あなたが吹っ切れた・殻を破ったとき、周囲はあなたに嫉妬する
「今のあなたの勢いを、あえて止めたくないんだよね」
こんな一言が口から思わず出たのは、本当に最近のことでした。
僕は会社のメンバーに大きな成長を遂げてほしいと思っており、チャレンジの機会は連続的に提供したいと考えています。ただ、チャレンジの機会を提供しても、あまり自分が思ったように動いてくれなかったり、そもそもチャレンジの機会に手を伸ばさないメンバーもいます。個人的にはモヤモヤします。
一方で、何かの殻が破けて、一気にチャレンジを強度高くするメンバーもいます。そんなメンバーを見て頼もしく思う一方で、会社の代表として、そして上司として、どこまで無理をさせるべきなのか?について悶々と考えることもあります。
そんな内容のブログを書いていきたいと思います。(本ブログの序盤が長くなりそうでしたので、一旦ここでストップします。)
0. 「頑張るつもりがないのか」「頑張りたいけどできないのか」
「仕事で成果を上げたいと口で言いながら、そして実行も伴っている方」
「仕事で成果を上げたいと言いながら、当事者が思っているほどドライブをかけられない方」
「仕事で成果を上げたいと口で言いながら、サボってしまう方」
「仕事は普通にやっていればいいし、成長意欲がそこまでない方」
様々な方がいらっしゃるかと思います。仕事への価値観は多様ですし、どのような価値観であっても、僕は否定しません。
一方で、当社の仕事に対しての価値観は存在します。成長意欲やチャレンジ精神は強く求めています。そんな中で、「頭」と「体」が連動しないことがあります。僕も、数百名の「自称ベンチャー志向」の方々を見てきましたが、「頭」と「体」が長い時間連動できた方はあまり見たことがありません。数年単位では継続できている方も見たことはありますが、すぐにブレーキがかかってしまいます。
そもそも、「頭」と「体」が連動しないとはどういうことか?
これは皆さまも、人生において経験したことがあるはずです。「やらなければならないのはわかっているけれども、結局土日に何も動いていない」という経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか?僕ももちろんあります。何かしらの「ブレーキ」がかかっており、これは無意識であり、一生このブレーキを解除できない人もいると考えています。
当社はベンチャー志向の方を求めていますが、ほぼ全員が「成長するために本気で頑張りたい」と言います。ただ、入社してみると、僕が思った以上に「頑張らない」というメンバーもいます。これを言い換えると「頑張れない」と表現した方が良いかもしれません。なぜならば「殻が破けていないから」だと個人的には思っています。「頑張りたくない」と言うわけではないはずです。頑張りたい気持ちはあるけれども、何か痞えがあり、ブレーキポイントが存在して頑張れない。
この正体は何なのか?については別のブログで書くとして、本ブログでは「殻が破れたメンバーに対して僕が思うこと」に焦点を当てたいと思います。
1. 何かの殻が破ける時
ほとんどの方が「頑張りたいけど、自分の理想通り頑張れていない」に該当するのではないでしょうか? そもそも人間は怠け者ですし、もちろん僕もそうです。自分が理想としている自己研鑽やチャレンジができたのか?と問われると、自信がないこともあります。ただ、僕がこれまで社内外において、たくさんのビジネスマンとお仕事をご一緒させていただいた中で、自分の「想像を凌駕」する場合があります。
「何の」想像を凌駕するかと言うと、
・業務の成果・実績
・業務のクオリティー
・業務量
・業務のスピード
・業務への熱量
本ブログで「殻」と言う表現をしていますが、これは「熱量」のことです。成果や実績については「学習」と比例して上がっていきます。ただ「熱量」は「学習」でなし得ない項目だと個人的には思っています。
何かの事象に影響を受けて、メンバーの「殻」が破れます。殻が破れると、人が変わったように熱を帯びます。僕は殻を破らせることは個人的には得意だと思っています。様々なアプローチでそれを継続していきます。
どのような時に、殻が破れるのか? 本ブログでは、それについて言及するのではなく、その先の話をしたいと思っています。
1-1. 殻を破れた時 序盤
人が変わったように仕事に没頭する時期があります。ただ、この時期は一過性のものである可能性が高く、周囲からしても「なんか忙しそうだな」という反応が中心です。そのため、本当に仕事に没頭し始めたのか、つまり殻が破れたのか?についてはまだ見極められません。3日で元に戻ることもあれば、1週間後に元に戻ることもあります。人それぞれかと思いますが、1ヵ月が経過すればその没頭が続くイメージです。
1-2. 殻が破れた時 中盤
仕事に没頭して1ヵ月が経過すると、本人もそれに慣れてさらに熱を帯びます。一方で、体調に変化が出ることもあります。急にペースを変えたため、平日の金曜日頃になるとガス欠が起きることがあります。本人の意思とは関係なく、居眠りしてしまったり、日中に集中力が切れることも発生します。ただ、この時期になると、継続して仕事に没頭するメンバーも増えてきます。成果が徐々に出始めれば、さらにやる気が増していきますが、もし成果がすぐに現れなければ、モチベーションが下がりガス欠する場合もあります。
2. 殻を破れた時の周囲の反応
本ブログで最も伝えたい内容はここです。仕事に没頭し始めたメンバーが現れると、周囲から様々な反応が発生します。それはポジティブな反応もあれば、ネガティブな反応もあります。ここではいくつか具体例を挙げていきます。
2-1. 嫉妬の声
冒頭にも記載しましたが、「頑張りたくても、頑張れない(やり切れない)」という方が非常に多い中で、振り切れて仕事に没頭し始めるメンバーが出てくると、それに対して嫉妬の感情が生まれることがあります。ただし、もちろん「嫉妬している」と口にするメンバーはほとんどおらず、何となく斜めに見るような態度を取り始めます。
例えば、
「最近〇〇さんは長く仕事をしているけど、長時間働けばいいというものでもないよね」
「私は生産性高く仕事をするのが好き」
「最近、〇〇さんはミスが増えている気がするな」
といった声が聞こえてくることがあります。
こういった発言をする人たちは、自分を正当化するために言っていることが多いのです。「自分は頑張りたいけれども、頑張りきれない」という現実を直視せず、他者の努力を否定することで自分を守ろうとしているのかもしれません。
一方、仕事に没頭しているメンバーからすると、こうした嫉妬の声は耳に入ってしまいます。それによって嫌な気持ちになる人もいるでしょう。「なぜそんなに頑張っているの?」と心ない声をかけられたことがある方もいるかもしれません。僕もそうした声を耳にしてきました。そういった声をはねのけられる精神力がある人ならいいのですが、全員がそうではないかもしれません。
2-2. 心配の声
突然ペースを上げたメンバーに対して、純粋に心配の声をかける同僚もいます。これは自然なことであり、決して悪意があるわけではありません。僕自身も、メンバーが突如仕事に没頭し始めると、「体力は大丈夫か?」と心配になることがあります。ただ、ここで「無理しないでね」と声をかけるべきかどうかは本当に悩むところです。
なぜなら、「今の頑張りを止めないでほしい」という思いがありつつ、同時に無理をして体調を崩すことは避けたいというジレンマがあるからです。成長やチャレンジを求めているのに、そこで「無理しないで」と言ってしまうと、せっかく頑張り始めたメンバーの勢いを削ぐことになりかねません。これが非常に難しい判断です。
2-3. 羨望の声
他人の成長や成功に対して羨ましさを感じる人も多いでしょう。スタートアップやベンチャー界隈では、「成長したくない」と明言する人はほとんどいません。多くの方が、何かしらの自己成長意欲を持ち、それに向けて頑張ろうとしています。しかし、前述のように、頑張りたい気持ちがあっても実行に移せないことが多いため、実際に結果を出し始めたメンバーを見ると「羨ましい」という感情が湧くことがあります。
3. 「今のあなたの勢いを、あえて止めたくない」
本ブログの冒頭でも触れた言葉です。ここは本当に難しい問題です。社会人生活において、「殻が破れた」という瞬間に到達する人は決して多くありません。多くの人が「頑張っている風」ではあっても、実際にはどこかでブレーキがかかっているのではないでしょうか。
「殻が破れた」と思える瞬間に入ったメンバーが一心不乱に頑張っている中で、「大丈夫? 無理しないでね」と声をかけるべきかどうかは非常に難しい判断です。繰り返しになりますが、メンバーに過度な無理をさせたくはありません。しかし、人生で一度しかないかもしれない貴重な機会にブレーキをかけるような言葉を伝えるのはどうなのかと考えてしまいます。
もしここで優しい言葉をかけてしまえば、そのメンバーは「殻に戻ってしまう」可能性があります。再度「殻を破る」機会が訪れるかどうかは分かりません。先日、あるメンバーから「その言葉は要りません」とはっきり言われました。「やっと自分が仕事にはまり始めたのに、ここでそういうことを言われたら、また元に戻ってしまいそうで怖い」とのことでした。
いやはや、本当に難しいです。
長い社会人生活の中で「今、この瞬間に全力を尽くしている」メンバーに対して、どう声をかけるのが正しいのか、僕自身も悩みます。優しく声をかけることで成長の機会を奪うことになるのか、それともそのまま見守るべきなのか。本当に判断が難しいところです。
最後に
このブログを通して皆さまに伝えたいのは、「勢いを持って仕事に取り組んでいる人を、あえて止める必要があるのか?」という問いです。
これは、単純なYes/Noで答えられるものではなく、状況によって判断が変わることだと思います。とはいえ、僕はできるだけメンバーの勢いを尊重し、無理に止めないようにしたいと考えています。
この続きは、また別のブログで書いていきたいと思います。
皆さんいかがでしたでしょうか。
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