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見えない縁を見えるようにする人たち

はぎわら水雨子さんと初めてお会いしたのは、2020年に上演予定だった『No. 1 Pure Pedigree』のためのワークショップでした。

そのワークショップではたしか「小説を演劇にしてみる」をテーマにしていたと思います。

ぺぺぺの会は、2019年に詩を演劇にすることを始めて、戯曲や脚本といったテクストスタイルに縛られないで演劇をつくることは可能なんじゃないか、と思い立ち、このワークショップでは実験的に、当時私が書き途中にしていた小説をテクストとしてもちいて演劇をしてみたのでした。


小説のテクストをそのままもちいて演劇にするのはとても難しいことでした。と、私はそのワークショップを終えて考えていました。小説は、戯曲よりも詩よりも、描写が明瞭であるため演劇化していくうえでとても扱いづらいテクストスタイルでした。


それでも小説を書いてみたい(書けるかどうかはさておき)という欲求がおさまるわけではなく、私は演劇とは別の個人的な営みとして小説を書き続けました。


2021年の年末から2022年の初めにかけて、私はこれまでに自分が演劇を通してやってきたことを振り返る作業をしてみました。

そのなかで、私はこれまでに他人の小説を原作に、戯曲を3本つくっていたことに気づいて、もしかすると、自分の小説でも同じことができるんじゃないかと思うようになりました。

それが今作の『斗起夫』という作品というわけです。

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