
1からSaaSセールス採用を始めるあなたへ|SaaSセールス採用の教科書
皆さんこんにちは、ポテンシャライトの森田です!
🎄 ポテンシャライトアドベントカレンダー 2024 ついに始まりました 🎄

期間 :2024年12月9日(月)~ 12月26日(木)
テーマ:1週間ごとに異なる内容を設定し、深掘りした情報をお届けします
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今週は「職種ノウハウWeek」ということで、今回はSaaSセールスの採用ノウハウを発信できたらと思います。
「SaaSセールスの採用が難しい」
このように感じられている採用/人事担当者の方、採用に力をいれている経営者さまは少なくないのではないのでしょうか?
SaaS業界の成長は、まさに目覚ましいものがあります。クラウドを活用したソフトウェア提供のビジネスモデルは、スピード感ある導入と柔軟なスケーラビリティが評価され、多くの企業で導入が進んでいます。市場規模は2023年に約1.4兆円に達し、今後も右肩上がりの成長が見込まれています。
弊社でも数多くのSaaS企業さまの採用支援に関わらせていただきましたが頭を悩ませているのが「セールス職の採用」です。製品の導入を成功させるための重要なポジションでありながら、優秀なSaaSセールス人材はなかなか市場に出てこないのが現状。実際、求人数は年々増加しており、企業間での競争が激化しています。
さらに、「応募が来ない」「スカウトの返信がない」といった悩みを抱える採用担当者も少なくありません。なぜここまでSaaSセールスの採用は難しいのでしょうか?
本記事では、「SaaSセールス採用の壁」を少しでも解消するために、SaaSセールスの採用動向や、ターゲット人材の設定、効果的な採用手法について解説していきます。読んでいただくことで、少しでも採用のヒントが見つかれば幸いです。
※あくまで本noteではポテンシャライトで日々採用のご支援をさせていただく中で感じた内容を元に書いておりますので、一意見として参考程度にご覧いただけますと幸いです。
1. SaaSセールス採用の市況について
どのような職種を採用するにしても、市場にターゲットがどのくらいいるのかは大前提知る必要がありますので、SaaSセールスの市況間について説明します。また、個人的にSaaSセールスが一定登録していると思っている採用媒体で、母集団の調査を実施してみました👇

「SaaSセールス」と言っても、インサイドセールス/フィールドセールス/カスタマーサクセスの3分類できると思うのですが、カスタマーサクセスの求職者様の数が多そうですね。
では実際のところ、SaaSセールス求人がどれくらい募集されているか。とある求人媒体で調査してみました(2024年12月)

「SaaSセールス」とひとえに言っても、プロダクトのフェーズや提供吸える業界によって求められるスキルも異なるため、大枠の所感になってしまう部分もあるかと思います。
しかしながら、かなりSaaSセールスの求人数が増えてきていることから、採用難易度が上がっていることが容易に想像できますね。
各企業さまで採用ターゲットになりうるような、より詳細な母集団の情報を知りたい場合は、採用媒体さまや弊社にお問い合わせいただけますと幸いです。
◾️母集団データに関する補足説明
・どの採用媒体で調査をするかによって、該当人数や求人数は変化しますので、あくまで参考値としてご参照ください。
・最終ログイン「2週間」で検索条件を絞っていますが、上記の求職者が全員転職を考えている可能性は低いので、その点はご認識ください。
2. SaaSセールスの職務内容・要件とは??
SaaSセールスを採用するための手法を公開する前に、よりスムーズに採用活動を進めるために事前に把握した方が良いことをお伝えします。
そもそもの部分ですが、SaaS業界では、多くの企業が「The Model」という営業プロセスモデルを採用しています。
SaaSセールスとは、「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」の3つのプロセスに分かれ、それぞれが専門性を発揮することで、利益の最大化を目指しています。
ではそもそもSaaSセールスと一般セールスの違いなどはどこに存在してくるのでしょうか?
2-1. SaaSセールスと一般営業の違い
SaaSセールスの採用を始める前にSaaSセールスでないセールス(ここでは「一般営業」と表現します。)、つまり一般セールスのあらゆる違いについて抑えておかなければなりません。
まず、はじめに異なってくるのは、製品/サービスの性質です。
一般営業の場合
製品やサービスは有形(例えば機械や商品)または無形(保険やサービス)で、一度販売すると取引が終了することが多い。
サービス提供後のフォローは、アフターサービス程度に留まることが一般的。
SaaSセールスの場合
提供するのはクラウドベースのソフトウェア(サブスクリプション型)で、継続利用が前提。
営業のゴールは契約を獲得するだけでなく、顧客がサービスを使い続け、契約を更新すること。
上記のような違いがあるかと思っています。
次に重要なのが、営業プロセスです。
一般営業の場合
製品の販売プロセスが重視され、初回の契約や取引成立がゴールになりやすい。
一括購入や契約締結が取引の終了点になることが多い。
SaaSセールスの場合
サブスクリプション型の収益モデルのため、営業は契約後も継続的に関与。
顧客のオンボーディング、利用促進、契約更新(リテンション)に力を入れる。
営業プロセスにカスタマーサクセス(CS)チームと連携することが多い。
また、顧客対応の部分もかなり変わってきます。
一般営業の場合
短期的なリレーションシップが多い。
「売り切り」型が多いため、契約後の顧客対応は最小限。
SaaSセールスの場合
長期的な関係構築が求められ、顧客満足度の向上やサービス利用率の最大化(LTV)が営業の一環。
顧客の課題解決や業務改善に共に取り組むパートナー的な役割を果たす。
他にも備わってくるスキルセットなど、これだけではありませんが同じセールスでもここまで従事する内容や中身が変わってくるところになります。
2-2. SaaSセールスの職務内容
では、SaaSセールスの職務内容としては、どのような業務内容となっているのでしょうか。SaaSセールスが実際に行っている職務内容をまとめてみました。
各社の職務内容の一部を羅列したのがこちら👇
◆インサイドセールス
- 見込み顧客の発掘(電話、メール、SNSを活用)
- 見込み顧客リストの作成・管理
- インバウンドリードの対応とフォローアップ
- 潜在顧客へのアプローチ
- 顧客ニーズのヒアリング
- ソリューション提案の初期準備
- 商談機会の創出
- フィールドセールスや営業チームへのリードの引き渡し
- CRMツールへのデータ入力と更新
- 営業活動に関するレポート作成
- 見込み顧客のフォローアップとリテンション施策
- セミナーやウェビナー参加者へのフォローアップ
- 市場や顧客データの分析と営業戦略の立案サポート
- 新規顧客ターゲットのリサーチ
- セールスプロセスの最適化提案
◆フィールドセールス
- 商談の準備と実施
- 製品やサービスのプレゼンテーション
- 顧客との契約交渉
- 契約締結(クロージング)
- 顧客訪問や定期的な対面コミュニケーション
- 顧客の課題や要望の深堀り
- 見積書や提案書の作成
- 競合情報の収集と分析
- 新規顧客の獲得活動
- 既存顧客への追加提案(アップセル・クロスセル)
- 顧客との長期的な関係構築
- 顧客満足度向上のためのフォローアップ
- イベントや展示会での新規顧客開拓
- 営業活動のレポート作成と共有
- 製品やサービスの導入支援に関する初期対応
◆カスタマーサクセス
- 新規顧客のオンボーディング(導入支援)
- 顧客トレーニングの実施
- 顧客の利用状況のモニタリング
- 問題発生時の迅速なサポート提供
- 問い合わせ対応(電話、メール、チャットなど)
- 顧客満足度調査の実施
- 顧客の課題解決のためのプラン提案
- プロダクト活用のベストプラクティスの共有
- 契約更新のサポート
- アップセル・クロスセルの提案
- 顧客リテンションの施策立案と実行
- 顧客の声をプロダクトチームや営業チームにフィードバック
- 定期的なビジネスレビューの実施
- 顧客利用率や継続率の向上施策の実施
- プロダクトの新機能やアップデートの情報提供
それぞれをカテゴライズすると大きく7つあることがわかりました。
(少しぼかしております。)
インサイドセールス

フィールドセールス

カスタマーサクセス

インサイドセールス
▼提案書作成
▼仕組化
▼営業戦略
▼リードフォロー
▼マネジメント
▼マーケティング
▼フロー設計
▼アポイント
フィールドセールス
▼商談
▼営業戦略
▼オンボーディング
▼フロー設計
カスタマーサクセス
▼品質向上
▼レクチャー
▼マネジメント
▼プロダクト改善
▼データ管理
▼FAQ改善
▼クロスセル/アップセル
2-3. SaaSセールスで求められる要件
では、SaaSセールスで求められる要件について見ていきましょう。
前述した通り、SaaSセールスの職務内容はがかなり変わってくることがお分かりいただけたかと思うのですが、スキルセットも変わってくると捉えていただくのが普通だと思います。
企業によっても必須要件や職務内容、ターゲットが異なるものなので、まずはスタートアップ/ベンチャー企業の中でも著名企業や採用がうまくいっている企業の必須要件を約10社ほど調査していきました。調査した必須要件を下記に羅列してみました。
インサイドセールス
・法人向け商材の営業経験またはそれに準ずる業務経験
・無形商材を用いたソリューション提案経験
・新規法人営業経験
・顧客折衝経験
・インサイドセールス経験
・CRMツールの操作スキル
フィールドセールス
・無形商材の法人営業経験
・新規営業経験
・課題解決型の営業経験
・顧客折衝経験
・法人営業経験
カスタマーサクセス
・無形商材を用いたソリューション提案経験
・カスタマーサクセス経験
・課題解決型の営業経験
・法人営業経験
・無形商材の法人営業経験
「あれ、各ターゲットごとの要件がそんな変わらないのでは?」
「そこまでSaaSセールスの経験者を求めている企業さまは少ないのでは?」
そう感じた人も多いのでは?と思います。
調査した中だけでも「IS経験」、「CS経験」や「FS経験」などの記載は10社中どのポジションも2社ほどでした。
要件だけ見ていくとそこまで変わらないことがわかりますね。
また、採用がうまくいっている企業さまがSaaS企業の経験者をマストとしていないことがわかります。
3. SaaSセールスのターゲットの方法
自社のSaaSセールスを採用するのに、SaaS企業の経験者をターゲットとしても中々難しいということはお分かりいただけたかと思います。
では、どのように求職者さまをターゲティングしていけば良いのでしょうか。
3-1. まず、自社の立ち位置を理解する。
まずは、「SaaSセールスを採用したい」という前に、確認するべき点が二つあります。
それは、「企業さまの採用活動における魅力」と「求職者のターゲットレベル」です。
当然、企業さまの魅力や求職者のターゲットレベルによって採用の難易度は変わってきます。この2つを相対的に鑑みた上で、「うまくいく」かをジャッジします。
(1) 企業の魅力度が「低くて」、求職者のターゲットレベルは「高い」
(2) 企業の魅力度が「低くて」、求職者のターゲットレベルは「低い」
(3) 企業の魅力度が「高くて」、求職者のターゲットレベルは「高い」
(4) 企業の魅力度が「高くて」、求職者のターゲットレベルは「低い」
この場合、
(1):採用できる可能性は、非常に低い
(2):採用できる可能性は、十分にある
(3):採用できる可能性は、十分にある
(4):採用できる可能性は、非常に高い
という結果になることはイメージは容易に想像できるでしょう。
そのため、まずは現在の自社の魅力とターゲットを確認し、現在の立ち位置を知ることが重要になってきます。
▼詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
3-2. ではどのようなターゲティングをすれば良いのか。
前項の部分から、もしあなたの会社に魅力がある場合は、SaaSセールスの採用にSaaS企業出身者をターゲットとしても良いでしょう。
ただ、そうでない場合にはSaaSセールスの採用をそのまま行うことは悪手となります。
そのため、結論の部分ですが、「同」 ポジションのスカウトではなく、キャリアアップやキャリアシフトとなる採用募集やスカウトを進めていくのが良いと考えています。
そこで下記の表をご覧ください。

一般のIT営業やSaaSセールス、営業企画や事業企画など様々な職種が並んでいます。職種ごとにスキルや役割が異なる事はもちろんございますが、割と近しい職種だったり、純粋にキャリア「アップ」した後に携われる職種などを整理した図を作成いたしました。
こちらはあくまで可能性ベースの話にはなりますが、営業経験者においてはこんなキャリアプラン / キャリアシフトが考えられるはずです。
ポジション的に「いやいや、うちでは難しいです」ということもあると思うので、あくまで可能性の話として捉えてください。
ただ、雑多なターゲティングで大変恐縮ですが、
①有形商材営業→SaaSセールスはNG
②IT無形商材提案営業→SaaSセールスはOK
上記のようなパターンも実際多いのではないでしょか。
あくまで「可能性」としての話にはなりますが、現職のポジションに対して同ポジションのスカウトではなく角度の違ったポジションの提案をした方が魅力的に映る可能性としては多いにあるのではないでしょうか。
4. SaaSセールスのアプローチと採用手法について
前提を見ていただいた上で、SaaSセールスの採用における前提をご理解いただけたのではないでしょうか?
ここからはSaaSセールスにおけるアプローチ内容(魅力)と採用手法について解説いたします。
4-1. SaaSセールスとしての魅力
「●●出身のSaaSセールス向けの自社の魅力、というような採用ターゲット別の魅力訴求は大変だが、SaaSセールスとしての魅力はなるべく打ち出したい」というケースも状況によってはあるのではと思っています。また、「各SaaSセールスポジションごとの魅力設計は難しい」という企業さまも多いのではないかと思っています。
そこでSaaSセールス各ターゲットの職務内容における魅力とポイントをまとめてみました。
◆共通の魅力
- SaaSプロダクトとして、プロダクトの思想(Mission/Vision)が明瞭になっている
- IPOを具体的に描けるフェーズまで成長しており、●●億円超えの資金調達も実施、CXOクラスも何名在籍している。スタートアップの中では待遇が良い企業かつエンタープライズ向けの商材を扱っているため、大手企業出身者も飛び込みやすい環境にある
- 入社時でマーケティングの知識が必須なわけではないが、商材理解を深めるほどにマーケティングの知見が一定つく
-はPMFを終えており、プロダクトがユーザーから受け入れられている(というより熱烈に歓迎されている)
- マーケ/IS/FS/CSの連携が取れており、一環したメッセージングができている
◆インサイドセールス
- IS立ち上げ期ではあるが、闇雲に立ち上がるのではなく●●レイヤーの●●さんの経験をもとに試行錯誤しながら立ち上げるフェーズである
- オフラインイベントの企画・運営なども行ってもらうため、単なるインサイドセールスよりもマーケティングのような仕事にも携わることができる。
- 自社プロダクトかつ、優秀な自社エンジニアが揃っているため顧客の声をプロダクトに反映しやすく、価値提供をしていける。
◆フィールドセールス
- 無形かつ単価の高い商材のため難度が高い、またエンタープライズ向けであるため担当者のグリップ力、仮説検証能力も身に付く
- 在籍しているメンバーが特定の業界や分野に精通しているプロフェッショナルが多く、顧客に的確なアドバイスを提供できるスキルが身に付く
- 単なる商品説明ではなく、顧客の課題を深掘りし、カスタマイズされたソリューションを提案する営業スタイルをとっている
◆カスタマーサクセス
- 単なる「ツール提供」に留まらず、顧客との「共創」に重きを置いているため、顧客と深い関係を築きながら、双方が成長できるプロダクト体験を提供できる
- 自分の提案がプロセスや仕組み化に直接影響を与えられる「適度な自由度」を備えた環境がある
- 通常のカスタマーサクセス業務、マーケティング、セールス要素まで、多岐にわたる業務に携われるため、SaaS業界におけるCSとしての幅広い経験が積める
4-2. SaaSセールスの採用手法
次は採用手法です。
前提の部分でお伝えしておきたいのが特段、インサイドセールス/フィールドセールス/カスタマーサクセスで採用手法が変わることはありません。
ただ、SaaS未経験かSaaS経験者で選ぶ媒体のポイントが少し変わってくる気がしているので、完全に個人の所感とはなりますが、ご紹介させていただければと思います。
まず、他のビジネス職と同様とはなりますが、
- ビズリーチ
- エージェント
上記の2媒体が筆頭となります。
実際に弊社ご支援させていただいている採用企業さまも上記2つの経路から採用が決定することが多いように思います。
その他に採用媒体で言えば、下記が挙げられるでしょうか。
各媒体で特徴や性質が異なってくるので、詳細に媒体の特徴や運用方法を知りたい方は無料相談もやっておりますので、弊社HPまでお問い合わせください。
- Wantedly
- Green
- ミイダス
- AMBI
- エイト
- YOUTRUST
5. 最後に
いかがでしたでしょうか。
ここまでSaaSセールス採用に必要な前提情報や魅力設計、採用手法に触れてきました。SaaSセールス採用をこれから始めようとしている方や、悩んでいる方に読んでいただけたら嬉しいです。
また、当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。
これから採用/人事/組織系のアウトプットを続けていきます。
よろしければフォローもよろしくお願い致します🤲
著者:
HRパートナー 森田浩市
新卒からポテンシャライトにジョインし、シード期から上場企業まで幅広く累計10社超ほどを担当。採用領域は幅広く、ビジネス領域〜エンジニア領域までカバー。
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