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違和感-Part1-


皆さんはある時ふと
見慣れた光景に違和感を感じた事
ありませんか?

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俺は社会人1年生で
趣味は映画鑑賞とちょっと変わったフィギュアを集めてた。
仕事は忙しくて結構キツいし、毎日仕事と家の往復で一日が過ぎてる。
でも先輩達にも恵まれててまぁソコソコ楽しくやってた。

その日は仕事が休みで久し振りに友人と飲みに行って、楽しくてついつい飲みすぎてしまって。
どうやって帰ってきたのかも覚えて無いくらいに酔って、翌日は二日酔いが酷かった。
次の日仕事なのにバカみたいに飲んじゃったなぁと思ったけど…。後悔先に立たずな訳で…。

頭痛に悩まされながらも一日頑張って
仕事から帰ってきたんだけど、住み慣れた部屋に何故か妙な違和感を感じた。
部屋を見渡しても変わった様子はない。
まあ気のせいだろうと普通に過ごしていたけど、
次の日もその次の日もそしてその次の日も違和感は続いたんだ。

そして残業で終電ギリギリで帰ってきたある日、違和感と共に何かの視線を感じた。

「なんだ?なんなんだよこの妙な感じ」

「特に気になるようなものなんて………」

部屋を見渡し、フィギュアを並べている棚をよく見てみると。

「えっ!?なんだよこれ……」

そこには目玉が2つ並んでいたんだ。

手に取ってみるとその目玉は妙にリアルで、しっとりしていて少しぷにっとしている。

「こんなの…買った覚えはないぞ?」

酔っ払った時に何処かから拾って来てしまったんだろうか…
いくら変わったフィギュアが好きと言ってもコレはさすがに気持ち悪い。
記憶が無くなるまで飲まないように、今後は気をつけよう。

そう思った時



ピンポーン ピンポーン



「えっ??こんな時間に誰だ?」

ピンポーン ピンポーン ピンポーン
ドアの覗き穴からソっと除くと、髪の長い女が立っていて。
そいつの顔には目がなかったんだ。

「え………マジかよ…」

ヤベェ…これはヤベェ事になってる。
状況は全くつかめないが【ヤベェ】ってことだけはわかる。

「あのぅ…すみません、わたしの目玉返してください」

目のない女がドア越しに話しかけてきた。

「わたしの目玉…お持ちですよね?」

えっ………目玉って…アレのことかっ!?
あれは、フィギュアじゃなかったのか?
どこで拾ったんだ?何で拾ってきた?
思い出そうとしても思い出せない。
いや、そんな事より今この状況をどうすりゃいいんだ!?

「はぁ…はぁ…ヤベェぞどうする…」

頭の中が真っ白だ、俺は息を殺してひたすら居留守を使うしかなかった。

「お留守なのかしら……どうしよう…ブツブツブツ」

暫くすると女は去って行った。

「行ったか??はぁぁぁ………」
ホッとして部屋にもどると

「えっ………!?」

そこにはさっきの女が立っていた

「わたしの 目玉ァ こんなトコロに あったァァァ…」

「ひぃっっ!」

女はフィギュア棚から目玉を手に取ると俺に気づいた。

女の手に掴まれた目が俺の顔を見ている。

「あらァ…あなたの目キレイねェ、この目はもう古いからァァァ…そっちの目がイイなァァァ、ねぇそれ…ちょオオだぁーーい」

「うっうわあーーーーー!」


そして女は俺の目玉を持って行ってしまったんだ。


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どうです?
皆さんも見慣れた光景に
ふと違和感を感じた事あるでしょう?
その違和感はもしかすると………

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