posimedsports「#わらバス」_③主催者の想い|2022年9月から1年間をかけて地域のバスケットボールプレイヤーにコンディショニングを普及するスポーツ社会貢献企画「#わらバス-みんな一緒に、笑ってバスケ!プロジェクト-」
そもそも、なぜ【バスケ】の企画?
▶︎ところで、バスケやったことあるの?
―いえ、私自身は無いです。高校の体育の授業でちょっとやったくらいです。学生時代はサッカー観戦に夢中で、バスケの楽しさに出会ったのは1年弱前くらいです。
▶︎なんで「バスケットボール」の企画なの?
―「対象競技を絞り、長期間かけて腰を据えてコンディショニングを普及したい」というプロジェクト構想自体は、2020年の団体設立当初から弊団体メンバーのみんなと話し合っていました。
次年度事業の打ち合わせをしている中で、「競技人口の裾野が広く、子どもたちが小さい頃から馴染みのある、障がい者種目もあるメジャースポーツ」という点で、他のいくつかの競技とともにバスケットボールが候補に挙がりました。
あとは個人的な話で恐縮ですが、キャリアの山場だった2021年頃にたまたま観戦した試合で、ある選手の勇敢なプレーに元気をもらったことが決め手になりました。
そんな流れで開催形式を検討し、私自身がライトファンということも鑑み、弊団体メンバーの枠を超えてバスケ関係者のみなさんに様々な形で関わっていただけるような「みんなでつくる」社会貢献プロジェクトという広がりを持たせました。
▶︎へー、推し選手、だれ?
―今は迷惑がかかるといけないので言いません。この企画が成功してバスケキッズの未来を輝かせることができた後に、「実はこの選手のおかげさまです」と発表します(笑)
振り返れば、2019年ごろからバスケットボールを取り巻く色々な人たちに関わり始めて、ライトファンなりに「バスケって楽しくて奥が深いな」と思えたことがスタートでした。出会う方々に恵まれたと思います。
【バスケ好き】のみんなで参画
▶︎ライトファンが運営って、大丈夫なの?
ーありがたいことに、プロジェクト運営に関わっていただいている私以外のコアメンバーは、様々な立場で競技に精通した方々です。私自身はまとめ役として、Bクラブ初心者ブースターであることを隠さずに、リラックスしてプロジェクト運営をさせていただいています。
知ったかぶりをしなくてよい信頼関係を作ってくださっている周りの方々の優しさに感謝しつつ、みなさんの競技に対する熱い想いを「1年後、どんな風に形づくれると、バスケキッズの未来を輝かせられるかな?」と模索しています。
開始前にプロジェクト参画者として想定していたバスケの指導者・医療者・保護者だけでなく、今では、元/現役選手のほか、研究者・メディア・スポーツボランティア・ファンの方々などにも色々な形でご参画いただき、【みんな一緒に、笑ってバスケ】を目指しています。
主催者の想い:「みんな一緒に」
▶︎タイトル「みんな一緒に」って、無理なこともあるよね。
そうなんですよね。ここは是非「みんなでつくる」共創型プロジェクトということで、バスケ好きなみなさんのご意見をいただきたいポイントでもあります。
この「みんな一緒に」は、実現したい未来「笑ってバスケ!」に繋がる言葉として設定しました。
▶︎というと。
少し脱線しますが、私自身、医療職としての専門分野が「高齢者介護予防」や「障がい者就労支援」ということもあり、若輩者ながらこれまで仕事の中で【一緒に】という言葉の重さを感じてきました。
【一緒に】というのは、「物理的に」その場に同席しているという場面もあるし、その場で同席していなくても「精神的に」近くにいるように感じる・・・ということもある。この【一緒に】がしんどい時は、物理的・精神的な「距離の取り方」や「境界線の引き方」という話に続きます。
つまり、私の個人的な意見としては、字面通りの「みんな一緒に」は、必ずしも全員にとって幸せな状態ではない、と思っています。
この話は、競技スポーツの世界では、パラスポーツのクラス分けや、競技の習熟度や育成年代別のカテゴリの話題にも繋がりますよね。
▶︎では、なぜ「みんな一緒に」とつけたの?
個人的な上記の考えをベースに、プロジェクトで実現したい未来「笑ってバスケ!」は、具体的にどんな風景なのかを想像してみました。
細かい内容はここでは割愛しますが、①ひとりひとりの個人が「笑ってバスケ!」の前提で、②個人間(2人以上の集団)での「笑ってバスケ!」も達成できれば、きっと「みんな一緒に、笑ってバスケ!」だな、と仮説を立てました。
まとめると、「ダイバーシティ&インクルージョン」です。誰もが「笑ってバスケ!」から弾かれずに、「みんな一緒に」共存している状態を目指します。
主催者の想い:「笑ってバスケ!」
▶︎①個人の「笑ってバスケ!」ってどんなの?
ものすごくざっくり言うと、その人がバスケに関わる理由や目標が満たされる状態だと仮定しています。
プレイヤーや保護者であれば、自分や我が子が「上手くなって試合に勝つ」とか「趣味で楽しんで続ける」などで、指導者は「チームが強くなり大会で優勝すること」、医療者は「選手がけがをせず競技を続けられること」などとイメージできます。私のようなライトファンだと、「推しBリーガーのwebメディア記事を読んで幸せ」とか、「アリーナでの心地よい観戦体験」などでしょうか。
取組1.セルフチェック&セルフケアを普及
「#わらバス」に話を戻すと、弊団体メンバーの強みを活かした「笑ってバスケ!」へのアプローチとして「地域バスケプレイヤーに対するコンディショニング(特にセルフチェック&セルフケア)の普及」を一つ目の取組としました。
「②目指す景色」でもお話ししましたが、医療者-選手の一対一の関係性は形がすでにあるので、そこに弊団体理念【強く・長く・楽しく】続けるを掛け合わせ、地域バスケプレイヤー個人が「笑ってバスケ!」(プレイヤー個人の目標を達成)できるように取組を進めたいと思っています。
プレイヤー自身が心身の体調変動に対する感度を高め「自分で気づいて、自分で対処する」ことにより、周りの環境によってコンディションが左右されにくくなります。ここでいう「対処」とは、筋の張りに対する軽いストレッチのこともあれば、自ら受診し医療のプロを頼ることも含みます。現状は「気づく」チャンスに乏しいのではと仮説を立て、まずはリアル/オンライン企画で「気づき」を促すアプローチを行ないます。
▶︎へー、じゃあ、②集団の「笑ってバスケ!」は?
ー以上を踏まえて、②集団(2者以上)としての「笑ってバスケ!」です。個人の時にはなかった「対人コミュニケーション」が生じることになり、ここへのアプローチがポイントになるのではと考えました。
一人でシュート練習をするのが好きな人は、個人の「笑ってバスケ!」だけ考えればよいのでは、という疑問が浮かびそうですが、その場合は例えば、そのプレイヤーの身近な家族や、レンタルコートのスタッフさんなどとのコミュニケーション、と捉えてみてください。
ライトファンである私を例にご説明しますと、現在の私は、応援するチームのファンコンテンツや所属するオンラインサロンの活動がものすごく楽しくて、毎日「笑ってバスケ!」しています。つまり、私個人の「笑ってバスケ!」は満たされている状態です。
そんな私ですが、例えば推しチームを応援するために一人でアリーナに行き、大声で手を振りまくっていたら・・・隣や後ろの席のブースターさんの迷惑になり、ひいては「迷惑な人に応援されているチーム」ということで、相手チームや応援しているチームにも迷惑をかけかねない。つまり、私の言動や行動が、周りの人の「笑ってバスケ!」を阻害していることになります。
上記における私(書きながら青ざめています)は、「視野が狭かった」か、もしくは、応援しているチームが負けていたりで「感情的になり過ぎていた」のかもしれません。
もし私がアリーナに通い慣れていて、周りの人を思いやったりする精神的な余裕があり、自分の振る舞いが周りからどんな風に映るのかを気にする視点を持っていれば、きっとこのような振る舞いはしなかったはず(自戒を込めて)。
そして、このような振る舞いをしてしまったとしても、自分で気づいたり注意のお声がけをいただいた時に、お互いに心地よい態度や振る舞いに自ら変更することができれば、それ以上の継続したトラブルには発展しないはずです(再度、自戒を込めて)。
取組2.プレイヤーズセンタードのあり方を模索
ー前置きが長くなりましたが、同じようなこと(ちょっと違う?)が、「けがが長引く地域バスケプレイヤーの周りでも起こっているとしたら・・・」という仮説から生まれたのが、取組の二つ目「地域バスケ現場におけるプレイヤーズセンタードのあり方の模索」です。
この取組では、立場の違いを【視野の違い・目線の違い・背景の違い・見えている景色の違い】と捉え、それぞれの立場における「私にとっての #わらバス (笑ってバスケ!)」を可視化し、それぞれの違いを理解して受け容れ、プレイヤーの想いを中心に据えて関わる人がお互いに気持ちよく力を発揮できる方法を見つけることにチャレンジします。
具体的には、自分にとっての「当たり前」を #わらバス の様々な企画 で改めて言葉にしてシェア(可視化)することで、周りの人と「なるほど、その考え方だと、そう振る舞うのは納得」「でも、私の立場からだと、それってこんな風に見える」「じゃあ、間をとって、こうしたらどう?」「棲み分けを明確にして、ここまではあなた、ここからは私、ということでいこう」といったすり合わせのコミュニケーションが生まれることをイメージしています。
ハッシュタグに賛否両論が巻き起こってほしい
▶︎なるほどー、でも自分の考えを打ち出すのって、ちょっと怖いよね。
元々の関係性や環境設定によっては人間関係が決裂するリスクをもはらみますが、ハッシュタグ「 #わらバス 」に様々な「私にとっての、笑ってバスケ!」が集まっていたら、それを見た人は【自分に直接向けられたコメントではない】分、冷静に俯瞰できるのではと狙っています。
「へ〜、こういう意見もあるんだ」という距離感での、良し悪しを手放した見方が生まれることが、「みんな一緒に」=多様性の共存=ダイバーシティの第一歩 に繋がったらいいなと思います。
ここで大切にしたい前提は、「自分の言動や行動は変えられるが、他者は変えられない」ことです。自分が変わることで結果的に他者が変わることはあっても、「自分の思い通りにコントロールしたり従わせたりしようとする」ことは、ちょっと違うように思います。また同じく「我慢して同調する」ことも正解にならないと思います。
こんな時、場合によっては「感情的になり過ぎない(物理的・精神的に)適切な距離を、自ら確保する」ことが、ひいては自分と相手を尊重することにつながるかもしれません。トレーナーでもある私自身の悩みでもありますが、これが個人的・環境的な様々な要因によってとても難しいのが、地域スポーツ現場の現状だと感じます。だからこそ、1年間かけて、「みんなでつくる」にチャレンジです!
・・・と、こんな風に自分の考えを書いてみましたが、これもあくまで「私にとっての #わらバス 」。賛否両論のいろんな意見を、ハッシュタグ「 #わらバス 」でお待ちしています!
1年間「みんなでつくる」にチャレンジ!
上記で「チャレンジ」と表現しているのは、私自身や #わらバス メンバー がこの理想を実現し切れていない現状があるからです。人間に完璧はないといいますが、1年かけて意識して目指すことで、気づくことや身に付くものもあるはず。こう考えると、取組の一つ目で掲げている「セルフチェック&セルフケア」は、私自身も含めた【プレイヤーの周りの人】にとっても大切なことなのかもしれません。
「#わらバス-みんな一緒に、笑ってバスケ!プロジェクト-」は、「立場や目線ではこんな考え方もあるんだ」というお互いの気づきやコミュニケーションを大切に、バスケに関わるみんなで進んでいきたいです。
- 終わり -