ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート63】
① I would have sworn Sparkle Pony Mountain was right here.「“キラキラポニーの山”もここだったのに」
昔あったお城がなくなってることに、ビンボンが戸惑う場面です。
I would have sworn … の sworn は swear ( 誓う ) の過去分詞で、”would have + 過去分詞” なので仮定法で、「私は…ということを誓ってただろう」( 実際には誓ってないですが ) というのが直訳です。
誓ってたぐらい自信があるので、「絶対…のはずだ」、「確かに…したはずだ」という意味になります。
次のような“言い争い”の経験はないですか?
A: Can you please turn off the light in the washroom after using it?「使用したらトイレの電気消してくれない?」
B: I would have sworn I turned off the light in the washroom.「絶対消したはずだけどな」
鍵を確かに置いたのに…
“I would have sworn I put my key in my bag, but it’s not there.”「鍵、絶対にカバンに入れたはずなのに。でもない!」
思い違いって誰にでもあるので、そんな場面では I would have sworn ... の登場です。
② Riley can’t be done with me.「いつかきっと2人で」
ビンボンが宝物にしているロケットが廃棄処分されてしまい、ビンボンがパニくる場面です。
“be done” は “I’m done.”「終わったよ」と何かが終了した時に使いますが、人間関係にも使えるのがこの “Riley can’t be done with me.” です。
直訳は「ライリーは私と(の関係を)終わらせることはできない」ですが、その直訳で理解できると思います。恋愛だけでなく、友人や仕事の間柄でも使えます。
日本訳をそのまま “Riley doesn’t want to end the relationship with me.” と言ってももちろんいいですが、”can’t be done” はより感情がこもった表現なので、状況によって使い分けていきたいですね。
“I can’t be done with you, even though you want to be done with me.”
「君は私との関係を終わらせたいみたいだけど、僕は終わらせたくない」ー 愛憎渦巻く何かが起こりそうで怖いシーンですね。
“I’m done with you. Bye!”
「もうおしまいだ。じゃあね」 ー 友人同士が絶交したり、恋人同士の別れなどで使える表現です。(できれば使いたくないですが…)
③ Need I remind you of how great things were there?「ミネソタを思い出せ」
ライリーが1人で家出することを、イカリが強く勧めるシーンです。それに対してビビリは過激すぎると反論します。
“Need I …?”「…する必要はある?」は、”Is it necessary for me to …?”と言い換えることができます。前者は少し固い表現で、後者は口語でもよく用いられます。
この “Need I…?” を取り上げた理由は、語句自体はとても簡単ですが、とても聞き取りづらい言い回しだからです。
英語の出だしの箇所(主語と動詞)が聞き取れないと、その文全体が聞き取りにくくなってしまうことはよくあるのではないでしょうか。
多分、「えっ!?」という心の動揺が原因かもしれません。最初が聞き取れなくても落ち着いてそれ以降を聞けばいいのですが、慌ててしまってパニックになってしまうのが一因だと思います。
それに対して、”Is it necessary …?” はとても聞き取りが楽です。なぜなら日頃からよく耳にしますし、口に出して使うからです。
Need I はそれに反して使わないことが多いですし、耳にすることも少ないのではないでしょうか。これがリスニングに大きな影響を与えます。
わからない ( =知らない ) 表現や語句を聞き取ることが困難なように、知っていても日頃耳にしなかったり、口に出す機会がほとんどない英語も聞き取るのが困難です。
ですから、セリフで出てきた Need I remind you of how great things were there? を何度も動画を見ながら聴いて、口に出すことが大切ではないかと思います。
そうすることによって Need I ...? の表現の回路が頭の中にでき、リスニングが向上していくと思います。