025「じゃあ、何故」
第3回となる今回は、いわゆる”思わせぶり”な態度をとる女の子へ宛てた歌、「じゃあ、何故」。他の男が好きなのにどうしてそんなことをしてくるの?苦しくてつらい、そしてどこか純粋さ、初々しさを感じてしまう曲調にも注目です。
「じゃあ、何故」歌詞
歌:阿部真央
作詞:阿部真央
作曲:阿部真央
男の子のセリフ、つぶやき?から歌が始まる。”思わせぶり女の子”は、こちらが勘違いしてしまうほど好意的な目をして僕を見てくるらしい。
僕は”思わせぶり女の子”と仲が良いらしい。頻繁にあの子は僕を誘い出してくる。僕がそれを拒むことはないようだ。でも次の日にはまるで何もなかったみたいに振る舞うあの子。
自分勝手に思えてしまう”思わせぶり女の子”の様子が綴られる。彼女からの電話の多くは「寂しい時」。僕に慰めてほしいのか。どんな内容かはわからないが、「寂しい時」に電話をかけてくるなんて、少しは嬉しいのだろう。信頼されている?でも僕からの電話には応えない君。
猫の目、とは
なるほど。”思わせぶり女の子”のことを、心の変わりやすい人だと思い、それを「猫の目」という表現にしたのか。よくそんな表現を知っているものだ。さすが。猫の目で僕は狂わされた。とても強い言い方だなと思う。
君はその猫の目で僕を見ていたのだが、それは僕を見ているようで見ていないと僕は感じてしまった。誰か違う人を見ているな?いったい誰を見ているの?そんなことを考えているうちに”思わせぶり女の子”は僕にキスをした。
誰か僕じゃない人が他に君の目には写っている、そうだろ?
見えないフリなんて無しだよ....
ようやく、僕から君への直接的な愛の言葉が出てきた。
君は僕をすり抜けて、別の男をその目で見ている。そんなことがわかってしまった今、君への思いをどうすればいいのか。何もなかったことにできる?そうはできないほど、君は愛しい。愛しすぎた。
(届かない本命の男の代わりなんて)(僕以外の)誰でもよかったくせに、どうして僕にそんな目をしてきたの?勘違いしてしまうよ....
ここで曲は少し転調する。つぶやきというか、弱弱しい声からだんだんと泣き声交じりの悲しい訴えとなる。どうしてあんな目をして僕を見たんだい?と不思議に、あたかもその理由を分かっていないかのように振る舞っていたが、本当はその理由なんて分かっている。
言っていることは同じなのに、どうして感じ方がこうも違うのだろう。
この2つの短文。言っていることは同じで、ただ順番を前後入れ替えただけだ。印象が違うと思う。大変だけど、楽しい。最終的に感じているのは楽しいという感情であるかのように聞こえる。これが逆だと、もちろん聞こえ方も逆になる。
君は僕が好きじゃないだけだの場合、「好き」という言葉が強調される。一方で、君が好きなのは僕じゃないだけだだと、「僕」が最後に取り残される。まさに「僕」じゃない、という人物によった印象を与えてくれる。
君が僕を好きじゃないことはわかった。じゃあ、何故あんな目をしてきたの?僕じゃなくて誰でもよかったんじゃないの、この役目は...と一人訴えるのだった。
いかがだったでしょうか。この”思わせぶり女の子”の気持ちは少しわかりづらかったですね。寂しさを埋めるために意図的に好意をもってもらえるように接していたのか、それとも恋愛に不慣れで、「僕」を含む自身の周りの異性へのアプローチの仕方が不器用だったのか。この「僕」のためにも、この女の子は前者であってほしくはないですね。
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