リモート会議事前にアジェンダを共有し、会議が不要なものは会議前に回答しよう
チャットでコミュニケーションをとりながら働くスタイルが定着してきました。ZoomやGoogleハングアウトを利用して会議をする企業も多いと思います。
ここでは、オンライン会議のあり方について、課題や懸念を抽出しながら考察を深めつつ、その理想像を探っていきます。
会議の前にはアジェンダを共有せよ
会議の所要時間を決めて効率化を図っているように見えますが、「会議の趣旨を伝えずに始めてしまう」ということがあるあるのようです。「事前にアジェンダを共有する」などの準備作業が欠落している場合が多く、テーマの共有から始めなければいけなくなって、必然的に質の低下を生んでしまいます。
資料を作る、録画しておくなどして事前共有しておけば済む話なのですが、やはり細かい作業が必要。こういう部分をチャットが担うことで、関与するメンバー全員がそれぞれ都合のつく時間に準備ができるようになります。
オフィスにいないことが災いして、一方的に「とりあえず会議の時間は確保しておいてね」の一言で準備なしにスタートしてしまうと、その場でアイデアをゼロベースから練るなんてこともしばしば。ゴールまでの道筋をみんなで追うための会議なのに、その意義が薄れてしまっているような気がします。逆に、「チャットで済んだ話なのに、議題に挙げた意味があったのか?」のような肩透かしを喰らうこともあります。
会議の必要性を感じた場合には、「何を相談したいのか」を具体的に示したアジェンダの提出を共通ルールに加えることをオススメします。
その会議は本当にマストなものか?
自社のケースだと、最近メンバーの1人から「営業の管理リストについて相談したいので、数十分ミーティング時間がほしい」という打診がありました。時間を割く立場としては、管理リストの何を相談したいのかが分からないまっさらな状態。でも、とりあえず話を聞いてみることにしました。
実際に出てきたのは、下記の3つの話題でした。
①セミナーや種類別に総計シートを作りたい
②アンケート結果と営業資料の関連の付け方を相談したい
③より見やすくなるよう営業資料の閲覧のあり方を相談したい
いずれの話題も、私からすると全部チャットで済む話ではなかったかと思うのです。
テキストでは分からない・伝わりにくい部分を相談したかったから会議を打診したと思いますが、チャットで事前に情報をもらっていれば、動画でわかりやすく説明することもできたわけです。
こちらのすきま時間にできた対応があることがわかると、やはり無駄な時間に思えてしまいます。
チャットで解消される疑問だったにもかかわらず、会議という「時間設定されたもの」になることでタイムラグも生じるとなると、リモートワークの進め方としては建設的ではないなと感じてしまいます。
オフィスワークの距離感は、リモートでは通用しない
上記はあくまで1つの例に過ぎませんが、このギャップを生んだ原因は、「オフィスの距離感をリモートワークに持ち込んでいるから」。この1点に尽きます。
オフィス内で私の顔が見えたら、スタッフは対面で相談できるチャンスだと認識してもおかしくありません。実際にオフィスワークの中にある気軽な雑談から疑問を解消してきたこともあり、今回のような打診に至ったと推察できます。
しかし、結論としては、オフィスワークのあり方をそのままリモートワークでも通用させるのはやはり良くありません。というのも、「自分の時間軸で仕事ができる」というリモートワークのメリットを消してしまいかねないから。
「とりあえず時間をください」という発言や、アジェンダがないまま始めるオンライン会議は、その特性を自ら手放した非効率な働き方につながることを意識すべきです。
脈絡がない相談の場合も、その可能性を事前に伝えよう
話す前から複雑な流れになると予想される場合もあると思います。こんな時は、その可能性を示唆して打診すればいいです。こちらも身構えた上で話を聞けますし、「アジェンダを見た上で、一両日中に回答しますね」といったレスポンスができます。
また、相談したいことが明確でない場合は、相手に対してどんな話題を持ちかけたいのか、どこまで自分の考えがまとまっているのか、現時点で見えている疑問などを、テキストで箇条書きで事前に知らせてくれれば十分です。
オフィス内であれば場所も時間も共有であるという認識もあり、「じゃあ時間とりましょう」から始まるのは事実。しかし、リモートワークで時間を取るのであれば、何を相談したいかを明確にしておくことはマストです。共通ルールの1つに加えておくことで、相手の時間軸をブレさせずに、お互い気持ちよく仕事を進めることができるのではないかと思います。
そもそもリモートで接触する機会が少ないからこそ、建設的な時間の使い方をすることが重視されます。既存のオフィスワークのアプローチが通用しない場面があることを認識したうえで、リモートワークに取り組むことが求められています。
→参考:リモート会議は最大30分にしよう
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