採用広報を突き詰めた結果たどり着いた「5W1H」を用いた採用マーケティング
「採用広報の題材は何を書けば良いですか?」
このご質問は、ここ最近ものすごく多くいただくのですが、2022年頃から、これを少々凌駕するようなご質問が増えて参りました。
など様々な角度のご質問が増えているように思っています。
これらのご質問は、採用マーケティング/採用広報の評価における「第2step」の質問と言えるかと思います。この第2stepをこだわることによって、採用マーケティング/採用広報のレベルを上げることができると思いますので、本ブログではそのご紹介ができればと思います。
当社ポテンシャライトの定義は「応募」までのマーケテイング活動全般を指しているため、カジュアル面談も採用マーケティングに内包しています。また、採用広報は採用マーケティングの一種と捉えられていますが、これは間違いでは無いですし、真実です。ただ、採用方法は「選考中」に効果を発揮することも大いにございます。そのため、採用広報は、採用マーケティングの1種であり、そして選考中の候補者さまにも力が発揮されることをご認識いただければと思います。
本ブログは、採用マーケティング全体の話と採用広報に寄せた話の両方をしたいと思います。
1. 採用広報を進めるための1st stepは「題材」の選定
「採用広報に取り組んでみよう!」
どの企業様も、このような意気込みで採用広報を開始したことがあるかと思いますが、「何の題材について記事を書いてみようか?」と悩んだ経験はございませんでしょうか?
採用広報の作成を進めるにあたり、1st stepは「題材」選定になるかと思います。もちろん、採用広報を取り組むことによる「ゴール」「目的」「効果/KPI」「工数」などを固めてからスタートをすることもあるかと思いますが、本ブログではその内容は割愛いたします。
採用広報の題材については、別のブログでも+紹介しているのですが、当社がお勧めする手法は魅力項目である「6P+CGM+Tech」、この各項目のブログを幅広く出すことを推奨しています。
いざ採用広報に取り組もうとなったときに、大体の企業様が「person」観点の記事となります。つまり「社員インタビュー/入社ヒストリー」=採用広報と思っている方も多く、これは間違いではないのですが、1つの題材の項目に過ぎません。
話を整理すると「題材」については、当社が定義している中の10の魅力項目に従って、段階的に幅広く書いていただくことをお勧めしています。
また、「題材」については、5W1Hの中ですとwhat(何を)に該当するかと思います。
2. 2nd stepである、採用広報をどの「メディア」に掲載するのかという議論
「Wantedlyなのかnoteなのか?」
というご質問については、控えめに言ってこれまで20回ほどご質問を頂戴したことがあります。これについて当社なりの回答があるので、本ブログに記載したいと思います。
採用広報を掲載するプラットフォーム(メディア)については、職種や目的によって変えるようにしています。
まず大きな分岐としては、「エンジニア採用かそれ以外か」によってプラットフォームは変えるようにアドバイスをしております。
エンジニア採用「以外」の採用広報の記事については、Wantedlyかnoteの2択です。そして、当社はWantedlyを推奨しています。
その説明をする前に大前提として抑えていただきたいのは、採用広報の記事を書くプラットフォームとしては正直どちらでも全く問題ありません。記事執筆時のUI/UXはnoteのほうが優れているのですが、Wantedlyが執筆しにくいわけでもありません。ただ、重要なのが「フォロワー」の存在です。採用広報の記事をリリースした際に、フォロワーに「〇〇株式会社が〇〇という記事をリリースしました」という通知が届きます。フォロワーが0であれば、誰にも通知が届きません。そのため、皆さまはSNSなどで記事のリリースを拡散することが多いかと思います。このSNSでの拡散が大きなポイントとなっており、どんなに良い記事を執筆したとしても、拡散をしなければPVが100以下であることも散見されます。
つまり、採用広報を掲載するプラットフォームについては「使い勝手」よりは、「少しでも多くの方に見ていただける」というポイントの優先順位のほうが高いと思っており、その観点で言うとWantedlyに軍配が上がります。Wantedlyは過去に御社に応募した候補者さまは自動的に御社のフォロワーになります。またどこかのタイミングで偶発的に御社のフォロワーになっていた方に対して、御社の記事のリリース通知が届きます。また、Wantedlyの採用広報記事のトレンドランキングに入ると、偶発的に御社の記事を見ていただける可能性もあります。
一方で、noteについては一生懸命記事を頻繁にリリースしたとしても、フォロワーがつきにくい傾向があります。当社の代表の山根はこれまでに記事を200本程度リリースしておりますが、フォロワーは500名程度です。一方で、当社のWantedlyのフォロワー数は1000名を超えています。そのためWantedlyのほうが良いのではないかと感じています。
長くなって恐縮ですが、エンジニア採用においてはまた話が変わります。エンジニア採用における採用広報については2通りに分かれます。それは「技術に寄った記事」と「一般的な記事」です。前者はテックブログと呼ばれ、エンジニア経験がないと内容が理解しにくいもの、後者は「エンジニアさんの入社ヒストリー」「エンジニアさんの組織」といったビジネスサイドも執筆するようなものと同じ類になっています。前者については「はてなブログ」「Qiita」「Zenn」というプラットフォームを使うことが好ましいです。後者はビジネスサイドと同様にWantedlyを推奨しています。なぜならばフォロワーが多いからです。
また、「どのメディアで執筆するのか」は、5W1Hのwhere(どこに)が該当するかと思います。
3. この採用広報は「誰に」書いている記事なのかという3rd step
採用広報の作成を進めていると、こんな議論が内部で起こることがあります。
「採用広報の数が増えてきたんだけれども、この採用広報って読み手である候補者さまにとって有益な内容になっているのかな?」
「インタビューの対象者のタイプによって話す内容が異なるし、この内容は当社が伝えたい内容に沿っているものなのかな?」
これは本当にその通りかと思います。
少し話を遡ると、採用広報は2016年頃が黎明期になります。マネーフォワードさん、メドレーさんがWantedlyに入社フィードを掲載し始めたことが、日本の採用市場において採用広報をきちんと取り組む走りとなっていると思います。
その後、2017年、2018年頃になると、「当社も採用広報に取り組もう!」という企業が徐々に増え始め、「ひとまずやってみよう!」という企業様の採用広報の記事が乱立した時期でした。この頃に、当社でも発信をしていたのですが「意図なきコンテンツの増加」と表現しておりましたが、なんとなく記事を書く企業様も多く存在していたのは事実です。
当社を設立した2017年頃に、既に採用広報の依頼を多くいただいていたのですが、当社は初体験で進め方等が分からないなか手探りで進めておりました。記事を書いていたのはいいものの、本当にこれが有益な内容なのかは探り探りの状態でした。
話を戻すと、採用広報に取り組む際に「誰に」対しての内容なのかは重要な観点です。なぜならば、「誰に」というターゲットを設定できると、そのターゲットが「求めている内容」を書くことで必然的に効果の最大化ができるからです。
例えば、大手企業でマニュアル通りに営業していたAさんと、中小企業でマニュアルも一切なく完全オリジナルな営業していたBさんでは、明らかに「求めていること(転職動機)」が異なることが予想されます。御社が採用活動をする際に、どちらの採用ターゲットが好ましいのかによって採用広報の記事内容を変えると効果の最大化ができる、そういった意味合いです。
今の事例は「営業職」の話でしたが、エンジニア、デザイナー、管理部門、様々な職種において、きちんとターゲットを定めることによって効果のある採用広報を作成することができます。
そのため、「誰に」というのは、5W1Hのwho(誰に)に該当します。
4. どの選考フェーズで効果を発揮したいのかという4th step
「採用広報に取り組むことによって認知度は上がるのですか?」
「この採用広報の記事は、選考ステップのどのフェーズにおいて見せると良いのでしょうか?」
この類のご質問をされる方は鋭いと思います。もちろん「何のために」採用広報を実施するのかという目的論をきちんと固めてスタートしたほうが、効果の最大化ができることは間違いありません。ただ、採用広報は昨今の採用市場において必須である一方で、費用対効果の話をされてしまうと少々苦しい施策ではあります。
そんな中、「採用広報を実施すると、認知度が上がって応募が増える」と思っていらっしゃる方がおられるかと思いますが、この理解は危険です。なぜならば、採用広報の数が増えたとしても、「御社を認知していない求職者さまが、その採用広報の記事にたどり着く(閲覧する)」にはイコールで繋がらないからです。
また、御社の認知度を上げるためには「マーケティング」施策が必要になります。つまり、採用広報の記事をたくさんの方に見ていただくために、SNSにおける「拡散」や「Web広告」などを活用した施策が重要になって参ります。仮に、どんなにクオリティが高い採用広報の記事を執筆できたとしても、それがすなわち認知度を上げることにイコールにはつながりません。
話を戻します。
採用広報の記事がどの選考フェーズで効果を発揮するかというと、「いずれの選考フェーズでも効果が発揮する」と言えます。少々拍子抜けの回答になるかもしれないのですが、下記をご覧ください。
上記をご覧いただくとご理解いただけるかもしれないのですが、「可能性」という点においては、すべての選考フェーズにおいて、効果を見込むことができます。補足をすると「選考フェーズ」と表現しましたが、「応募前」を選考フェーズとして定義しないのであれば、いわゆる「採用マーケティングフェーズ」でも効果が見込めますし、「選考フェーズ」でも効果が見込めることが分かります。
ただ、1つ問題があります。それは、「御社が意図しているタイミングで、御社が見ていただきたい採用広報の記事を見ていただけるか」、これはかなり難しいと言えます。どういうことかと言うと、例えば「カジュアル面談前には、〇〇の記事を見ておいて欲しい」「社長面接の前には、〇〇の記事を見ておいて欲しい」という希望が各社様においてあるかと思うのですが、この場合はカジュアル面談や社長面接の前の面談/面接日時、確定メールに記事のURLを挿入しておけば済む問題かもしれません。ただ、1つの採用広報記事のみならず、複数の採用広報記事を各選考フェーズ「別」に見ていただくためには、細かくテンプレートをかけたり、オペレーションを複雑にしなくてはなりません。
採用オぺレーションのご経験がある方はご理解いただけるかと思いますが、各職種によって、各選考フェーズによって提示する採用広報記事のURLが異なる場合、オペレーションにエラーが発生する事はよくあります。
本項の主題に話を戻します。
御社が作成した各採用広報の記事を、選考フェーズ別に提供するためには「Book」の活用を推奨しております。下記のスライドをご覧ください。
本スライドは、御社を「認知」してから「入社承諾」をするまでの各フェーズにおいて、適切なBookを記載しているスライドになります。2020年の初めごろに「Entrance Book」を当社より発信いたしましたが、これは「カジュアル面談前」のフェーズにおいて、候補者さまに見ていただきたい採用広報記事を取りまとめたBookになります。
また「エントリーマネジメントブック」とは、2次面接前に候補者さまに提示しているものです。本Bookはカジュアル面談前と比較すると、より細かい内容が書いてあり、且つ当社への入社をするか否かリアルに検討し始めるフェーズに適した内容を掲載しております。こちらでご紹介した2つのBookについては、下記URLをご覧ください。
「どの選考フェーズ」については5W1Hのwhen(いつ)に該当します。
5. どのように採用広報の記事を作成するのかという5th ステップ
皆さま、採用広報の記事=「テキスト」の記事というイメージをお持ちではないでしょうか?
日本の採用広報において意図的に作成されたコンテンツは、9割ほどがテキストの記事になっています。Wantedlyやnoteなどの記事などです。
ただ、テキストだけではありません。
2020年頃からトレンドになっているのは「音声」でのアウトプットです。Podcastなどと表現し、採用活動において先進的な取り組みをする企業様が、各社Podcastにチャレンジしています。当社ポテンシャライトにおいても音声の採用広報コンテンツがあり、候補者さまが予想以上に聞いてくださっていると感じています。
また、「動画」もお勧めです。動画の撮影は時間がかかるイメージがありますが、Zoomの録画機能を使うことができればそこまで手間ではありません。テキストの採用広報と比較すると、やはり都度修正するのが難しく、言い直しの数が多ければ多いほど時間がかかってしまうため、コミュニケーション力が高い方に出演いただくことがお勧めです。
また、日本ではそこまでトレンドではないですが、「コミックを用いた採用広報などに取り組んでいる企業様もあります。サイバーエージェントさんが取り組んでいた内容は、認知していらっしゃる方もいるかもしれません。
そのため繰り返しになりますが、採用広報=テキストの記事というわけではなく、あらゆるアイディアがありますので、ご認識いただければと思います。
そのため、「どのように」は、5W1Hにおけるhow(どのように)が該当します。
6. 5W1Hを用いた採用マーケティングとは?
ここまでに説明をいたしました内容を整理いたしますと、下記のようなスライドになります。
採用マーケティングにおいてこだわって作成するのであれば、この5W1Hを意識して進めると良いと思っています。御社の採用広報のクオリティーも高くなると思いますし、何より「目的/意図」を明瞭にした上で、組織で共通認識を取りながら採用マーケティングを進めることができますので、納得感は得やすいことが多いです。
本ブログでご紹介している5つのステップは、さらに追求しようと思えば深いノウハウが存在しています。本ブログでは、全体感の説明をしたかったため各ステップにおける説明を幅広く扱いましたが、今後リリースをする当社のブログにおいて、補足で各ステップについて説明したいと考えております。
最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。
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