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浪曲・掛川宿から考える文体


広沢菊春の浪曲・掛川宿をカセットテープで聞いてから眠った。

翌朝、浪曲で何がおこなわれていたのかを把握するために、昨夜の記憶をたどりながら手帖に書き起こした。


冒頭の話はイントロデュースのようなもの。本でいえば前書き、音楽でいえばプレリュードのようなもの。要約とまではいかないが、簡単に全体を紹介するような役まわり。観客に期待を持たせる。


次に対話が起こる。ここはうたにはなっていない。落語のようなまわし。しばらくすると、またもや謡が入る。

謡はト書きのような役割を果たしたり、ストーリー上、リフレインをする箇所を軽快にし、客を飽きさせないためにももちいられている。

謡うか、謡わないかは演出的裁量であり、ある種のサービス精神、観客への配慮であるともいえる。

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