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奇跡のカンニングで第一志望校に合格した話

2月といえば、国公立大学の受験生は最後の追い込みをしている時期だろう。

センター試験(今は「大学入学共通テスト」)を終え、ひといきつく間もないまま、二次試験に向けてひたすら過去問を解いていた記憶がある。

いまや10年以上前の話になってしまったが、わたしもセンター試験、国立二次試験と最後まで大学受験に取り組んだ。

受験生だったころ

高校に入学したばかりのときは、憧れの高校に入学できた嬉しさで心はフワフワ、陸上部の練習で身体はクタクタで、ろくに勉強をしていなかった。

中学生の時は平均して90点以上とれていたテストの点数も、地域中から集まってきた秀才たちの前にまったく歯が立たなくなっていた。

高校2年生から勉強に力を入れ始め、底辺だった成績も少しずつ上がっていき(文系科目に限る)、海外の文化や日本語教育に興味があったので、国際系の大学を志望校にすることに決めた。

高校3年生になって部活を卒業してからは、「勉強だけしていればいいとは、なんて楽なのか(それだけ陸上部の練習がキツかった)」と思いながら、一生懸命勉強していた。

あのころは、夜9〜10時就寝、朝5時起床で、静かな家の中で勉強をしてから学校に向かっていた。

大体クラスで一番最初に教室に到着して、勉強してから授業が始まる…そんな日々を送っていた。

課題だった英語の勉強

国際系の大学に興味があり、成績も徐々に上がっていったので、高校3年生になるころ、第一志望校を東京外国語大学にすることに決めた。

当時の外大の二次試験の科目は英語と世界史のみで、特に英語の比率が高かった。

英語は好きな科目ではあったが、外大の英語試験は結構ガチなので、リスニングも英作文も不安だらけだった。

そこで、学校の行き帰り、最寄駅から学校までの10分弱、英語のpodcastを聴きながら歩くことにした。

調べて見つけたのがBBCの6 Minute English。

その名の通り、とあるトピックについて6分間会話がなされ、部分的にインタビューが差し込まれるような番組だった。特定の領域のテーマに限るのではなく、様々なトピックが取り上げられていた。

たまに理解できるときもあれば、「何言ってるのか全然わからん」というときも多かったが、とにかくリスニングの勉強に!と思って毎日このpodcastを聴きながら登校していた。

いよいよ二次試験

センター試験は数学以外なんとかなり、志望校を変えないまま臨んだ二次試験。

ドキドキの英語試験が始まり、リスニングテストで流れてきたのは、聴きなじみのあるBBC 6 Minute Englishだった。

「え…えぇっ!知ってる!解ける!解けるぞぉぉ!」と進研ゼミの漫画展開に…!

なればよかったけど、現実はそう甘くなかった。
普段聴いていたときも、大体理解できていなかったからだ。

選ばれたトピックは、聴いたことがあるような、ないような…という回だったので、他の受験生と同じように必死で耳を傾けて回答した。

結果はなんと合格

”奇跡のカンニング”ができたのに、出来にはまったく自信がなかった。二次試験の日に同じ高校の子とお昼を食べていたけど、みんな落ち着いていて自信があって、話すのが嫌なくらいだった。午後の世界史の試験も同様で、「あぁ落ちたかも…」とずっと思っていた。

そして高校の卒業式の翌日、合格発表日。

「たぶん落ちているから」と家でネットで合格発表を見たところ、結果は驚きの合格!!!
こんなことなら現地で見ればよかった、と思いながら、信じられないきもちと嬉しさ、安堵感でいっぱいだった。

別に教訓はないけれど

このエピソードで「努力は必ず実を結ぶ」とかそんなことが言いたいわけでもなく、ただただこういう出来事があって、あのときはびっくりした!っていう話なんだけど。

「#こうして私は受験を乗り越えた」というハッシュタグを見て、思い出したのがpodcastの一件だった。

普段聴いていたわりには理解できていなかったから回答に自信がなかったけど、6分もあるリスニング(入試の問題と考えると長いよね)を、流れをわかって聴けたのはすごいラッキーだったと思う。

それに今思い返すと、入試問題をつくっていた方と同じものを聴いていたというのは、なんだかすこし誇らしい。

受験生時代を振り返ると、陸上部の練習とはまた違うきつさがあったな、と思う。常に不安だし、やりたいことを我慢しなければいけないのがつらかった。

これからの世の中、わたしが経験したような受験のあり方がいいのかは疑問に思うところではある。それに受験勉強は大変だった。

でも、あのころ勉強したことが今の自分を作ってくれていて、あのころ鍛えた英語力が土台にあって世界の人とコミュニケーションをとれるようになったし、人生の一時期、勉強に全ベッドした時間は無駄ではなかったと思っている。

万が一この記事を読んでいる受験生がいるならば、あなたが今頑張っている時間は、目に見える形でなくとも、この先の世界を生き抜いていく土台になるから、もうちょっとだけがんばれ!と伝えたい。がんばる受験生に早く春がきますように。

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