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40手前にしてようやくメンタルに左右されなくなりつつあってもっと若いうちに身に着けておきたかったセルフケアとかレジリエンスの話(タイトル長い)

この記事は スターフェスティバルアドベントカレンダー 23日目の記事です。

ちょっと長い前置き

無理せず読みましょう

思ったより記事が長くなってしまいました。
疲弊しているときというのは、文字を読むだけでもしんどいものです。

なるべく文章間を広く空けるように意識的に書いていますが、ゆっくり自分のペースで読みましょう。

疲れたら素直に休みましょう。
また元気なときに読んでもらえるだけでもありがたいです。

疲れたら休みましょ

自己紹介

スターフェスティバルという会社でwebアプリケーションの開発をしています。いわゆるエンジニアです。

来年で40を迎えてしまいます。
2009年新卒からゲーム開発者としてプログラマとなり、2013年ごろからwebアプリケーションの開発に携わるようになって現在まで仕事を続けられています。

妻がいて、6歳と2歳の男の子がいて、犬がいて、という子育て真っ盛り、働き盛りなライフステージです。

今回書くこと

以下のようなキーワードが出てきます

  • メンタル

  • セルフケア

  • 認知行動療法

  • レジリエンス

  • 成長型マインドセット

なぜ書こうと思ったのか

私はネガティブ思考が強く、これまで気持ちが落ち込み仕事、プライベートとうまくいかない時期が少なからずありました。

そんな私ですが、先月あたり半端な時期に振り返りをしてみました。

もとよりネガティブな性格であったが、だいぶ自身をコントロールできているなというか、ようやく自分を掴んできたというか。
本当に落ち込まなくなったというか、落ち込んでも回復までがだいぶ早まったなという感触がある。真面目にこれが一番の成長。

https://note.com/ponpon63/n/nacca3946a66f

例年と比較して好調な1年であり、これが意識的に思考、行動をコントロールした結果であることに気づきました。

よく出来たなと思う反面、もっと早く実践できていたらと考えても仕方ないタラレバな後悔もあります。

一事例ではありますが、自身の体験が他の方の参考になるものがあればと思い記録として残してみようと思いました。

ということで読んでほしい方

  • メンタルの弱さを課題と感じているものの、どうしていいかわからず模索されてる方

  • メンタル不調を感じたことがない方。

  • 若い方

こう書くと結局特に限定せず、どんな方にでも読んでもらいたいのですね。
今まで不調を感じたことがない方でも、知っておくことでダメージを最小限に抑えられる手助けみたいなのになると良いなと思っています。

やっと始まります

メンタルの強弱

「メンタル」とは、心や精神の状態、またはそれに関する力や強さを表す言葉です。
強弱の特徴は以下となります。

  • メンタルが弱い: ストレス、失敗に敏感。落ち込みやすい

  • メンタルが強い: プレッシャーや困難な状況に対して、冷静に対応できる

弱いと何が困るのか

メンタルが弱いと、落ち込みやすく何か失敗をしてしまった際、長期に引きずってしまいパフォーマンスが落ちてしまいます。

パフォーマンスが低下した状態でさらに別の失敗と、負の連鎖反応が起きてしまいさらに自己嫌悪に陥り、さらにパフォーマンスが悪化する

こういった悪循環に陥りやすいのが弱い場合のデメリットです。

疲れやすく日常がなかなかに大変

実際に陥ったメンタル不調

  • 新卒入社した会社の退職前(2012~2013年ごろ)

  • 前職の退職前(2020~2021年ごろ)

これらの時期が非常に心身ともにつらい状態でした

不調時の症状

  • 不安、考え事で夜寝ることができない

  • 業務中、過度な緊張状態

  • 終始頭痛に悩まされる(睡眠不足、過度な緊張状態からくるもの)

  • 食欲不振

  • 手の震え

  • 色々できなくなり情けなくて泣く(業務中)

改めてあげてみると辛い状態ですね。よくこの状態から脱せたなと改めて褒めてあげたいです。

本当にがんばりましたね。

2013年 精神科の受診

新卒入社後3~4年したころ、業務でキャパオーバーとなり精神的に追い詰められていました。
この時期一度だけ精神科の受診を試みたことがありました。

が、初診であなたは鬱じゃないですよと半笑いで言われた(と、私がそう感じた)のもあり継続して受診することはありませんでした。

藁にも縋る思いだったんですけどね

当時業務中に泣き出してしまったくらいには追い詰められた中での受診だったので、ショッキングな出来事でした。

自分の中で無条件に味方になってくれるという期待感を持っていたのがあったかもしれません。それが裏切られた形となりました。

今思うにカウンセリングは相性というのが大きくあり、このあたりは根気よく探す必要があると感じています。

結局このときは退職して時間を経て何とかぼんやり回復に至ったように思います。
がやはり時間も環境も変わり2020年ごろまた再度不調をきたします。

2021年 臨床心理士とのカウンセリング

  • キャリアもジュニアからミドルへ

  • 2018には第一子が誕生。ライフステージの変化

  • 残業続きの日々

気がつけば先にあげたような不調から抜け出せなくなっており、これはマズイと改めてカウンセリングを受けてみることとしました。

前回の受診の経験もあったので、長時間時間をとって話ができそうなところを探しました。

見つかったのは一回あたり80分、臨床心理士の資格を持つカウンセラーの方と1対1でカウンセリングを行えるところでした。

結果どうだったか

約半年、計12回のカウンセリングを行いました。
この期間、回数は固定というわけでなくカウンセラーとお話してもう大丈夫となった段階で終了となりました。

つまりはポジティブな結果につながったということです。
カウンセリングを通じて認知行動療法に基づくセルフケアの方法を学ぶことができました。

また、自身の大事にしたいこと、価値観などの認知が深まり、この年会社を退職するという決断をするに至りました。

以下カウンセリングで行ってきたことを抜粋していきます。

初回 インテーク面接

カウンセリングの初回面接をインテーク面接というそうです。

  • 今抱えている課題のヒアリング

  • なぜ今受けようと思ったのか

  • 成育歴、これまでの人生のトピックス

  • カウンセリングを終えたときどうなっていたいかのゴール設定

この面接を経て、継続的にカウンセリングを受けるかを決めます。

以前の精神科受診時とは違い、こちらの話に耳を傾けてもらえる姿勢を感じとれたので続けてみることとしました。

相性って大事

セルフモニタリングでストレスを解明する

毎カウンセリングの宿題として、添付画像のようにストレスを感じた際の記録を残す事となりました。

カウンセリング毎の宿題

発生した出来事を起因に、自身の「考え」「気持ち」「からだ」「行動」を書き出します。
現実世界の出来事が、こころの世界が反応するという構造です。

当時の記録

実際に当時自身で記録していたメモです。

  • 思考:やろうと思っていたことができずに焦る思考がみてとれます

  • からだ:顕著に反応

  • 感情:ネガティブな感情

  • 行動:気分転換を図ろうとはしている(実際このときそんなに晴れたりはしていない)

こうして出来事からの各反応を客観的に見ることができるようになります。

自身の出来事で過ぎたことなので出来事自体はよくある些細なものと、今なら思えはしますが、改めて第三者として見ると些細なものと捉えることはできず辛そうな状況ですね。

反射的に起こるグルグル思考に気づく

記録を続けるにつれ、出来事があった際に条件反射のようにネガティブな思考をグルグルと行っていることに気付かされます。

ネガティブな考え方などしたくない、と思っているにも関わらずです。

この思考はやっかいでグルグルと同じところを周りストレスを増幅させてきます。
このグルグル思考という存在に気づけるようになったのがまず大きな一歩となりました。

グルグル思考を停止、切り替える方法

グルグル思考が走り出したことに気づいたとき、次はどのようにネガティブな思考を停止、切り替えさせるかです。
これがスッとできていればはなから苦労はありません。

停止方法1:川をイメージして葉っぱに乗せて流す

いくつか教わりましたが私にとって効果的だったうちの1つです。

浮かんでしまったネガティブな思考を葉っぱに乗せて、そのまま下流の方まで流れていくのをボーっと眺めているようなイメージです。

他にも動く列車だったり、ゴミ箱に捨てるとかでもいいと思います。
とにかく別のところに移動させるようにイメージして思考から捨て去る方法です。

ボーっと眺めて忘れましょう

停止方法2:メリット法

考え続けることにどんなメリットがあるのか?
と問をたてます。

落ち着いてみるとこのまま考えてみても、経験則からいってもいいことなんてないと気づけることでしょう。

友人アドバイス法:別人に置き換えてアドバイスをしてみる

別の考え方を行う手法はいくつかあるのですが、私の場合友人アドバイス法というのがうまくマッチしました。
別の人が同じ思考で悩んでいて相談してきたと過程してアドバイスをしてあげます。

私の場合仲の良かった職場の後輩くんが相談してきたと過程したら、こうしてみたらどうだろうと堅実的な提案ができることに気づきました。

裏を返すと自分の脳みそは自分にはやたら厳しくあたる状態になっているということです。

なぜそういう思考になるのか?

カウンセリング中にこれまでの経験を思い返すことである程度見えてきました。
要因は複数ありはしますが、多くの人が見ているところで大っぴらに失敗した経験を引きずっていそうでした。

  • 失敗しそうな場面では、失敗するなよと、大きなプレッシャーが押し寄せ

  • 失敗してしまった場面では、またやってしまったと責め立てる

というような状態です。しんどいですね。

自分に優しくセルフコンパッション

セルフコンパッション (Self-Compassion) とは、自分に対して優しさや思いやりを持つ態度のことを指します。

思考が厳しすぎることを自覚できたので、ちょっと甘すぎるくらいでちょうどいいです。
つらくなってる自分に対して、もう1人の自分が優しく対話をしてあげましょう。

つらい と言ってるならどうしてつらいのか聞いてあげましょう。
ダメなやつだ と嘆いているならそうじゃない部分を一緒に探してあげましょう

今の自分が当時の自分に対してなら

  • 子どもも育てて立派じゃないか

  • つらくても仕事から逃げずにやれてるよ

  • 奥さんは責めたりしてきてないし、認めてくれてるよ

と、割とポンポン出せるようにはなってるんですが、やはり元が厳しい思考を持ってたので、最初はなかなかどう声掛けするのかイメージしづらかったです。
慣れるの時間かかりますが、気長にやりましょう。

究極の味方 イマジナリー自分

認知の歪みを改善する

認知の歪み とは、私たちが物事を考えたり解釈する際に、現実を正確に捉えられず、非合理的な偏った思考をしてしまうことを指します。

自分はダメなやつだ。
はたしてこれは正しいのでしょうか?

何か失敗した場面でよく陥っていたこの思考ですが、弁護士にでもなったつもりで反証していきましょう

具体的に誰かがダメなやつだと言葉として言ってきたか?
→誰も言ってきてない

このように自分自身が思い込みで言っており、自身で傷を広げているだけということが見えてきます。

こうして自分の認知が歪んでいる箇所を把握していき、修正をかけていくことでネガティブ思考から脱していきます

2022年 転職

カウンセリングを受け思考を整理していった結果、環境を変えることが自身にとって最良と判断をし2022年に現職に転職しました。

フルリモートとなるなど環境の変化はありつつ、既存メンバーから手厚く迎え入れてもらえて良い状態で働けていました。

いい環境で働けています

2023年 第二子誕生からの不調期

カウンセリングを経てセルフケアの手法も学んだことで、あまりメンタル面の不安は感じていなかったのですが、そう甘くもありませんでした。

第二子誕生での生活リズムの乱れであったり、プロジェクト異動であったり変化も大きい時期でした。

以前のようにカウンセリングが必要な状態に陥ることはありませんでしたが、睡眠不足からくる自律神経の乱れなどはあったため、ネガティブが周囲に漏れ出すような状態が続き、業務へのパフォーマンスに影響が出てしまいました。

ギブミー睡眠

レジリエンス

当時のマネージャにレジリエンスというものを教えてもらいました。
レジリエンスとは物理学の用語です。
ストレスも物理学用語で「外圧からの歪み」を指します。
対してレジリエンスは「その歪みを跳ね返す力」です。

ストレスを跳ね返す力、ということで気分の落ち込みや、嫌なことがあった際、そこからいつもの状態に戻る回復力を意味します。

すばやく元気に戻りたい

気分の落ち込みはなくならないということを認識する

レジリエンスはあくまで回復力なので、そもそも落ち込まなくなるとかそういうものではないです。

今後もストレスを受ける場面はあるし、気分が落ち込む日は必ず出てきます。
それを完全に取り去ろうとは思わずに、それはそれとしてさっさと軌道修正しようという力です。

心の筋肉とも呼ぶみたいで、才能とかでなくきっちり鍛えられる力でもあります。

鍛える3ステップ

  • 底打ち:感情の連鎖を断ち切り、心の落ち込みを底打ちする

  • 立ち直り:元の心理状態に回復するステップ

  • 教訓化:回復後の振り返りステップ

というステップで鍛えていきます。
底打ちは、気分のグラフが下降していってるところを一旦下がるのを止めるステップです。

以前のようにカウンセリングが必要な状態に陥ることはありませんでしたが

先述したように一定ラインよりは落ち込まないようにはなっていました。
これはカウンセリングを受け何かストレスを受けた際には、メモなりに書き出して整理するクセがついていたのが大きかったと思います。

不足していたのは以降の立ち直りのところです。
うまく立ち直りが出来ず、底を打ったはいいが低空飛行 = パフォーマンスが出ていない状態が続いていました。

すばやく回復ができないのはなぜか

そもそも気持ちが落ち込んでいるということは、何かしらうまくいかない出来事が発生したということです。

そこから回復するには、自分はできる、という自己効力感を高めるのが一つの方法です。
何かしらの成功体験を積むのが良いでしょう。

とはいえ、睡眠不足の影響による自律神経の乱れから、ネガティブな思考は強まっていた時期でした。
小さな成功体験にも気づけず視野が狭まっていたように思います。

2024年 回復力の改善

生活リズムを取り戻す

睡眠不足が回復を阻む一要因なのは明白です。

第二子も1歳を迎え前年よりは寝付きも安定してきたのもあり、自身の生活習慣に大きく手をいれることにしました。

遅くとも22時には就寝し5時に起きるというリズムを作り、睡眠時間のブレが起きないよう心がけました。

子育てをしていると、子どもが寝た後が自由時間というのもありつい自分のやりたいことに費やして0時過ぎの就寝になったりもザラでしたが、そこはグッとこらえて逆に朝方に回すようにしました。

朝だと子どもの保育園送りの準備など7時までのタイムリミットがあるため、夜とは違って何かをやりすぎることもなくリズムを安定させることができるのでオススメです。

スマホダメ。さっさと寝る

思考の切り替え:成長型マインドセット

Microsoft Learnの成長型マインドセットの記事を教えてもらいました。
こちらでは成長型マインドセットと対となる固定型マインドセットについての説明が出てきます。

  • 固定型マインドセット:自分の能力、知性は生まれつき変わらないと考える

  • 成長型マインドセット:自分の能力、知性は努力、経験により成長するものだと考える

例えば、失敗したような場面があった場合

  • 固定型:自分の能力限界を示すものと捉える

  • 成長型:学びの機会と考える

という違いがあります。

この概念を知れたのは良かったです。
自身が固定型マインドに陥っていることに改めて気づくことが出来ました。

成長型マインドセットを意識することで、失敗時の向き合い方は大きく変わり気持ちの切り替えがスムーズに行えるようになりました。

小さいことでも成功体験を記録する

できれば随時、遅くとも1日の業務の終りなどに今日成功したこと、学んだことを記録するようにしています。

探せば必ず毎日何かは成長しているものです。
これを積み重ねることで自己効力感は高まり、回復力の増加につながります。

高まる自己効力感

業務で得られた成果

現職ではセクシー賞という半期ごとの表彰制度があります。
会社が設定している3つのバリューごとに受賞者が決定されるのですが、ありがたいことに受賞することができました。

いろいろ幸運が重なった結果であるのですが、私が受賞したバリューが Go All Out というものでした。

やったるで

以前のメンタリティだと失敗を恐れて行動できないでしょうから、この部門で受賞できたことが証左にもなり、成長できることを自分に対して示してあげることができたように思います。

長くなりすぎたので最後に整理します

  • ストレスは書き出してセルフモニタリングを行う

  • グルグル思考に気づいて停止させる

  • 自分でなく他人に当てはめてみて客観的に考える

  • 自分を否定しない。自分に優しく

  • 認知のゆがみを認識する

  • 気分の落ち込みはなくならないので受け入れる

  • 感情を直接コントロールでなく行動、思考を変えて感情を制御する

  • 睡眠はなるべく削らない。

  • 成長型マインドセット。自身は成長できるということを理解する

  • 小さいことでも良いので成功体験を記録しつづけ可視化。自己効力感につなげる

こういったとこでしょうか。

一度カウンセリングを受けた後でも、ある程度慣れて実践の頻度も下がったりして、また落ち込みが発生したりもしたので未来永劫メンタル不調が起きないともいいきれません。

とはいえ自分の中で大分積み上がったなと感じるので、疲れる場面もあるだろうが、まあなんとかなるだろうとかなり楽観視できるようになりました。

ここまで長文、駄文失礼しました。
何かヒントになることが少しでもあったなら幸いです。
私があげた以外にもいろんな手法があるので参考書籍も読んでみると自分に合うやり方が見つかるかもしれません。

ご拝読ありがとうございました。

参考書籍、記事

セルフケア

レジリエンス

成長型マインドセット

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