3歳3ヶ月。ようやく子どものことを可愛いと思えるようになった
子どものことを可愛いと思えるようになるまで、3年3ヶ月かかった。
今までも可愛いとは思ってはいた。
しかし、鬱状態の時に高級寿司を食べても美味しいと思えないのと同じ状態で、可愛いなぁと頭では思っていても、精神面の不調のせいで感情がうまくついて来ない感じであった。これが3年続いた。
笑顔で抱きついてきたり、すりすり甘えてきたり、「ずっとママのそばにいるよ!」「ママ大好き!」「大人になったらママみたいにかっこよくなりたい!」などと嬉しいセリフを沢山言ってくれる。
それなのに、なぜか猛烈な不安感におそわれ、酷い時には幼少期の辛い記憶がフラッシュバックしてそれで頭がいっぱいになる。自分に余裕がないので、「あれして!これして!!」という子どもの絶え間ない欲求に付き合うのが心底しんどく煩わしかった。
子どもに対して笑いかけることも難しく、夫からも「もって笑顔で接してあげてほしい」といわれ、落ち込んでいた。(今となっては、お前がもっと育児手伝えよ!と思うが…)
子どもを心から可愛いと思えず、楽しそうに育児をしているお母さんを見ると落ち込み、自分を責め続けた3年間であった。
しかし、この数ヶ月で急にこどもが物凄く可愛くてたまらなくなったのだ。
以前は、早く保育園に預けて1人になりたい!と思っていたが、今は離れるのが寂しいな、ずっと一緒にいたいなと思う。
以前は、身体がしんどかったこともあり、子どもと一緒に遊ぶことが苦痛で義務感からやっていた。
今は、公園でおいかけっこをしたり、一緒にお絵描きやお菓子作りをしたり、図書館で紙芝居や絵本をよんだり、子どものやりたいことを一緒に目一杯遊び、私もそれを楽しんでいる。
思い当たる理由としては、休職1年目にして圧倒的に心身の不調が良くなってきたことである。
休んだ上で、向精神薬の量を増やし、毎日1時間程度日光にあたり、軽い運動をし、「うつ消しごはん」にしたがって、愚直に食事改善をした。そうすると、するすると身体も精神の調子も良くなっていった。
改めて、自分はここ数年鬱状態で育児をしていたのだなと実感した。
寝不足で、貧血で、栄養も休息も足りていなかった。
子どもを可愛いと思えなかったのは、体調が悪かったからだ。
産後のワンオペ育児、頼れない実家、フルタイムの仕事、週7ワンオペ、数年間におよぶ夜泣き、イヤイヤ期の子ども…
今思うと鬱になる要素が多すぎた。
良く頑張った。頑張っていたのに、自分を責めすぎた。
この国には、母親が「子どもが可愛いと思えない」とか「育児が辛い」いうと、「じゃあ産むな!!」「こどもが可哀想」と強い言葉で否定してくる人々が沢山いる。
そうした世論をうけて、益々「自分はだめな母親だ…」と自分を否定してしまう方も多いのではないだろうか。
会社で管理職でバリバリ活躍しながら、2人の育児中の先輩が、「睡眠不足と仕事の忙しさのせいで、こどもが4歳になるまで可愛いと思えなかった。皆そんなもんじゃない?」と言っていた。
その言葉にいくぶん救われ、涙が出た。
今、「こどもが可愛くない」と思いながら育児をしている方がいても、どうか自分を責めないでほしい。
過酷な環境で、育児をして心身のバランスを崩しているせいで、そう思っている可能性が高い。あなたは悪くない。休んで、まずは、自分のコンディションを整えることを第一優先してほしい。
自分のコンディションが整えば、どもにも心から笑顔で接することができるようになる。子どものために自己犠牲的に頑張るより、自分のコンディションを優先する方が、結果的に子どものためになるのではないか。
育児は、この先も長いです。体調を崩すと戻すまでに何年もかかります。自分を労りつつ、ぼちぼちやっていきましょう!(自分にも言い聞かせる)