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遊び方知ってるやつが1番えらいよね。『1ねん1くみ1ばんワル』――絵本を思い出すところ#12
絵本の中の風景へ想いを巡らすとき、それを手にした幼い頃の記憶もまた、絵本の思い出の一部になっていく――そんな「絵本を思い出すところ」を編集者とカメラマンが探していきます。
クラスにいたよね、こんな友だち。
キッとにらんだ、まっ黒目玉の「くろさわくん」。
教室の机引きずって、みんなで
ガーガーキーキー、大暴れ。
体育館のカーテン裏は、昼でもまっくら。
必ずやるんだ、ここから顔出して遊ぶやつ。
放課後は、いつも公園に集合する。
やっぱりすべり台が1番面白い。
すべり方は無限に知ってる。
ジャングルジムとブランコも、
悪くない。
遊び方知ってるやつが
1番えらいよね。
あっという間に晩ご飯。
また明日も遊ぼうぜ。
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『1ねん1くみ1ばんワル』 作/後藤竜二 絵/長谷川知子
クラスで1番の悪ガキ「くろさわくん」が大活躍する、「1ねん1くみ」シリーズの記念すべき第1作目。団地の遊び場で鬼ごっこをしていたぼくらの前に、くろさわくんが自転車のブザーを鳴らしながらぶっとんできた! こんな風に物語は始まります。
後藤竜二さんが描くこどもの目線に立ったワクワク、ちょっぴり切ないお話と、長谷川知子さんの生き生きとした挿絵が、暴れん坊「くろさわくん」や「1ねん1くみ」のみんなを、親しみやすく、まるで本当の友だちのような存在に感じさせてくれる名作です。
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/5590002.html
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(文・編集/齋藤侑太 写真/白井晴幸)
ポプラ社 齋藤侑太
1985年、茨城県生まれ。2012年、ポプラ社入社。営業職、社内デザイナー、幼児向け書籍の編集を経て、2020年から絵本の編集を中心に担当。
白井晴幸
東京都生まれ。2010年、多摩美術大学卒。作家として活動する傍らカメラマンとして本の装丁や風景、建築などを撮影している。≪Website≫