038人間関係を"コストと利益のバランス"で説明づける「交換理論」について
9月25日土曜日、最高気温22℃と、季節はだいぶ秋めいてきました。
2年生後期の大学生活が始まりもう2週間。週12コマってこんなにも暇なのだなと、今までとの差でそう感じてしまいます。
通年科目で心理学を履修しているのですが、前期に引き続き、「対人魅力」の話が続いています。そこで、「交換理論」という言葉が紹介をされました。
この交換理論が、夏休みを経て感じた対人関係の変化について的確に説明をしてくれました。これを紹介します。
近くにいる人を好きになるのか?物理的近接性
人を取り巻く環境が人の好き嫌いに影響を与えることがあるそうです。人間関係が発生するには、もちろん人と人とが出会う必要があります。
Festinger, et al(1950)によると、その出会いのきっかけというのは、受動的接触と言うそうです。受動的接触というのは、意図していない"たまたまな出会い"のこと。初めての人を引き合わせるのは、いつも社会的な要因がほとんど。"会おう!”と意図して出会いが始まることは少ないらしい。なるほど、言われてみれば納得できますね。
この受動的接触は、物理的な環境によって左右される。それが、物理的近接性というもので、心理的ではない、実際の人と人との距離感のことを言う。
物理的近接性が対人魅力を高める理由、ということで話は続いていたのだが、その理由としては、低コストで高利益。との説明がなされていた。
この意味を説明するために、タイトルにもある「交換理論」が登場したのです。
コストと利益のバランス。「交換理論」
人付き合いというのは、どれだけ親密な人であっても、必ずそこにはコストが発生します。ここでいうコストとは、具体的に、時間とお金のことです。これは避けられません。
自分が支払ったコストに相応するものを相手からも返してほしいわけです。これを利益と呼びましょう。
このコストと利益のバランスでもって人付き合いは持続、もしくは断絶すると説明がされています(一部、筆者の過剰解釈込み)。
時間とお金をその人に支払い、それにふさわしい利益を感じられているかどうかで人付き合いを判断している。
物理的近接性の話に戻りましょう。
物理的近接性が対人魅力を高める理由として、低コストで高利益、と記述しましたが、その意味がなんとなく推測できるのではないでしょうか。
物理的な近接があるということは、接触機会を得るためのコストが比較的かからないということです。すると接触機会も増加します。これが相互作用を増加させ、対人魅力の要因である類似性や性格の望ましさに効いてくると。
だから、物理的近接性は対人魅力を高める。
夏休みを経て精算されたように感じる人間関係
物理的近接性の話というよりかは、交換理論のほうに関心が湧いていったわけなのだが、というのも、無意識のうちに自分はこのコストと利益について考えていたのです。
昔は、会いたい!と思っていたのに、今はそうは思わないとか。何か別の記事で書いたことがある気もしますが、たしか共依存の話でしたっけね。
自分から会いたいと思わなくなった人は、そこに、その人に、自分がこの先も支払うコストにふさわしいだけの利益を見出さなくなったのでしょう。見いだせなくなったのか。悲しい人になったのか、人に求めるレベルが上がったのか何なのか、わかりませんけども。
とにかく、なんとなく定期的に会ってはいたけど、会いたさが減ってしまい、結果としてこのような気持ちになっているという人がいることに、この夏休み気が付いてしまいました。
人生は一期一会ですから、人付き合いが減ることに関しては仕方がないと思います。減り続けるのは問題なんですけどね。ただ、今でもその人たちが心のどこかで自分にコストを支払っても良いと思ってくれているのならば、それは申し訳なく思う。
大きなコストをかけさせることなく、大きな利益を与えられる、そんな人になりたいものです。
おしまい。
〈今日の一言〉
20歳まで残り2か月!!!(結局、日が超えてしまいました(^_-)-☆