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『HUNTER×HUNTER』が教えてくれたこと

(この記事は『HUNTER×HUNTER』を読んだ(観た)ことある人だけわかる内容になっています🙏)

冨樫先生の漫画『HUNTER×HUNTER』が大好きです。

ちなみにわたは漫画派じゃなくてアニメ派です。
5年くらい前に観たんだけど、めちゃくちゃおもしろくて3回くらい繰り返して観た覚えがある。

なかでも大大大好きなのは『キメラ=アント編』。
周りのHUNTER×HUNTER好きに聞いてもみんなキメラアント編を推してくるから、超名作なんだと思う。


キメラアント編を観終わった後の衝撃を今でも覚えている。
「わたし、いつの間にか悪役を応援してたわ・・・!!!」ってなりました 笑。

最初ははちゃんと(?)ゴンとかキルアとかハンターたちを応援してたし、悪役のキメラアントたちは残酷で悪いやつだなー、やっつけないとって思ってたのに、ストーリーが進んでいくうちにいつの間にかキメラアントたち、というよりも「メルエム、死なないで~ 泣」って応援してた、というか願ってた。

そんな気持ちになっていったのも、やっぱりコムギの存在が大きい。

コムギの登場によって、心というものがないんじゃないかと思えるほど残酷で冷徹だったメルエムが、少しずつ優しさを持つようになっていったし人間らしくなっていった。
コムギは目が見えなかった分見た目に惑わされることはなかったし、メルエムの本質みたいなところを見て(感じて)対等に向き合っていた。


外側の何かに囚われることなく、その人そのまんまを感じていくことの大切さ
をコムギは教えてくれた。


そしてメルエムは、その死に際には「愛」とか「本当に大切なものは何か」という、ものすごく本質的なことまで悟っていったように思う。

メルエムの成長や変化が手に取るようにわかったから感情移入したし、どうか死なないでって思ってしまうほどメルエムは魅力的な存在になっていった。


一方でストーリーが進むにつれてのゴンの変貌ぶりもすごかった。

正義感が強くていい子って感じだったゴンが、大切なカイトがキメラアントに殺されてしまったことで、憎しみという感情にどんどん飲み込まれていき、最終的には「憎悪」という感情に体を明け渡してしまったように感じた。

ゴンがもともと持っていた正義感は度を越え、憎しみに変わり、最終的には復讐心にまで成り果てた。

ゴンがネフェルピトーと戦う場面を見ていると、もう、悪魔にしか見えない。
正義のヒーローなんかじゃない、ただの復讐心に取り憑かれてしまった悪魔みたいだった。


ゴンとメルエムそれぞれの変化を見ていると、どうしても陰陽論に照らし合わせて考えたくなってしまう。

ストーリーの最初は悪役だったメルエムが「陰」、それに対してゴンは「陽」の役割を担っていた。
それなのにストーリーが進むにつれて、あたたかい心を持つようになったメルエムが「陽」、復讐心に取り憑かれたゴンが「陰」へとそれぞれ転じた。

特にゴンを見ていると、陰陽論でよく言われる「陽極まって陰に転ずる」という言葉がぴったりのように思える。

行き過ぎた正義は人を傷つける。

そんな恐ろしさをゴンは見せてくれていた。


ということで、HUNTER×HUNTERについて思ってたことをいろいろ書いてみました。なんだかまた観たくなってきちゃったからお正月にでも観ようかな、なんて今思い始めてます。




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