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なぜ、人は適応障害になるまで苦しんで働き続けるのか?その原因と解決策
今回は「なぜ、人は適応障害になるまで苦しんで働き続けるのか?その原因と解決策」というテーマでお話したいと思います。
僕は2023年の8月に適応障害となりました。
※詳しいお話は以下のnoteをご覧ください。
「最近、通勤途中に涙が止まらなくなってしまいました…。病院に行ったら、適応障害って診断されたんです。」
「休職しろって言われたけど、迷惑をかけるし、どうしたらいいのか…」
これは、実際に適応障害を経験した松田さん(仮名:30代・製造業)のお話です。責任感が強く、毎日遅くまで働き続けてきた彼ですが、心とカラダが限界を迎えてしまいました。
なぜ人は適応障害になるまで働き続けるのでしょうか?この記事ではその理由と解決策について考えます。
適応障害とは?
まず、適応障害とは何か?
適応障害は、強いストレスを受けたときに発症する心の病です。職場の環境や人間関係の問題、あるいは生活の変化に適応できず、心やカラダに不調が表れることがあります。
具体的には、
気分の落ち込みやイライラが続く
集中力が低下し、仕事に支障が出る
食欲の減退や過食
慢性的な疲労感
夜眠れなくなる(不眠症)
といったような症状が出る傾向にあります。
よく適応障害と聞くと「疲れているだけだよ」「適応障害なんて甘え」みたいな声が挙がってきますが、れっきとした心の病気なんです。そんな「甘え」の一言で済むような話ではありません。
もしあなたが上記に挙げたような症状を感じているのであれば、適応障害の前兆である可能性が高いです。お早めに心療内科を受診しましょう。
なぜ適応障害になるまで無理して働くのか
「自分が休むと、職場のみんなに迷惑がかかる気がして…」適応障害を発症する人の多くが、限界を迎えるまで無理をして働き続けてしまいます。
僕も適応障害を発症した時は全く同じ考えでした。
僕はWeb系のベンチャー企業で働いていたのですが、プロジェクトのメンバーは僕と上司の2人だけでライティングやデザイン作成などの制作業務はほぼ僕一人だけで行い、さらに納期も短く毎日23時近くまで残業する日々が続いていました。
当然、「僕が休んだらプロジェクトのリリースが遅れて売上が落ちてしまう」という過度なプレッシャーを感じて休もうにも休めませんでした。
その結果、ある日突然意識を失い救急搬送。
搬送先の病院で「適応障害」と診断され休職する結末になりました。
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「心身を壊すまでに対策はできなかったのか?」
よくそう聞かれますが、なかなか難しいんです。
適応障害になってしまう人(僕も含めて)には面白いほど共通する特徴があるんです。
責任感が強すぎる性格
適応障害を発症する人に共通して見られるのが、「真面目すぎる性格」です。
例えば、木下さん(仮名:28歳・営業職)は、上司からの無理な指示にも「はい、分かりました」と素直に即答し、自分の限界を超えた仕事量を抱え込んでしまうタイプでした。
「みんなが頑張っているのに、自分だけ楽をするわけにはいかない」という責任感が強く、上司に反論することもできずにストレスを溜め込んでいました。その結果、心とカラダに不調を感じるようになり、医師に適応障害と診断されました。
責任感の強さは長所でもありますが、時として自分を追い込み、心とカラダの健康を損なう原因になるのです。
社会的な期待とプレッシャー
「仕事を辞めるなんて甘え」「もっと頑張れるはず」という社会的な価値観が、無理をして働き続ける心理を強めてしまいます。
特に日本では、長時間労働が美徳とされる風潮が根強く、休みを取ることに罪悪感を抱く人が少なくありません。
僕の会社は建設業で働き方の価値観が古い方が多いというのもありますが、「工事が遅れたら会社が賠償金を払わなければならない」というルールがあり、休みを取ることを躊躇してしまう人がたくさんいます。(特に施工管理の方は毎週土曜日出勤している人もゴロゴロいます)
経済的不安が行動を縛る
適応障害を発症しても働き続ける理由の一つに、「お金の問題」があります。休職や退職をすれば収入が減り、生活が立ち行かなくなる可能性があるため、休む決断ができないのです。
実際、僕が適応障害になる前すぐに休む選択ができなかった理由も「お金の問題」が大きかったんですよね。
当時はフリーランス活動で貯金が尽きてきて生活を整えるために正社員に復帰したのですが、転職したばかりの頃は全財産10万円もなく家賃を払うのに精一杯。
当然お金の余裕がないと心の余裕もなくなり冷静な判断ができなくなってしまう。だから会社からの無理な要求にもYesと答えるしかない。その結果自分を追い込んでしまい適応障害になってしまう。まさに悪循環。
最近は物価上昇や賃金が上がらないといった社会問題もあるので、適応障害になってしまう方が増えてしまわないかとても心配に思っています。
無理を続けるとどうなるのか?
適応障害を放置すれば、心身の状態はますます悪化します。さらに進行すると、うつ病やパニック障害といった深刻な精神疾患になってしまう可能性もあります。
無理を続けた結果、適応障害が悪化し社会復帰までに長い時間を費やしてしまうケースもあるので、このようなリスクを回避するためにも、早期の対策が必要です。
心身の健康を最優先に考えよう
「無理して働くのをやめたら、人生変わりました」
宮下さん(29歳・事務職)は適応障害を克服した一人です。診断後、医師やカウンセラーの助言を受けて、まずは徹底的に休むことを決断しました。それまで抱えていた責任感や罪悪感を手放して自分を労わることで、数か月後には見違えるように回復したのです。
適応障害の治療には、「心とカラダの健康を最優先に考える」という意識を持つことが必要です。具体的な対策をいくつか紹介します。
まずは無理をせずに休む
適応障害を治す上で最も重要なのは、十分な休養を取ることです。宮下さんが回復できたのも、無理して働くことをやめて自分の心とカラダを休めたからでした。
「自分が頑張らなくては」という責任感を手放し、限界を認めることが大切です。これは決して「弱い」ということではありません。むしろ、自分の心とカラダを守るための強さなんです。
専門家の力を借りる
適応障害の治療には、医師やカウンセラーのサポートが効果的です。具体的には以下のような支援があります。
心療内科での診察:薬物療法や認知行動療法など、症状に応じた治療を受けられる。
カウンセリング:ストレスや感情を整理し、自分の心と向き合う手助けをしてもらえる。
リワークプログラム:復職を目指すためのトレーニングを行う専門機関も増えている。
特に最近ではリワークプログラムなど精神疾患などが原因で職を失ってしまった方への支援を行っている団体が増えてきました。
もしご要望があれば「おすすめのリワークプログラム◯選」というようなテーマでnoteの記事を書いてみようかなと思います。
小さなリフレッシュを取り入れる
適応障害の治療中は、心とカラダをリラックスさせる習慣を持つことも重要です。
朝の散歩で太陽の光を浴びる
ヨガや瞑想で心を整える
好きな映画や音楽でリフレッシュ
ゆっくり湯船に浸かる
寝る前にアロマを炊いてリラックス
特に適応障害になる前に無理して働いていた方は、「休む時間があったら働かなきゃ」と過度に自分を追い込んでしまう傾向があります。
そんな方は一度自分のライフスタイルを見直し適度にリラックスする時間を設けながら無理せず働く習慣を作り上げることをおすすめします。
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スケジュールをパンパンにして働くより、適度に小休憩を挟みながらゆっくり働くほうが集中できるし仕事のパフォーマンスも上がるんですよね。
無理のない働き方を見つける
適応障害を克服した後、再発を防ぐためには「自分に合った働き方」を見つけることが大切です。
僕の元に相談に来てくださった吉田さん(仮名:25歳・人材系)は適応障害で休職した後、フルタイム勤務を辞めて短時間勤務に切り替えました。
「最初は不安でした。でも、働く時間を減らしたことで心の負担が軽くなり、むしろ仕事のパフォーマンスが上がりました」という感想もいただきました。
ここでは、無理のない働き方を見つけるためのポイントを紹介します。
働き方を柔軟に変える
自分の心とカラダに合った働き方を選ぶことが、健康的なワークライフバランスを築く第一歩です。以下のような働き方を検討してみてください。
フレックスタイム制やリモートワーク
多くの企業で採用が進むフレックスタイム制やリモートワークは、通勤のストレスや長時間労働の負担を軽減します。少し古い資料ですが、リモートワークを実践した結果ストレスが減少した調査結果もでているのでぜひ取り入れてみてください。
職種や業務内容を見直す
「どうしても今の職場が合わない」と感じる場合は、転職やキャリアチェンジを検討するのも一つの手です。職種や業務内容を見直すことで、ストレスを大幅に減らせるケースがあります。
僕自身も激務のWebマーケティングから精神的負担などを考慮して事務職に転職しましたが、以前と比べて残業時間はもちろん仕事のストレスも大幅に減りました。本当に転職してよかったですね・・・
副業で収入を補う
休職中は収入面に不安を感じる人も多いと思います。そんなときは、副業を始めて収入を補う方法もおすすめです。
副業は、自分のペースで進められるものを選べばストレスにならず、収入を補うだけでなく新たなやりがいを見つけるきっかけにもなります。
例えば、
動画編集
Webデザイン
Webライター
などは今でも仕事を依頼したい人が続々と増えており、ちゃんとスキルを身につければある程度の副収入を得られることだってできます。
僕も動画編集の副業に関してはかれこれ6年ほどやっていて、休職中も月10万円程度稼げていたので生活を維持することができました。何より「休職中でもお金が入ってくる」安心感がデカい。
このように僕自身も適応障害になったことをきっかけに働き方を見つめ直し、自分らしい働き方と心とカラダの余裕を手に入れられたので、あなたもぜひ働き方を見つめ直して自分らしい働き方を手に入れてください!
適応障害になる前にできること
適応障害は、真面目で責任感が強い人ほど発症しやすい心の病です。無理をして働き続けることで、心とカラダのバランスを崩し、取り返しのつかない事態になる可能性もあります。
ですが、しっかり休養を取り自分らしい働き方を見つけることができれば、適応障害は克服可能です。そして、理想のワークライフバランスを実現することができます。
今日からすぐにできるアクションをご紹介します。
1.自分のストレス要因を特定する
まず、何が自分を追い詰めているのかを冷静に見つめ直しましょう。職場の人間関係、仕事内容、通勤時間など、具体的にリストアップするのがおすすめです。
「書き出してみたら、意外と自分を苦しめている要因が明確になりました」という声も多くあります。
2.周囲に助けを求める
職場の上司や同僚、家族、友人など、信頼できる人に率直な思いを話してみてください。また、心療内科やカウンセリングなど専門家の力を借りることも効果的です。
孤独に戦うのではなく、周りに頼ることが、回復への第一歩となります。
3.自分に合った働き方を考える
適応障害を再発させないためには、働き方の見直しが絶対に必要です。フレックスタイム制やリモートワーク、副業など、今では多様な働き方があります。
「どうしても合わない職場にこだわる必要はない」と考えるだけで、心が軽くなることもあります。
適応障害は、無理をしてしまう心優しい人ほどなりやすい病気です。でも、無理をするのをやめれば、自分らしい豊かな人生を手にすることができますのでこの機会に自分の人生や働き方を見直してみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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