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“命を預かる仕事” の話。

【※この記事は保育士として働いていた頃に書いた記事です】


突然ですが、自分は一人旅が好きです。

先日、仙台に行ってきました。
旅の目的は気持ちのリフレッシュも兼ねて、応援している野球チームの試合観戦。
一人野球観戦なんてちょっとハードル高いな〜と思っていましたが、行ってみると意外と一人観戦の方がいまして。同じ一人観戦の方とたまたまお話して、SNS交換をすることができました。


今回の目的はもう一つ。
震災に関係した”何か”を見ておきたかった。

本当は気仙沼に行きたかったのですが、観光案内所のお姉さんに「日帰りで気仙沼いけますか?」と聞いたら、軽くドン引かれたので、そこは諦め、仙台から程近い、『震災遺構 荒浜小学校』に行ってきました。



荒井駅のバス停でバスを待っていると、たまたま隣でバスを待っていたおばあさんに話かけていただきました。
「どこに行くの?」と聞かれたので、「荒浜小学校に…」と答えると、

「小学校見ても時間余るだろうから、近くのくだもの園に行ってみるといいよ。あとは、海岸沿いにも行ってみるといいよ。私はもう、怖くて行けないんだけどね。津波のこと思い出しちゃうから。もう、あの音が怖いんだよね。あと地震の揺れるのも。トラウマっていうんだよね…」

あくまで聞かれたので答えただけではありますが、おばあさんにトラウマの出来事を思い起こさせてしまったのではないかとちょっと申し訳なく思いました。でも、そんなの関係ないのですよね。
震災の時の揺れの怖さは自分自身も経験しているし、テレビで津波や火災の映像も嫌になる程見ました。「自分にも何かできることがしたい」と、当時は募金をしたり、ボランティアについて調べたり…しましたが、現地に赴くことはできず、気づけば11年の月日が流れていました。その歳月の間に、大学生になり、社会人になり。
忘れないけど、少なからず「11年前の出来事」になっていました。

自分にとっては「過去の出来事から今に活かせる何かを学ぶ」だけれど、そのおばあさんにとっては「忘れたくても忘れられない日常」なんですよね。

のどかな稲作畑をバスは走り、荒浜小学校に着きました。
海岸沿いにドーンと小学校だけがありました。不自然な感じはしましたが、その理由は…きっと一つしかありません。

中に入ってみると…なんとも言えないのです。

1階は全て津波にのまれて瓦礫が流れ込んできたとのこと。
2階のベランダ。柵がひん曲がっているのは流れ込んだ瓦礫によって。
奥の松が並んでいるところが海岸線。


2階の廊下や棚に残された津波の水位の後。11年経ってもこんなにくっきり残っているものなのか…。

11年前のあの日に、小学校にいた方たちが避難した屋上にも行ってみました。

見渡す限り、”家”は見当たりません。

当時のことを証言とともにまとめた動画が流れていました。
テレビで色々な映像を見たことはありましたが、それこそ色々な場所で起こったことだったので、「怖い」と思う以外、正直あまり現実味がありませんでした。
でも、「あの日に、この場所で、こんなことがあった」という、インパクトは大きかった。

「知らなかったことを知る」「忘れないように知ろうとする」ことだけでも、何もしないよりはそれだけで意味があると思いますが、私自身、何か自分の仕事に教訓を活かせないものか…そんな気持ちでした。

自分は保育士という仕事をしている中で、目の前の子どもの発達や成長のために自分は何ができるのか、どんな援助ができるのか、保護者にどう伝え、どうともに育てていけるのか、保育園で子どもたちにどんな経験をさせてあげることができるのか…と、考えていました。

それは決して間違いではない。

でも、それ以前にこの職業って、

”命を預かる仕事”   なんですよね。

「今更何言ってんだ!」とお叱りを受けそうですが(誰から?)、
そんな当たり前のことに改めて気づかされました。

保育士として忙しくこなしていく日々に、そのこと、忘れていませんか??


生きている(=命がある)からこそ、発達や成長がある。

いつか必ず大地震が来ると言われていて、ただただ「仕事中にだけは起こらないでくれ〜」と、毎日にように願っている私ですが、(今は働けてないけれど…)
そんな私の願いなんぞ自然には関係ありません。
いざという時、自分は”命を守れる”のか?
「守る」ために、私は何ができるのか、何をしておけばいいのか。

成長のためのあれこれを考えることも大切なことですが、
命を守るためのあれこれこそ、しっかりと考えていかなければならないと思いました。


…ちゃんと文章にできた気がしませんが…。。。

具体的に仕事に活かせそうなこととしては…
・緊急時にマイクとか電子機器は使えない
・昔の人の言い伝えは間違いではない
・避難訓練の方法は日々見直しを。古くからのやり方にとらわれず、よかれと思ったことはやってみる。(荒浜小では一次避難を体育館にして訓練していたが、震災時は体育館に避難することなく屋上へ。体育館は津波で流されてしまった)




一人旅の話はまた今度、書き残せればと思います。

海岸沿いは天気も微妙だったので、行けませんでしたが、おばあさんから勧められたくだもの園には行ってきて、美味しいカレーを食べることができました!
そして、めちゃ甘めちゃウマな、とうもろこしをお土産で買うことができました!!!
おばあさんとの出会いに感謝〜♪

そして!仙台といえば!!!

仙台育英、甲子園優勝おめでとうございます!!!
祝!白河の関越え!高校生たちのキラキラした姿、最後まで一生懸命走りきる姿、須江先生のインタビューにただただ感動して泣きました!!!


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