夜来香ラプソディ感激観劇記録
物凄い多幸感に包まれた舞台でした。舞台と言うよりも、コンサート、いや、コンサートというよりはフェスに近いものがありました。
なぜ私は客席に座っているんだろう。立ち上がって踊り狂いたい!手を高らかに挙げて手拍子をしたい。私の中では、舞台ではなく、ロックフェスに見えました。
何故ここまで引き込まれたのか。
まず冒頭、開催にこぎつけたコンサートから舞台は始まり、松下洸平さん演じる服部良一がタクトを持って現れ、客席に向かって指揮を振ります。
その瞬間、「みんなでこのコンサートを作り上げましょう」と促され、私は、夜来香ラプソディと言う舞台を観にきているはずが、夜来香ラプソディと言うコンサートの演奏者であり、お客さんの1人になったのです。
終わってみれば、最初でも述べましたが、多幸感いっぱいの舞台で、次の日には、またあの上海に戻りたい。
そう思わせてくれる舞台、いや、フェスでした。
そして、舞台冒頭で服部良一は「こんなご時世の中、いらして頂いてありがとうございます」(うろ覚え)と述べます。
この2年本当に毎日毎日色んなことを我慢したり、注意したりしながら感染対策をしながらも、そんな中でも私はライブに出かけたり、ライブをしたり、舞台を観劇したりとそれなりにエンタメを楽しんできました。
でも、そのにあるのは、どうしても拭えない
『罪悪感』
エンタメを楽しむことが罪悪感のように刷り込まれてしまった2年でもありました。
でも、舞台冒頭で服部良一に、まず、語りかけてもらったことで、
エンタメを楽しんで良いんだ。罪悪感を感じなくて良いんだ。
その後、3時間の上演の中でずっと、舞台全体から、そう背中を撫でられている、そんな気持ちになったのです。
何故だかはよくわかりませんが、
もしかしたら、主役である服部良一は、ものすごく活躍するわけではありません。むしろ、悩み、苦しみ、どうしたらよいか?立ち止まっているときに、周囲の人たちが手を差し伸べてくれるのです。これは、服部良一のヒーロー物語では、ありません。みんなが少しずつ勇気を出して、難題を乗り越えて、コンサートを開催した、そのストーリー全体がそう感じさせてくれたのかも知れません。
最後に、カーテンコールでみなさんが現れてくれた時に流れた曲が、「ジャングルブギ」で、オリジナルの笠置シヅ子さんではなく、スカパラがカバーした曲が流れました。
スカパラが大好きな私は、嬉しくて、もう堪らず、ひとり縦ノリで拍手もせず踊っていました。
また、舞台の演出上、ロシアの芸術のことも出てきます。
そこには、ロシアの音楽に対するリスペクトしかありませんでした。
それと、このジャングルブギを歌ったクリーンヘッドギムラはもうこの世にはいません。
ですが、スカパラはこの曲を演奏し続けています。
芸術とは、世の中に何があっても続いていくものなんだ。
そんなメッセージも勝手に受け取って、私はフェスの参加者として、感激と誇らしい気持ちをもって、背筋を伸ばして、劇場を後にしました。