グロービス英語MBA(Part-time, Online) への挑戦 1) 動機⇒決断理由
はじめに
結論から申し上げますと、「米国駐在中にグロービス英語MBAを修了して本当に良かった」と心から思っています。
日本人で、なおかつ米国からグロービスの英語MBAを修了する方は少ないのではないでしょうか。この経験が、MBA取得を検討している方の一助となれば幸いです。また、この記事を通じて、自分自身の学びを振り返る機会にもしたいと思っています。
動機
米国駐在中、私は次のような疑問を抱きました。
「英語で議論する力をどうやって身につければいいのか?」
この問いに対する私の結論は、**「日本人であることを考慮してくれない環境に飛び込むしかない」**というものでした。
駐在前、私は留学経験がなく、学校で学んだ「勉強英語」だけが頼りでした。そのため、現地での英語によるやり取りには大きな苦労が伴いました。しかし、そんな中でUSCPA(米国公認会計士)の全科目合格を達成し、徐々に英語でのコミュニケーションにも自信を持てるようになりました。
とはいえ、仕事での議論となると、苦戦する場面が少なくありませんでした。自分が提案する製品やサービスの価値を十分に伝えられないもどかしさを痛感したのです。この状況を打開し、厳しい英語環境で「戦う」力を身につけるため、私はMBA取得に挑戦することを決意しました。
なお、USCPA取得の経緯についてはこちらをご覧ください ↓
しかし、英語で議論し、「戦う力」を身につけなければ、信用も評価も得られない現実を痛感しました。さらに、自分が提案する製品やサービスの価値を正確に伝えることさえ難しいと感じたのです。
この状況を変えるためには、**「日本人であることを考慮してくれない環境に飛び込むしかない」**という結論に至りました。
米国のネイティブスピーカーの苦労についてはこちらをご覧ください ↓
もちろん、一度は「英会話教室に通ったり、日常業務で英語を使ったりするだけでも十分なのでは?」と考えました。しかし、英会話教室では先生が生徒に配慮してくれるため、厳しい状況での力を鍛えることは難しいのが現実です。さらに、日常業務では相手がこちらを理解しようとしてくれる場面が多く、本当の意味で英語力を磨くには不十分だと感じました。
また、米国の現地企業では、多くのマネージャーがMBAを取得しているという現実にも直面しました。対等な立場で議論し、認められるためには、自分にもMBAが必要だと考えるようになりました。加えて、どこに行っても通用する実力を身につけることが、これからのキャリアにおいて非常に重要だとも感じました。
しかしながら、私には子供がいて、時間もお金も限られています。特に、アメリカのMBAプログラムにかかる高額な学費を払う余裕はありませんでした。このような制約の中で、どのように挑戦すべきかを模索することが、私のスタートラインだったのです。
軸を決めよう
改めて、自分がどのように考え、行動すべきかを整理しました。そして導き出した答えが以下のポイントです。
① 知識:日本企業がグローバルで活躍するための道筋を考えたい
私の親族が住むエリアは東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けました。しかし、「企業」が存在した地域では復興が比較的早く進んだ一方で、企業が少ないエリアでは復旧が遅れる現実を目の当たりにしました。この経験から、日本企業が生き残ることは、日本経済だけでなく人々の暮らしそのものに直結していると深く理解しました。
② 英語:英語で議論できる力を鍛える環境
発言しなければ評価されない厳しい環境に身を置く必要があると考えました。そのため、日本語ではなく英語で学ぶ環境を探すことが重要でした。
③ オンライン:柔軟性の確保
子供の面倒を見る必要があるため、毎週多くの時間を確保することが難しい状況でした。そのため、オンラインで受講でき、スケジュール変更にも柔軟に対応できる形を重視しました。
④ 費用:ハローワークの給付金を活用
私はサラリーマンであり、妻の理解を得る必要がありました。時間の柔軟性はオンライン受講で解決できるものの、費用は大きな課題でした。しかし、ハローワークの給付金制度を利用すれば、学費の約1/3がサポートされます。この制度は海外駐在中でも利用可能だったため、私にとって理想的な選択肢でした。
⑤ 希少性:社内で「初」の取り組みを目指す
佐久間プロデューサーのコメントです。あえて社内で「初」を狙うことは、ローリスク・ハイリターンの選択だと考えました。期待値が低い分、失敗しても大きなダメージはなく、成功すれば「第一人者」になれるチャンスです。
この考えから、以前グロービスのGMS(Global Management Studies)を受講した際のアカウントを活用し、社内でグロービス英語MBAを受講した人がいないことを確認しました。この「希少性」が、私の後押しとなりました。
選んだ理由
1.日本と海外のケースを同時に学べる
英語力を高めることはもちろんですが、私にとって一番大きかったのは、『日本と海外のケースを同時に学ぶことができる』という点です。震災を経験したこともあり、日本を応援したいという気持ちが根底にありました。
2.外部認証の重要性は個人次第
アメリカ大学や外部機関から認証されている大学も良いなと思いました。素直に響きが良いですから!
ただどうしてもアメリカ大学が良い、外部機関で認証されていることが必須という条件が『私』にはありませんでした。
もちろんその方が良いかもですが。これは個人の考え方によるので、正解はないと思います
3.TOEICが受験資格に認められている
IELTSではなく、TOEICで受験が可能であった点も重要でした。USCPAの勉強時に慣れ親しんだ資格で受験できたことで、準備の負担を軽減できました。
一方でもし希望する大学でIELTSが必要であったら、勉強をしていたとは思います。
TOEICで受験が出来るプログラムの例は他にもあります。例えばUSCPAを勉強した際に知ったアビタスがサポートしている、AACSB認証の米国マサチューセッツ州立大学のMBA(経営学修士号)プログラムもその一つです。
USCPAのために取得した単位が使えることも本当に魅力的でした。 ただ『日本と海外のケースを同時に学ぶことができるのか』という点でやめることにしました。
4.ハローワークの給付金が活用可能
他の選択肢と比べて、費用面での負担が軽減されることも決め手の一つでした。特に、駐在中にも適用可能な制度であった点が非常に大きかったです。
5.英語で戦う力を優先
あとはアメリカで働いていて『MBAという肩書』は良く見るけれど、日本とは違って『どこの大学』ということを全く見聞きしなかったこともあります。
『米国で絶対に就職するんだ!』という目的ではなく『英語で戦うことに慣れる』という方針であったので、自分が望むべき方針を優先することにしました。
6.グロービスUSA:現地拠点の存在
現地校のスケジュールで授業を受けたり、イベントに参加したりすることで、現地の環境で学ぶ機会を得ました。これにより、学びをさらに深めることができました。
7.実際の卒業生の声:最後の一押し
友人を通じて卒業生から感想を聞いた際、「受講して良かったか?」「卒業して良かったか?」という質問に対し、全員が明確な「YES」と答えました。このポジティブな声が、私の最終決断を後押ししました。
人脈作りとMBAの役割
家族や仕事の事情を考慮しながら学んでいたため、人脈作りに多くの時間を割くことはできませんでした。ただ、GMSで学んでいた際に参加した飲み会は楽しい思い出として残っています。
とはいえ、人脈を大きな目的にしていなかったので、それを問題だとは感じていませんでした。授業を通じて、少しずつ自然に人脈が広がる場面もあったからです。
一方、MBAでは「人脈が重要だ」と多くの人が口にしていたため、正直なところ、不安を感じたのも事実です。これが当時の正直な気持ちでした。
そこで私は、「人脈は自分で作り出そう」と決意しました。家族や仕事の事情で時間が限られているからこそ、MBA以外の場でも人脈を築くための代替手段に取り組む必要があると考えたのです。
具体的な人脈作り
意識的な紹介の依頼
日本、米国、アジア企業のお客様から紹介をお願いし、ネットワークを広げました。この努力が実を結び、現在では業務における最大の力となっています。人脈作りへの心構え
最終的に学んだのは、どんな環境であれ**結果を左右するのは「自分の心構え」と「行動」**だということです。MBAはその意識を高めてくれる場でもありました。
今後の計画
グロービス英語MBAを通じて得た知識と経験を活かし、これからのキャリアをさらに広げていきたいと考えています。
また、この経験を共有することで、少しでも多くの方の参考になれば嬉しいです。今後もグロービス英語MBAに関連する投稿を続けていく予定です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!