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効率的な情報収集の方法
要約動画で効率的に情報収集することが合理的であると主張するSNSアカウントによく出会います。
どういうわけか、インスタグラムを開くと、そんなリール動画ばかりが流れてきてひじょうに嫌な気分になるのです。
私は思うのですが、短く要約・圧縮された情報には、人の心理を深層から変革する力はありません。長い時間をかけて伝えられるからこそ、人は深いところで、その物事を理解することができるのです。
効率重視のために短く要約・圧縮された情報にできるのは、到底人の表層を変えることくらいでしょう。そしてその表層というのは次の情報によって簡単に上書きされてしまうのです。ほんとうの意味で、なにかを理解しようとするなら、長い時間をかける必要があります。ということは、短い情報を見続けることは、かえって非効率的なのです。
と、このような、私と似たような意見を持っている人も——少数派だとは思いますが——います。たぶん、このような意見を持っている人の多くは動画メディアよりも文字メディアを信頼し、愛している人なのだろうな、と私は勝手に想っています。
なぜなら動画を見ることよりも活字を読むことのほうがよっぽど労力を要するからです。
しかし、どちらが効率的かと言えば、私は文字を読むほうが効率的だと、本気で思っています。その証拠に、動画よりも文字のほうが一般に情報の圧縮度は高いとされています。
圧縮された情報を展開するにはそれなりの労力を要しますが、それなりの労力を支払えばそれなりの対価(効率性)は還元されるのです。
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