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ディズニー映画「マイエレメント」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート32】


“火” のエンバーと“水“ のウェイドがデートをしているシーン。

【学習ポイント】
♦️「ちょっと見てて!」は英語で?

< ウェイドとエンバーが一緒に歩いているとエンバーの全身が突然緑色になる>

ウェイド: How’d you do that? (どうやったの?)
エンバー: It’s the minerals. Check this out. (鉱石だよ。見てて)

ウェイド: Awesome. (すごい)

「マイエレメント」

◾️ Check this out.「見てて」
この Check this out. は事実かどうか確かめるためにやってみたり、調べたりする時に用いられます。

Check it out. とも言いますが、Check this out. と this にすると “今からやるこれを” 見ててね、という「目の前で今起こる」ことに使われます。

Check it out. がスタンダードな言い回しですがどちらを使っても大丈夫です。

このシーンでは、エンバーが赤色の鉱石の上に乗ると体が赤色になり、青色の上だと体が青色になるという“技”をウェイドに披露しています。 

その時エンバーは、”Check this out” と言ってすぐにその技を始めたので、「見てて」という Check this out. とそのシーンが合わさって頭から離れなくなってしまいます

英語とそれが使われているシーンが目に飛び込んでくる ー 洋画やドラマで英語を学習する大きなメリットの一つだと思います。

* Hey, I’ve been practicing my new dance routine. Check this out!” 「新しいダンスを練習してるんだ。 見ててね!」

よく練習したことなどをその場で披露したい時にこの Check this ( it ) out! が使えます。

Watch me dance! でもいいですが、Check this ( it ) out! がカジュアルで「見てて!」にピッタリだと思います。

ちなみに、Check it out! は「ちょっと見てみて」だけでなく「ちょっと調べてみて」という意味でもよく使われます。(というか、こちらの意味の方がよく目にします)

There’s a nice-looking store there.  We should check it out.「あそこに良さそうな店があるね。ちょっと調べてみよう」



ウェイドは自分が水の検査官であるということをエンバーの父シンディーの前で必死に否定するシーン。

【学習ポイント】
♦️ネイティブが間違った表現を使った!

         バーニー: エンバーの父

エンバー
: He’s a different kind of inspector. Right? (違う種類の検察官。でしょ?)
ウェイド: Yeah. Yeah. I’m a… I’m a food inspector. I’ve come to inspect your food. (ええ、そうです。僕は食品検査官です。食品の検査に来ました)
バーニー: Hmm. I think he’s lying through his feet. (デカマセを言ってるな)
エンバー: Teeth. (デマカセ)
バーニー: Whatever.  Food upstairs. Come. (いいから、一階に来い)

「マイエレメント」


◾️ I think he’s lying through his feet.「デカマセを言ってるな」
これは上級英語で少し難関英語かもしれません。ポイントは、lie through his feet と 字幕の「デカマセ」の2つです。

まずバーニーが言った lie through one’s feet という英語ですが、辞書を引いたらわかりますが、こんな表現はなく、あるのは lie through one’s teeth だというのがわかります。

teeth (歯) が feet (足) になってしまっているのです。

この間違いのために日本語字幕も「デカマセ」(デマカセの誤り)になっているのです。

でも「デカマセ」でもなんとなく「デマカセかな」と想像はできるのと同様に、英語の lie through his feet も lie through his teeth だと推測できるのでしょう。

エンバーがその誤りを即座に “Teeth” と言い直したのですが、そこで字幕も「デマカセ」と正しい日本語に直っているのです。

これを見た時、字幕の翻訳作業って本当に大変だなあ、と思ってしまいました。「デマカセ」と「デカマセ」という日本語が出てくるまでにどれほど時間がかかったんだろうと思ってしまいます。

肝心の意味ですが、 lie through one’s teeth ですが、「誰が見ても嘘だとわかる嘘をつく」という意味です。

ですから「白々しい嘘をつく」とか「見え透いた嘘をつく」という日本語が当てはまりまりそうです。

でも「デマカセ」も辞書を引くと、「口から言葉が出るにまかせて、デタラメをいうこと」なので、lie through one’s teeth と訳せないこともないです。

字幕の凄さを再認識した会話でした!


バーニーから「お前は本当に食品検査官か?」聞かれた時のウェイドの返事が面白いです。

【学習ポイント】
♦️ 相手を煙に巻く As far as you know

バーニー:  You really food inspector?「本当に食品検査官か?」
ウェイド: As far as you know, yeah.「そんなところです」

「マイエレメント」

As far as I know, … は「私が知っている限り(範囲では)… だ」でよく知られた表現だと思いますが、As far as you know, … は目にしたことがないのではないでしょうか。意味は、「あなたが知っている範囲ではね」です。

ウェイドの返答は、「あなたが知っている範囲ではそうですね」という曖昧さを含んでいるため、ウェイドは自分が食品検査官であることを完全に認めているわけではないのです。

でもこの時点で笑ってしまいます。なぜなら、ウェイドは、”Yes, I’m a food inspector.” と言えばいいのに、そう言わずに、「あなたがそう思うならそうかもしれませんが、実際は私が食品検査官かどうかどうか分かりません」というニュアンスの言葉で返したからです。

A: Are you really a magician?「あなた本当にマジシャンなの?」
B: As far as you know, yeah.「あなたの知っている範囲ではそうですね」

これは字幕が自分がマジシャンじゃないといてるにではなく、相手に「どう思いますか?ご想像にお任せします」と言ったニュアンスを伝えています。遊び心が感じられてたまに使いたくなる表現です。

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