リモート1on1では、仕事以外の話もしよう
オンライン会議を進めるのは、グループだけではありません。「1on1」での対話も、また会議として認識することができます。ここではポイントを絞って、1on1での対話の重要性をお伝えします。
週1回、30分の1on1トーク時間を確保しよう
グループを統括する立場であれば、チームメンバーとは個別で対話する時間を取ることをオススメします。週に1回程度、1人あたり30分くらいで問題ないと思います。
コミュニケーションの頻度は、メンバー個人のグループに対する信頼度や帰属意識と比例します。月に1回だけより週に1回ですし、週に1回より毎日の方が帰属意識は高まるわけです。心理学の世界で「単純接触効果(ザイオンス効果)」とも言いますが、信頼だけでなく相手に対する安心感を高めることにもつながってきます。
三者以上では得られない魅力がある
メンバーたちに「襟を開いてもらう」ためには、その頻度だけでなくオンライン上での対話方法にも気を配る必要があります。というのも、1on1とそれ以外(3人以上)で、実施する対話のあり方が変わってくるからです。
1on1であれば雑談やお互いの近況報告が挟まっても問題なく進行できますが、3人以上だとやはり特定のテーマに方向性を絞らないと、実りのない会話で終わってしまう可能性が否定できません。
二者間でじっくり話ができれば、仕事に関する疑問の解決はもちろん、他愛もない雑談からお互いの人間性や思想にフォーカスを当てて話ができるようにもなります。相手への理解を示していく&自分への理解を示してもらうことは、仕事の意義の感じ方を変えたり、組織のために尽くしていこうという意識の向上にもつながります。
相手の「源泉」を理解して、仕事へのモチベーションを知る
弊社主導で「リモートチームマネジメント」というイベントを開催した時のこと。ある登壇者の「いい関係性を構築するには、相手の仕事へのモチベーションを知った方がいい」という発言が記憶に残っています。進捗状況などの細かい報告よりも、相手のモチベーションを重視すべきということでした。
雑談を通じて「なぜこの仕事を選んだのか?(お金のため?将来のため?)」というところに始まり、社会人として仕事への取り組み方の好みやストロングポイントなどを知ると、向き合っている状況に応じてかける言葉を選ぶことや、別の場面で振る仕事内容を選ぶことができるようになります。
例えば、仕事の進め方が大雑把タイプと慎重派タイプで、かける言葉に違いをつけるべきです。経営者を目指す上昇志向があるスタッフと、家庭の時間を重視したいスタッフでも同じ。
相手の「源泉」を理解せずして、自分の言葉が相手に刺さってくれるわけがありません。こうすることで万事うまくいくとは限りませんが、相手の仕事へのモチベーションを知っている方が話を深めていきやすいはず。その人の人生観を知ることが、1on1の対話でもたらされる最良のゴールといえます。
“伍”を作って対話機会を創出
大規模グループの場合は、グループを細分化することで1on1での対話機会を創出しましょう。例えば職務分掌によって4〜5人の塊(古代中国の戦法でいう”伍”)を作り、その中のリーダーが各メンバーと対話する方式を採ることで、1人のリーダーにかかるはずだった時間という問題は解決できます。
ある程度規模が大きくなった企業においては、社長がすべてを掌握するやり方には限界が出てきます。この”伍”のリーダーとなるメンバーは、必ずしも上司である必要はありません。まとめる立場や精神的な支柱になっている人を選出することができればOKです。それぞれの”伍”のリーダーとの対話を集約することで、大規模グループでも仕事の方向性を見定めていくことができるようになります。
1on1を部下や”伍”のメンバーに対する業務指導の場にしてしまうと、その魅力は半減してしまいます。雑談なので話が脱線していくこともしばしばありますが、あくまで仕事しやすい雰囲気を作っていくためには不可欠な時間です。
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