推しがセンターになってヲタ卒する話③
初めての握手の後は、しばらく放心状態だった。
自分の芋臭さを痛感した私は、とりあえずなんとかせねばと思い受験勉強と並行でおしゃれを始めた。
黒縁の太い眼鏡をやめて、シルバーフレームの比較的存在感の薄いものに変えた。日常的に前髪を巻くようにもなった。
そのあたりから、グループは少しずつ人気が出始めた。メンバーの1人が雑誌のレギュラーモデルになって、表紙を飾り出した。ドラマやバラエティーにも出演し始めた。ファンの間では贔屓だのなんだの言われていたけど、あい子とボブ子が推しの私か