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生成AIがもたらすパラダイムシフトとは

「生成AIの出現は、ドメイン(業界)知識を持つプロフェッショナルが勝てる時代の前兆になるのではないか?」

そんなことに気づいたのは、2024年の7月ごろでした。そして、9月になった今、それは確信に変わりました。その詳細や背景について、本ブログでは記載したいと思います。




0. 生成AIでHR業界はどう変わるのか?

以前に、こちらのブログを公開しておりますが、本ブログの「前提」になる内容は、こちらのブログをご覧いただければと思います。
本項で端的に申し上げたいこととしては、

「自分の頭の中で文言化できることは、すべてシステム(生成AI)化することができる」

ということです。

本ブログをご覧になっている方のHR業界の知見には、それぞれ差があるかと思いますが、おそらく誰しもが自分自身で自信を持っている領域があるはずです。それは仕事だけでなく、学生時代の経験やその他の内容も全て含めたものです。

例えば、僕自身の場合であれば、HR業界に17年在籍しているので、様々なノウハウが頭の中に存在しています。そして、これまで自分自身の頭の中にあるHR業界におけるノウハウを、ブログやウェビナーでアウトプットしてきました。もちろん、ブログやウェビナーでアウトプットするためには「整理」や「文言化」をする必要があるため、頭の中に存在している「ノウハウ」を「形式化」しなければなりません。

話を戻すと、僕らの頭の中にあるノウハウは、すべてシステム(生成AI)で代替することができる時代が訪れました。いや、もう少し正確な表現をすると、

「これまでも、自分の頭の中にあるノウハウをシステム化することはできましたが、それは『エンジニア』に限った話でした。エンジニアがソースコードを書いて、それをシステムに指示することによって正確にシステムが動く、という流れでした。しかし、生成AIが誕生したことで、非エンジニアである僕ら(ソースコードを書けない者)でもシステムを作れるようになった、というパラダイムシフトが起きた。」

と表現したほうが正確だと思います。

どういうことかというと、本ブログをご覧いただいている非エンジニアの皆さまは、こんなことを思ったことはありませんか?

「エンジニアの方はすごいなぁ。自分がこんなにも面倒だと感じていた繰り返しの業務を、このシステムを使うと一発で解決できてしまう。その中身を見せてもらったことはあるけれども、よくわからない数字が並んでいて、ソースコードというのは解読できないな。」

僕も理系出身なので理解できますが、ソースコードは僕らにとって象形文字のようなものです。何が書いてあるのか全然わかりません。
しかし、生成AIは「究極のノーコードツール」だと思っており、「僕らのような非エンジニアでも、ソースコードを書ける」というパラダイムシフトなのです。

本項の話に戻りますが、HR業界において、生成AIによってイノベーションが起こるペースが圧倒的に早まる理由は、ドメイン知識を持ったプロフェッショナルである非エンジニアがイノベーションの担い手になれるからなのです。


1. 僕個人、自分自身でプロンプトを30ほど書いてみて

前項で記載しましたが、僕のような非エンジニアでもコードを書ける時代になってきました。そのため、生成AIを勉強し、個人的にノウハウ化できていることを生成AI化してみる作業を行いました。すると、コードを書くことが楽しいと感じるほど、スイスイ業務が進み、個人的にも驚くようなスピードで生成AIにおけるプロンプトの数が増えてきました。
そこで、ポジティブな違和感を覚えたのです。それは、

「以前に自社プロダクトのOpelaという採用管理システム(ATS)を開発していた時と比較すると、スピード感と工数が全く異なる」

ということでした。

1-1. プロダクト開発における苦悩

プロダクト開発にはいくつかの「工程」を踏みます。僕の理解でざっくり記載しますと、

  1. ターゲット(ペルソナ)の設定

  2. ターゲットインサイト(ニーズ)の発掘・設定

  3. 解決策(ソリューション)の設定

  4. システム全体の企画

  5. システム全体の要件定義

  6. システムを構成する機能の決定

  7. 各機能の基本設計

  8. 各機能の開発

  9. 各機能のテスト・運用

このようなステップを踏むと思っています。上記のステップは1人で行うのではなく、あらゆる職種の方が関わっています。

Opelaの開発をしていた頃、僕は上記の1, 2, 3, 4, 5を担っていました。僕はプロダクトオーナーであり、且つユーザーでもあるため、ユーザーの課題やインサイトについては理解しているつもりです。しかし、6以降については、外部の開発パートナーに依頼をしていました。そこで、大きな不満はありませんでしたが、3つの苦悩がありました。

1つは開発スピード。
Opelaの開発は1年半程度で、当時のATSの基本機能+αまで到達しましたが、もっと速くならないかなと思っていたのも事実です。

2つ目はコミュニケーションコスト。
どんなにコミュニケーションを取っても、合理的なズレや心理的な負担が発生します。

3つ目はドメイン知識の差です。
ドメイン知識を持つメンバーがいると、理解が早く、効率的に進むことがありますが、それが逆に問題となることもあります。

1-2. 生成AIは究極のノーコードツールであること

生成AIは、僕が思うに「究極のノーコードツール」です。僕自身が驚いたのは「日本語でソースコードが書けること」です。これによって、非エンジニアでもプロダクト開発における設計から実装までを自分で行えるようになったことが、非常に大きなパラダイムシフトだと感じています。


2. ドメイン(業界)知識を持つプロフェッショナルが勝てる時代になるのでは?

これまでの内容の通り、生成AIはノーコードでのシステム化を可能にしました。そのため、ドメイン知識を持つプロフェッショナルが、システム開発の担い手になれる時代が来たのです。

業界のプロフェッショナルが自分のノウハウを正確に文言化できる能力があれば、それを生成AIが代替し、小さな悩みや業務改善を実現することができます。

2-1. その業界のプロフェッショナルの仕事を生成AIが表現できる

これまで多くのSaaSが成功してきましたが、生成AIによって、よりプロフェッショナルな業務がシステム化される時代が到来したのです。Opelaの開発時に直面したような課題も、生成AIによって解決される可能性があります。

2-2. 様々な業界で、業界のプロフェッショナル企業がイノベーションを起こし、新たな「世界観」が訪れる可能性がある

これはあくまで私の推測ではありますが、IT/システム業界にも大きな変化が起きると考えています。

当社はエンジニアが1人も在籍していません。しかし、AIの出現により、これまで「ルーティン業務で社内システムがあれば簡単に改善できるのになぁ」と思っていたことが、AIによって自動化され、さらに「リーダー以上の頭の中にあるノウハウを数年かけてメンバークラスが学ぶ必要がある。これまで非常に時間がかかっていたが、これを何とか短縮できないか」といった課題もAIが解決できる時代が到来しました。

2024年9月時点で、日本中の全ての企業がどのような状況にあるか、私自身知ることはできませんが、業界のプロフェッショナルな知見を持つ企業は、エンジニアの力を借りずに、自社独自のシステムを開発できるような「世界観」が訪れるはずです。これは当社にとって非常に大きな変化であり、今後の事業展開に期待しています。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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