095 拝啓 未来の貴方へ。22歳の彼方より
およそ一カ月ぶりに、この場所で文字を打つ気になった。
タイピングの速度が遅くなっていることがものの数秒で感じられる。次の文字を打ち始めるまでの初速も,打ち始めてからも遅い。
タイピングの手を止めてしまうと静寂が訪れてしまう。
ラジオや音楽を聴きながら打つことは難しいからと、静かな部屋で画面と向き合っていることが仇となっている。沈黙が続く部屋では、頭の中の言葉は反響を起こすけれども、その沈黙の中から、何かが聞こえてはこないかと無意味に耳を澄ませてしまう。
昼間