。 ただ、「キャリアの方向性」のみがインサイトを構築しているわけではありません。その他にもインサイトの種類は多数存在するのです。その中の1つがキャリアの方向性とご認識いただければと思っています。
本ブログでは、インサイトの種類について説明していきたいと思います。
0. インサイトとは?
ポテンシャライトでは、インサイトを
「人の隠れた心理」
と定義しています。ポテンシャライトでインサイトを言及するタイミングとしては、
です。
1. TIMとは
上記のことを指しています。採用広報の記事作成や求人作成時には上記を意識して実施すると、ターゲットに訴求できるメッセージ作成が可能です。
当社はTIMというサービス支援をして早2年半程度が経過しようとしていますが、この支援なくして採用成功はないのではないか?と思うほど重要度が高いと思っています。
2. インサイトの種類の歴史
前項で説明したTIMというサービスが生まれた頃は、「職種」と「業態」をインサイトの種類として設定していました。実は最初は「職種に特化した魅力」というサービスで提供していました。どういうことかというと、例えばポテンシャライトでHRパートナーとして働く魅力と、ポテンシャライトで人材紹介のキャリアカウンセラーとして働く魅力は異なると感じていたからです。これは当社のお客様でも当たり前のように発生しておりまして、バックエンドエンジニアで働く魅力やフィールドセールスで働く魅力が異なるのが普通だったりします。これが「職種」をフックにしたインサイトの種類です。
一方で、「同じバックエンドエンジニアでも、出身企業が異なればインサイトが異なるのでは?」という課題提起がありました。具体的には、「SaaS企業でのバックエンドエンジニア経験」と「Webサービス企業でのバックエンドエンジニア経験」と「Web受託企業でのバックエンドエンジニア経験」では、インサイトが異なることがわかっていました。そのため、「業態」というのは、インサイトの種類として確立されるのだろうなぁと思っていました。
その後、「年齢層」というインサイトの種類に出会いました。
「ジュニア、ミドル、シニアなど年齢層によってインサイトが異なるのではないか?」
という当たり前と言えば当たり前の課題提起が発生し、誕生したものです。
👆こちらのブログは参考程度にご覧ください。
おそらく「職種」「業態」「年齢層」については、これまでブログでもインサイトの種類としてご紹介しておりましたが、これ以降に記載する内容は、おそらく初公開の内容だと思います。
その後に発生したのは「会社のフェーズ」というインサイトです。
「スタートアップで働くインサイト」
「上場直前の企業で働くインサイト」
「メガベンチャーで働くインサイト」
は全く異なると感じたことです。詳細は後ほど説明します。
また、「魅力項目ごと」のインサイトもあります。当社の採用ブランディングという主力サービスにおいて「魅力項目」が分類されています。特定の魅力項目に沿ったインサイトが発生することも多くあると感じていたので、インサイトの種類としては適切だと思いました。
次に「キャリアの方向性」について。本ブログの冒頭にも説明いたしましたが、下記ブログに詳細に記載しておりますので、ご覧いただければと思います。
最後に「発達段階」について。
発達段階についての説明を始めてしまうと、かなり長い説明文になってしまいますので、ご興味をお持ちの方は、下記ブログにおいて「発達段階」とページ内検索をしていただけるとご理解いただけるかと思います。
本項目においてインサイトの種類を多数ご紹介させていただいたのですが、次項目において詳しく説明していきたいと思います。
3. インサイトの種類のご紹介
前項目でダイジェスト版でご紹介いたしましたが、本項目では細かく記載していきたいと思います。
3-1. 「職種」別のインサイト
これはその名の通り「職種」別のインサイトのことです。言わずもがな、
エンジニアのインサイト、
フィールドセールスのインサイト、
経理職のインサイト、
は異なると思います。ただ、本ブログをご覧いただいている方は図星かもしれませんが、募集をしている全ポジションに対して「異なる魅力」を発信できている企業はほぼないと思います。例えば、御社でフィールドセールスで働く魅力と、経理職で働く魅力を別々に文言を整理して、求人情報に掲載しているケースはごく稀というか、ほとんど見たことがありません。当たり障りもない職種別の魅力は見たことがありますが、デザインされた魅力はほぼ見たことがないという意味合いです。
ただ、「職種」別に魅力を作成した方が良いという事実自体は皆さん感じていらっしゃるかもしれませんが、マンパワーやノウハウの兼ね合いによって、なかなかそれが叶うことはできていないという感じなのでしょうか。
3-2. 「業態」別のインサイト
「業態」というのは、SaaSやWebサービスやWeb受託企業やSIerなどのことです。あえて「業界」と記載していないのは、業界だと大雑把すぎると思ったからです。例えば、直前に記載をした4つの業態については「IT業界」とひとくくりにされてしまう可能性もあります。その場合、「IT業界でエンジニアとして働くインサイト」というひとくくりになると、インサイトが鋭利になりません。そのため「業態」と記載していると認識してください。また、「職種」によって「業態」は変化します。例えば、フィールドセールスという職種があった場合、業態は多岐に渡ります。一方で、エンジニアであれば業態はある程度限定できます。
そのため、職種と業態については連動していることをご理解いただけると良いかと思います。
3-3. 「年齢層」別のインサイト
前項目でも記載しましたが、ジュニア、ミドル、シニアなどにおける年齢別のインサイトです。ただ、「年齢別」と呼んでいますが「レイヤー」と記載をした方が適切かもしれません。なぜならば、単純な年齢でインサイトが変わるというわけではなく、社会人におけるステップバイステップのレイヤーの方が意味合いとしては近いと思ったからです。30歳で社会人1年目の方もいらっしゃると思いますし、35歳で社会人19年目の方もいらっしゃるかもしれません。
すごくありきたりな話ですが、
ジュニアレイヤーであれば「スキルを身に付けたい」「成長したい」「裁量権を持ちたい」と思っていらっしゃる可能性があるでしょう。
ミドルレイヤーであれば「キャリアの方向性を悩んでいる」「自分の強みを見つけられていない」と思っていらっしゃる可能性があるでしょうし、
シニアであれば「若い頃のように業務量で勝負することが難しくなってきている」「自分自身の興味関心ではなく、社会貢献について関わりたい」と思っていらっしゃる可能性もあるでしょう。
3-4. 「会社フェーズ」別のインサイト
所属している企業の会社のフェーズによってインサイトは大きく異なる傾向もあります。例えば、SaaS企業でバックエンドエンジニアとして勤務する42歳の方がいらっしゃったとして、業態と職種と年齢層は網羅できています。一方で、10名のスタートアップで働いている場合と、10,000名の大手企業で働いている場合については、大きくインサイトが異なることをご理解いただけるかと思います。とは言いつつ、会社のフェーズが全てを決めるわけではなく、他のインサイトの種類も掛け合わせてインサイトを決定することは間違いないのですが、その中の1つとして会社のフェーズも大きく関係していることはご理解いただけるかと思っています。
3-5. 「キャリアの方向性」別のインサイト
キャリアの方向性については、下記ブログに詳しく記載いたしましたので、ご覧いただけると良いかと思います。
簡単に13のパターンをお伝えしますと、
縦(高さ)のキャリアアップ
縦(深さ)のキャリアアップ
横(幅/周辺職種)のキャリアアップ
横(幅/新規事業・スタートアップ)のキャリアアップ
斜め(規模感・影響力)の拡大
縦(高さ)を低くする
縦(深さ)を浅くする
横(幅/周辺職種)を限定的にする
横(幅/新規事業・スタートアップから離れる)
斜め(規模感・影響力)を減少させる
自己実現を求めるキャリア
ライフステージに合わせたキャリア
報酬(給与)向上を目指すキャリア
これらが存在すると個人的には思っています。
前項目で記載したSaaS企業でバックエンドエンジニアとして勤務する42歳、10名のスタートアップで働いているとしましょう。この方のキャリアの方向性が「マネージメントをしたい」なのか「他の職種にチャレンジをしたい」なのかによって、インサイトは全くもって変わってきます。
3-6. 「魅力項目」別のインサイト
この辺まで話を進めると、他のインサイトの種類の選択肢とやや重複もして参りますが、一旦その点については目をつむって話を進めていきたいと思います。
次に「魅力項目」別のインサイトについてです。
こちらの羅列は、当社の採用ブランディングというサービスにおける魅力項目の羅列になりますが、「企業が採用活動する際に打ち出す魅力の種類」であると同時に「求職者が転職活動をする際に決め手となる魅力の種類」とも表現することができます。
そのため、この魅力項目別のインサイトは存在していると思っており、当社の支援においても魅力項目別にインサイトとそれを解決することができるメッセージングを作ることも多くあります。
3-7. 「発達段階」別のインサイト
本項目を本ブログに内包させようか迷ったのですが、非常に重要度が高いと思ったので、記載したいと思います。
むしろ、本項目のみを独立したブログも執筆したいと思うのですが、本ブログでは概要の記載をさせてください。
「発達段階とは?」については、前述した発達指向型組織のブログをご覧いただければと思うのですが、非常に重要なのは
「自分の発達段階よりも、高い発達段階にいる人の意見はほぼ理解できない」
という点です。例えば、自身の発達段階が「環境順応型知性」であったとすると、「自己主導型知性」の人の意見はほぼ理解できません。同じく自分自身が「自己主導型知性」であった場合、「自己変容型知性」の人の意見はほぼ理解できません。
僕も本件を学んでみて感じることが多数あったのですが、「価値観が合わない」という文言で片付けられてしまう事象についても、「発達段階が〇〇だった」という別の変数を入れることによって話が一気に整理できることが最近増えてきたと思っています。
何を申し上げたいかというと、これまで6つのインサイトの種類を説明してまいりましたが、それを凌駕するインサイトの種類が「発達段階別のインサイト」である可能性も大いにあると思っています。
最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。
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