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クリスマスのイタリア菓子
冬になるとイタリアのお菓子はより美味しく感じる(気がする)。ナッツやスパイス、ドライフルーツがたくさん入ったイタリアのお菓子は暖かいコーヒーやティーと合うから余計食べる機会が多めに。
毎年11月ごろから日本でもカルディや輸入食料品店でパネットーネとパンドーロを見かけるようになったけれどもまだまだシュトーレンほどの市民権は得ず。好きな人がどんどん増えますように。
パネットーネとは?
「パネットーネ」は、ミラノ発祥のクリスマスを代表する伝統菓子。特徴的なのはそのふっくらとしたドーム型と、生地にたっぷり練り込まれたドライフルーツやナッツ。オレンジピールやレーズンの華やかな香りが広がり、一口食べるたびに豊かな味わい!バターや卵をふんだんに使った生地は、時間をかけて発酵させることで生まれるふんわりとした軽さが魅力。イタリアでは年末年始の贈り物にも人気が高い。
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パンドーロとは?
一方で「パンドーロ」は、ヴェローナを発祥とするお菓子で、名前の由来はイタリア語で「黄金のパン」を意味する。その名の通り、バターと卵をたっぷり使用して焼き上げられた生地は美しい黄金色で、しっとりとした食感が特徴。形は星型で、仕上げに振りかけられる粉砂糖が雪のように見えて、とてもエレガント!ドライフルーツやナッツは使用せず、生地そのものの優しい甘さが引き立つシンプルな味わい。
二つのお菓子の違い
パネットーネとパンドーロはどちらもクリスマスの定番だけど、意外にもその特徴は大きく異なる。
発祥地: パネットーネはミラノ、パンドーロはヴェローナと、それぞれの都市にルーツがある。
具材: パネットーネはドライフルーツやナッツがたっぷり入っているのに対し、パンドーロは生地のシンプルな甘さを楽しむため具材はなし。
形: パネットーネは高さのあるドーム型、パンドーロはエレガントな星型。
味わい: パネットーネはリッチで複雑な風味、パンドーロは軽やかで繊細な甘さが魅力。
仕上げ: パネットーネはそのまま提供されることが多いのに対し、パンドーロは粉砂糖で華やかに仕上げる。
食べ比べ!
♢パネットーネ/洋ナシとチョコレート/Giovanni Cova
フルサイズのパネットーネは初めて頂いたけどとにかく大きい!食べても食べてもなくならなくて幸せ。頂いたイタリア人の女の子曰く、最近はイタリア人でもクラシックなものは味が重たく感じるのでアレンジされたバージョンが人気らしい。確かに洋酒やスパイスが強すぎず食べやすい。これは紅茶!
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♢ミニパネットーネ(パネットンチーノ)/イタリアのスーパー/クラシックと洋ナシ&チョコ
一人分で食べれる手軽さでかつお手頃な値段で買えるそう。イタリアの気分を楽しむには十分でクラシックタイプも洋ナシ&チョコもどちらも満足!ただ他のと食べ比べると保存料のような香りだったり少しパサッとしているように感じるので、単体でイタリアを味わうときのお手軽なオプションといった印象。
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♢パネットーネ/Vergani/クラシック
ヴェルガーニ(Vergani)は、1944年にアンジェロ・ヴェルガーニ氏によってミラノで創業されたパネットーネの会社。創業者の秘伝のレシピに基づき、天然酵母と卵白を使用せず卵黄のみを使用して3日間(!)かけて丁寧に作られている。
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ちなみに、パネットーネを作ってみたい!と思い立ってはYOUTUBEで調べてみたところ、どのレシピも何日も手間暇かけてやっと出来上がるパネットーネ。さらに材料費に光熱費を考えると絶対に買ったほうが安くて美味しいと気づきよりありがたく頂けた。ミラノにある歴史が150年近くなるBesuschioというパスティッチェリアは見てて感動するくらい芸術作品なパネットーネ。これもいつか食べてみたい。
♢パネットーネ/Al GATTO(秋葉原にあるイタリアン料理店)/マロン
日本製で美味しい!と思ったパネットーネ。程よくしっとりしててマロンの風味が優しく、軽くトーストするとさらにカリッと!しっとりでさらにくちどけもいいので何切れでも食べれるパネットーネ。
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♢パネットーネ/EATALY/クラシック
これは2023年の画像。出来立てのカプチーノとパネットーネの相性は抜群。黄色ければ黄色いほど美味しいらしい。とても黄色かった。空気をたっぷり含んで焼成されているのも高ポイントらしいけどその点はよくわからなかった。(そもそもそれがなんで美味しいポイントなのかはわからないけど、、)EATALYのカフェという空間で食べたせいか余計にフルーツと小麦の香りをしっかり感じて食べ応えがあった。一緒に食べたカンノーロもあって朝食べると夕方までお腹がすかないくらいしっかり大満足。
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♢パンドーロ/BALOCCO
ピエモンテ州でよくみかけたパンドーロ。卵の味がしっかりして美味しかった。パンドーロは具材がはいっていなくてシンプルな味だから余計にコーヒーとの相性ばっちり。パッケージもクリスマスらしい色合いなので、飾るにもかわいい。
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♢パンドーロ/Giovanni Cova
バターの香りがしっかりしてとにかくくちどけが良い!しっかりずっしりとした味が好きならBALOCCO社よりこちらがいいかも。パッケージはエレガントな感じがして素敵。イタリア人の別々の友人から計3個ももらったこのパンドーロ。とにかくイタリア国内では定番で評価が高いのだろうなあ。確かにおいしかった。
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まとめ
パネットーネもパンドーロも見た目は日本のショートケーキよりもシンプルで素朴。飛び上がるほどの美味しさ!とは言い難いところだけど、食べれば食べるほど日本の焼き菓子とは違う小麦の香りやスパイス・ドライフルーツの味がくせになっていろんな種類を食べてみたくなる。日本の輸入食品店でもまだまだ食べたことのないパネットーネとパンドーロがたくさん。1個のサイズがなかなか大きくて買うのをためらってしまうけど毎年新しい味に出会って自分の一番のパネットーネとパンドーロを見つけたい。
そして日本でも美味しいパネットーネを作ってるお店がたくさん!コンテストもあるみたいなのでますます選択肢が広がって楽しみ。イタリアの美味しいものにたくさん出会えますように。