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【エッセイ】12. 100日後に福祉でITやる犬
12.二種の神器を手に入れた犬
我は、この極限の精神状態と体調の中で、自分にとって大切な「二種の神器」を見つけたと感じていた。
「これさえあれば、生きていける。」という何か。
それが我にとっては、「音楽と水分」だと確信した。
相変わらず、我の体調は躁状態。
ただ、躁と鬱のスパンや程度の重さは少しずつ落ち着いていった。
朝、起きて睡眠がしっかり取れたら始まる躁状態。
寝ないわけにもいかないので、最初は対処の手立てがなかった。眠って回復した分だけ躁状態が始まってしまうのだ。しばらくは、まともに眠れるのは2日に1回で、そのうちのどちらかは躁状態の日。もう片方の日は鬱状態で過ごすことになった。こんな変な体調は自分でも初めてだったが、もうある程度は波に任せるしかないと思っていた。
よく眠れた日には、意図的に身体を疲れさせるようにしていた。勤務前後にウォーキングしたり。自転車通勤にしたり。
逆に眠れなかった日は鬱状態になるので、無理しないことだけを気をつけていた。省エネ運転で、音楽や水分にしっかり頼り、なるべく日常の刺激を減らす。イヤホンで耳を塞いで音楽を聴きながら仕事したりした。
こんな自分の経験が、きっと誰かのためになったり、自分自身もいつか芽が出てどこかで咲くことを、少しだけ期待していた。
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2025.1.14(火)
ponogarden