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中小企業のための展示会成功マニュアル-展示会で出来ること?その効果は?どうすれば最大の効果が発揮出来る?<みんなのデザイン経営>

展示会で出来ること?
その効果は?
どうすれば最大の効果が発揮出来る?

展示会は、単に自社の製品を並べたり、ポスターを掲示し、リーフレットを配布すれば良いというものではありません。展示会出展には、「中小企業がどのような成果を期待できるのか」「どのようにすれば最大の効果を得られるのか」といった明確な目的と戦略が必要です。

以前、「中小企業が展示会を有効に活用する方法 - 展示会が終了した人へ・これから展示会が始まる人へ <みんなのデザイン経営>」 という記事を書きましたが、今回はその内容をより実践的に整理し、「中小企業のための展示会成功マニュアル」として、そのエッセンスをまとめました。展示会の準備から運営、事後フォローまで、効果を最大化するためのポイントを解説します。


中小企業が展示会に出展することで期待されること

(以前の記事より)

展示会は単なる「その場限りの商談の場」ではなく、中小企業にとって以下のような多面的な価値を提供します。

1.製品や技術の実演
デモンストレーションを通じ、製品の強みを直感的に伝えられる。

2.顧客候補との接点創出
多数の潜在顧客と対面で交流し、即時フィードバックを得られる。

3.会社名と製品の周知
業界内の露出を高め、ブランド認知度を向上。

4.市場調査の実施
リアルタイムで顧客の反応を観察し、競合との差異を確認できる。

5.業界動向の把握
最新の業界トレンドを掴み、自社の戦略に取り入れる。

6.パートナーシップの構築
新しい協力企業との出会いの場を活用する。

7.売上向上の機会
即時の商談成立や長期的な販売機会を開拓する。

8.ブランディングの強化
企業イメージを視覚的に表現し、競合との差別化を図る。

9.プロモーション戦略の実践
新製品・サービスのローンチに適した場として活用する。

10.社員教育の場
実践的な顧客対応スキルを社員に体得させ、業界知識を深める。



1. 中小企業のための展示会成功マニュアル


0. 基本的な考え方展示会は「点」ではなく「線」です。

  • 準備期間

  • 展示会当日

  • フォローアップ

この3つの時期がつながることで、最大の価値が生まれます。

1. 製品や技術の実演
デモンストレーションを通じ、製品の強みを直感的に伝える。

人の記憶に残る見せ方

製品実演のコツ:人の記憶に残る3ステップ

実演の黄金パターン

  1. 困りごとの提示(30秒)

    • 「よくあるこんな問題...」

  2. 解決方法の提示(1分)

    • 「こうすれば簡単に...」

  3. 実証(2-3分)

    • 「実際にやってみましょう」

展示を効果的にするポイント

  • アイキャッチ(動きや驚き、期待感)のある展示

  • 五感に訴える工夫(製品に触る(触覚)も効果あり 最低限、視覚(ビジュアル)+聴覚(会話)でも可)

  • 来場者の体験機会の提供(体験は記憶に残る、共感者になる 最低限、会話でも可)

  • ストーリー性(ストーリーのあるものは意味を見つけやすい、記憶に残りやすい 製品やサービスのストーリー、会社のストーリー、プロジェクトのストーリー)


2. 顧客候補との接点創出
多数の潜在顧客と対面で交流し、即時フィードバックを得る。

話しかけやすい雰囲気づくり

2-1 自然な会話の始め方

  • 視線・行動から興味を読み取る

  • 適切なタイミング

  • 快適な距離感

2-2 情報収集のコツ

名刺交換時の確認事項

  • 業種・業態を把握する。

  • 現在抱えている課題を聞き出す。

  • 導入の意欲やスケジュールを確認。

会話を深める質問術

  • 「何に興味をお持ちですか?」

  • 「どんな課題をお持ちですか?」

  • 「具体的にはどんな場面で?」

  • 「それはいつ頃からですか?」


3. 会社名と製品の周知
業界内の露出を高め、ブランド認知度を向上。

3-1 ブース作りの基本

印象に残るブース作り

  • 視覚的インパクト

    • 企業カラーの活用

    • 重要メッセージは大きく

    • 目線の高さを意識

3-2 情報発信

  • 会場での重要情報は上部に

  • 詳細は手の届く位置に

  • パンフレットは持ち帰りやすく

  • 展示会開催前のSNS告知と連動し、来場者の期待を高める。

  • 展示会後もフォローアップメールやSNS投稿を活用し、長期的な関係構築を目指す。


4. 市場調査の実施

来場者からのヒアリングを活用し、リアルタイムで顧客の反応を観察し、競合との差異を確認。

4-1 情報収集のチェックリスト

  • 来場者が求める機能や特徴

  • 競合他社の製品戦略

  • 価格帯やコストパフォーマンスに対する市場の反応

4-2 競合分析の方法

  • 競合の展示手法や顧客対応の違いを観察し、独自性のあるアプローチを検討。

5. 業界動向の把握

最新の業界トレンドを掴み、自社の戦略に取り入れる。

5-1 情報収集の5W1H

  • Who:業界で注目されている企業やキーパーソンを特定。

  • What:市場で話題の製品や技術を把握し、自社製品と比較。

  • When:製品や技術の普及時期を予測し、開発・販売計画に活用。

  • Where:競合他社がターゲットとしている市場や地域を特定。

  • Why:新しい技術やサービスが求められる背景を分析。

  • How:トレンドを自社の戦略にどう組み込むかを検討。

5-2 業界関係者との交流

  • 展示会では、業界団体やキーパーソンとのネットワーキングを行い、業界の最新動向や将来の展望についてのインサイトを得る。

  • 各種セミナーやパネルディスカッションに参加し、業界の課題や機会を把握する。

6. パートナーシップの構築

新しい協力企業との出会いの場として展示会を活用する。

6-1 協業相手の見つけ方

  • ターゲット企業を明確化:自社の強みを活かせるパートナーを事前にリストアップ。

  • 補完関係の確認:自社の弱点を補強してくれる企業を選定。

  • 実績の確認:相手企業の過去の実績や市場での評判を調査。

6-2 パートナーシップ実現の進め方

1情報収集
:展示会前に、相手企業の事業内容や課題を把握。
2協業提案:具体的な提案を持参し、相手企業に対して具体的なメリットを提示。
3次回アクションの設定:展示会後のフォローアップや、具体的な協業スケジュールを決定。

6-3 展示会後のフォローアップ

  • 展示会で得た名刺や接触した企業に対し、具体的な提案やサンプル送付などを迅速に行う。

7. 売上向上の機会創出

即時の商談成立や長期的な販売機会を開拓する。

商談成功の方程式

  1. お客様のペースを守る

  2. 価値を具体的に伝える

  3. 導入事例を示す

7-1 商談成立のための準備

  • 価格と納期の明確化:来場者が即決できるように、価格表や納期情報を整備。

  • 実演による説得力の強化:製品の導入事例や効果を具体的に提示。

  • 特別オファーの設定:展示会限定のキャンペーンを用意し、購買意欲を高める。

7-2 長期的な販売計画

  • 見込み顧客の分類:関心度や購買意欲に応じてA・B・Cランクに分類。

  • フォローアッププランの策定:展示会後の営業計画を明確化し、定期的なアプローチを行う。

  • 展示会後の追跡活動:成約率を高めるために、電話やメールを活用したアフターフォローを徹底。

8. ブランディングの強化

企業イメージを視覚的に表現し、競合との差別化を図る。

8-1 ブース全体での表現方法

  • コーポレートカラーの活用:統一感のあるブースデザインでブランドの一貫性を確保。

  • ビジュアルの統一:パンフレット、映像、ノベルティなどを統一し、印象に残るデザインに。

  • スタッフの統一感:制服や名札のデザインを統一し、来場者に安心感を与える。

8-2 ブランドメッセージの徹底

  • 自社情報や製品情報を事前に再度熟読。企業の信頼性につながる。

  • 短時間で企業の強みを伝えるキャッチコピーを準備。言葉は後でも思い出す。

  • ソーシャルメディアと連携し、展示会での様子をリアルタイムで発信もあり。⠀

9. プロモーション戦略の実践

新製品・サービスのローンチに適した場として活用する。

9-1 新製品発表のポイント

  • プレスリリースの活用:展示会前にメディア向けに情報発信し、関心を高める。事前にWebサイトに記載していた記事を活用するのもあり。製品リーフレットも重要

  • 実演スケジュールの告知:ブース内やSNSでの告知を通じ、来場者の期待感を醸成。(特定の実演やデモンストレーションは決まった時間に行う方が期待感が上がる)

  • 来場者限定特典:ノベルティや特別価格を設定し、関心を引き付ける。

9-2 SNSと連動したプロモーション

  • X、Instagramなどを活用し、展示会情報の発信頻度を高める。

  • ハッシュタグを活用して、来場者の投稿を促し、話題性を作る。

10. 社員教育の場としての活用

実践的な顧客対応スキルを社員に体得させ、業界知識を深める。

10-1 育成計画の立て方

  • 準備日:事前の資料作成で教育。会場でのシミュレーション。

  • 1日目:先輩社員の説明を観察し、基本的な流れを把握。一部の説明を担当し、実践経験を積む。

  • 2日目:基本的な顧客対応を任せ、フィードバックを実施。

  • 3日目:応用的な対応や商談を経験し、自信をつける。

10-2 スキル向上のポイント

  • 録音・振り返りの活用:接客内容を録音し、または接客直後に会話内容のメモをとり改善点を共有。

  • FAQの準備:回帰前に想定問答集を作成、よくある質問に対する回答をスタッフ間で共有。

  • 成功・失敗事例の記録:次回の展示会に活かすためのレポート作成。


2. 展示会直前にやることのチェックリスト


1. 展示ブースの最終確認

  • 概要: レイアウト、展示品、配布資料の準備

  • 目的: 訪問者に分かりやすく訴求し、興味を引く

  • 重要なこと: 視覚的インパクトと説明の分かりやすさ

2. マーケティング準備

  • 概要: SNSやメールでの事前告知、メディア対応

  • 目的: 展示会前から顧客の期待を高め、集客を最大化

  • 重要なこと: 一貫性のあるメッセージとターゲットリーチ

3. ブランディング戦略の確立

  • 概要: ブースデザイン、スタッフの服装、統一されたブランドイメージ

  • 目的: 企業の価値を明確に伝え、印象に残る

  • 重要なこと: 視覚要素と接客トーンの統一

4. 営業トークの準備

  • 概要: スタッフのロールプレイ、FAQの準備

  • 目的: 訪問者に確実に自社の強みを伝える

  • 重要なこと: 簡潔で魅力的な説明と傾聴スキル

5. 会場での動線チェック

  • 概要: 訪問者がスムーズにブースを回れる配置の確認

  • 目的: 効率的な接客と商談のチャンス最大化

  • 重要なこと: シンプルで分かりやすいブース構成

6. 競合ブースのリサーチ

  • 概要: 他社ブースの位置や戦略の事前調査

  • 目的: 差別化ポイントを明確にし、自社の強みを強調

  • 重要なこと: 競合との差別化のポイントを現場で活かす

7. スタッフの役割分担

  • 概要: 接客担当、デモ担当、商談担当などの明確化

  • 目的: 来場者対応のスムーズな流れを確保

  • 重要なこと: チーム内の明確なコミュニケーション


3. 終了後のフォローアップのための事前準備

1. 顧客データの整理

  • 名刺交換やアンケート結果を即座にデジタル化し、フォローアップ計画を立案

2. フォローアップメールのテンプレート作成

  • 来場者ごとにパーソナライズした内容を事前準備

3. SNSやブログでの展示会レポート準備

  • 展示会での成功事例や来場者の声を発信し、ブランドの認知度向上を図る

4. 次回展示会への改善点整理

  • 展示会中の課題や成功ポイントを記録し、次回の戦略に活かす


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