42歳、3年ぶりのコスメカウンターへ
1枚のカレからスタートして、軸のないクローゼットを建て直すことを決意した私。目指すところは「イケてるおばちゃん」。
古い顔のままじゃ、似合う服は選べない
産後のメイクは必要最低限(以下)で、BBクリームにアイシャドウを塗り、ちょちょっと眉を描いて終了。ここ3年、マスク生活をいいことにチークもリップもすっかり辞めていた。なんともうすーい顔。夕方は特にくすみがひどいけど、ずっと見ないふりをしていた(というか見ていなかった)。
これから素敵な服を探しに行くのに、この顔はなくない?
そう思い立った私は、メイクを全面的にアップデートすることにした。ファンデーション以降すべてのアイテムを一気に刷新するのだ!とにかく今猛烈に、フレッシュな顔になりたい。
コスメカウンターに行くのはなんと、3年ぶり。
カレの時と同じく、事前リサーチはゼロ。メインビジュアル、パッケージとディスプレイの雰囲気、BAさんの空気感を自分の目で見て、ピンときたブランドに入ることにした。
百貨店に到着し、ぐるりとフロアを回ること、5周。
メインビジュアルはどこもシュッとした外国人を使っていて、いずれも素敵だがいかんせん「こうなりたい」と思える距離感ではない。ビジュアルで選ぶのはちょっと難しかったか。
パッケージやディスプレイには、かなりブランドのカラーが出る。可愛らしすぎるものは今回は却下。「イケてるおばちゃん」からもちょっと遠いし。感覚でブラック系パケのブランドに焦点を合わせた。
4店舗ほどに絞り、遠目からBAさんの雰囲気を見る。ちょっと冷たい感じがするお店、BAさん同士で立ち話に興じているお店、なんとなく圧が強そうなお店を除外する。
最終的にピンときたのは、NARSだった。
いきました。いきましたよ!!
ブランドコスメをラインで買うってめちゃくちゃ気持ちいいですね。この日お買い上げしたのは、こちら。
化粧下地、クッションファンデ(+ケース)、フィニッシングパウダー、アイシャドウ、チーク、リップ、ブラシ4本。計11点!(下段の一番小さいコンパクトはキャンペーンでいただいたチークのサンプル。ラッキー!)
3年ぶりにちゃんとプロに一式見立てていただく中で実感したのが、以下。
下地を侮るなかれ
もうBBクリームで良くない?と思ってたけど、ちゃんとしたプライマーの使用感におののいた。ものすごく高級なクロテッドクリームみたいに(知らんけど)、指先からすぅっと溶けてどこかに消える。あっという間に馴染んだ肌は見事にサラサラ。べたつきはいずこへ?これを知らなかった私、ちょっと今まで損してたなぁ。
眉には時が流れている
眉以外のパーツを全てタッチアップしてもらって鏡を見たら、明らかに眉がおかしい!3年前に眉サロンで整えてもらって以来、ずっと何の疑問も持たずにその形を踏襲してたけど、私の知らないうちに世の中には時間が流れていたらしい。
確実にメイクって変わってるし、それに合う眉の形ってやっぱり全然違うんだね。今はざっくり言うと、まっすぐ・しっかり・長めに描いた方がバランスが良かった。数年ごとにメイクのアップデートは必要だなと痛感。
色物は単独で見ずにトータルバランスで選ぶべし
これがラインで見立ててもらう醍醐味!今回、特にチークとリップは自分一人では絶対に手に取らなかった色味をBAさんに提案していただけて、目からウロコ&大満足。
アイシャドウは、ブラウンのパレットが使いやすそうかなと思ったけど、BAさんに提案されたのはオレンジ。ブラウンと片目ずつつけていただいたら、オレンジの方が遥かに雰囲気が出てすごく気に入り、決定。
それに合わせたチークを、といくつか出していただいたのが、どれもパッと見ファンデーションっぽい色味で驚いた(無知)。つけてみると艶感のあるうっすらブラウン~オレンジで、血色がよくかつ奥行きが出て見えてこれまたびっくり。
リップはレッド・ブラウン・オレンジが絶妙なバランスで混ざった1本。グロスっぽいテクスチャーなのに、時間が経つとソフトマットにな仕上がりになるのが不思議。
手鏡ではなく全身が映る鏡を見ながら、アイシャドウとのバランスが一番良いリップを選び、最後にリップ(&アイシャドウ)とのバランスが最も自然なチークを選んだ。リップとチークのどちらが欠けてもイマイチで、両方揃った時にめちゃくちゃ雰囲気が出るということに感動した。
この選び方は、かつてベストコスメを単品であちこち買いに行っていた私にはなかった発想。メイクはトータルバランスなんだと実感したのだった。
(真にコスメ好きな人は、ベスコスを合わせたときの仕上がりまでちゃんと確認して必要なものを選ぶのだと思うけど、私ときたら、ベスコスの人気色さえ買っとけば間違いないと思ってたのでね…)
推奨されている道具はちゃんと使うべし
NARSの商品にはチップなどの道具がついていない。究極ズボラの私のメイクはこれまで、付属のチップか指のみ。気づけばブラシ類を1本も持っていないのだった(いつだったか熊野筆を買ったこともあったけど、使いこなせずにいつの間にか手放していた)。というわけで、今回はブラシもどーんと購入。
これが大変良い!
特に良さを実感するのがフィニッシングパウダー。2往復ほどすると程よく粉がブラシに含まれ、艶感を残したまま肌にちゃんと乗るのがよくわかる。ブラシを動かす時に、BAさんが「削るように」「磨くように」とおっしゃっていたのも印象的。そうか、化粧は「塗る」ではないんだな。
アイシャドウ類も独立したブラシを使ってメイクすると、ちゃんと手をかけている感じがしてすごく満足する。何より小さいものより作業がしやすい。
結論。きちんとしたメイクは自信をくれる。
コロナ禍で、カウンターでのタッチアップは基本的にマスクをつけたまま部分的に行うスタイルになっていたので(この3年てそういう時間だったのねと実感)、顔全体をちゃんと仕上げたのは翌日のことだった。
鏡を見て驚いた。大して興味のなかった自分の顔が、違う。
私、まだ変われるんだ、と思った。
自分で自分の顔を変えられるということは、自分の手で自分を幸せにできるという自信をくれた。メイクにこんなに励まされるとは思わなかった。
2歳児のいるドタバタ生活で、これから毎日毎日ちゃんとメイクできるかはあまり自信がない。でもできる範囲で続けるうちに、少しずつ手が慣れてだんだん時間もかからなくなっていくんじゃないかな、と期待。
まさか、1枚のカレがこんなところまで連れてきてくれるとは。
次は、新しい美容院に髪を切りに行く。