国語的思考と数学的思考

「文系学問と理系学問の区別とは何か?」という問いに対し、急に一つの考えが浮かんだ。
文系=国語的思考=与えられた情報を正確に読み解き、答えを考える
理系=数学的思考=与えられた課題に対し持てる発想を駆使し、答えを出す
この二項対立で考えられるような気がする。

例えば法学。
法律解釈はそこに恣意的な判断が加わってはいけないため、条文や判例が語る情報を正確に読み解く能力が必要な学問である。
「そういう時ってこういう風に大抵は思うよね」といった思想や発想を勝手に加えてはならない。
そして答えは一つでない。なんなら何が正解はいつまでたってもわからない。

対して数学。
その数式が成り立つことを証明するためには、自らが持っている数学的知識や発想の中からどれを使うべきなのかを考え、その場に即したソリューションを立てる。
問題の中にある情報だけでは解けないことが多い。
答えは一つ。明快なものである。

つまり文系学問と理系学問では探究の際に求められる能力が違うのである。

ではビジネスではどうだろうか。
先方のメールを見て要求を正確に読み解く能力は国語的。
読み解いた要求をどう解決するか考える能力は数学的。
両方の能力を横断的に使うことが要求される。

芸術で考えると、得た経験や知識から新しいものを生み出す作業は案外数学的な比重が強いと言えるだろう。

そう思うと、企業は理系卒の人材を総合職でもっと雇うべきであるし、
教育現場は文理の選択の際に、いかなる思考が好きかがどういう学問に向いているかにつながることを生徒たちに教えてあげるべきである。
(現に私も文理の選択判断は文系職or理系職か数学の得意苦手の2つ以外の判断基準を知らなかった)

ちなみに自分は文系受験だったが圧倒的数学脳。
すぐ自分の考えを混ぜてしまうので、国語は苦手だった。

文理選択に対してはそういう軸の考え方があるからその選択で安心して大丈夫だと、12年前の自分に教えてあげたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?