洋画のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート4】
映画「リメンバー・ミー」で、デラクレスから写真を取り上げようとミゲルを始め、ヘクター、そしてヘクターの妻のイメルダが奮闘する場面です。
イメルダは家を捨てて出て行ったヘクターを許せずにいるのですが、思わず、ヘクターのことを”愛する人”と言ってしまい、それに対してヘクターが反応したところから始まります。
① I'm the love of your life?「”愛する人”?」
セリフでは I’m the love ...ですが、ここでは
“You’re the love of my life.”
という表現で見ていきましょう。直訳は「あなたは私の人生の中で愛する人だ」です。そこから「人生の中で最も愛する人」という意味になるのですが、キーワードは the love の “the” だと思います。
“a” はいろいろある中の一つで、”the” は唯一のもの(世界で一つ)になるというのは聞いたことがあるのではないでしょうか。
ですから the love of my life で「私の人生で唯一愛する人」=「あなた対外は愛する人はいない」というニュアンスを持つので、とても深い愛情を含む表現なのです。
もし You’re a love of my life. と言ってしまうと、「愛する人は他にもいて、あなたはその中の1人にすぎない」という相手に刺さらない意味になってしまいます。
“a” と “the” でこんなにも意味が変わってしまうのも英語の奥深いところです。
他にも、
You’re my everything.
You’re the only one for me.
などと言った表現もありますが、ロマンチックな愛情表現として使う場合は、You’re the love of my life. が一番いいと思います。
② You're on in thirty seconds.「あと30秒で出番です」
使われているのは “on” という簡単な語ですが、すぐに意味をとるのは難しい表現ではないでしょうか。
on のコアは「接触」で、接触し続けることから「継続」( Go on!「続けろ!」)も表しています。
そこから30秒が経てば、「あなたは観客と接して(=接触) コンサートなどを続ける(=継続)」というイメージで覚えておくと「出番だ」という意味がピンときやすくなります。
ただ “You’re on.” だけだと次のように使われます。
A: Let’s meet at 6 PM for dinner.「午後6時に会食しよう」
B: You’re on.「いいですね」
一般的に使われるのは “Sure.” ですが、”You’re on.” の方がより感情がこもり、誘ってもらった喜びに溢れています。
ですから、相手の提案や誘いに対してより大きな喜びを表したいときはこの “You’re on.” をぜひ使ってみてください。
③ Get her off the stage.「女を下ろせ」
“off” は「分離」を表すので、「彼女をステージから分離させよ」が本来の意味です。そこから、「彼女をステージから下ろせ」という意味になります。
Get her off ... を覚えておくと次のように応用が効きます。( her は him や them などに変えることができます)
Get her off the motorbike! (彼女をバイクから下ろせ!)
Get him off the roof! (屋根から彼を下ろせ!)
We have to get her off the phone. (電話を切らせなければならない)
最後の例文は、固定電話しかなかった時代に、長電話をした時によく言われました。今はスマホなのでこんな英語を使うことはないかもしれませんね。
“get (人) off 〜” ー 簡単な語しか使って使っていないですが、サッと口から出にくいのではないでしょうか。何度も音読して覚えてしまいたい表現の一つです。
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