自炊の価値
実家を出て、週3〜4は料理をするようになった。
出社する日は残業で帰りが遅くなるので全く家事をする気になれず、イトーヨーカドーで値引きシールが貼られたお惣菜を買いがちだ。
しかし、極力自炊するようには心がけている。
外食ばかりだとなんとなく心が死んでくる、といった理由もあるのだが、そもそもの料理をすること自体が、自分自身にとってのストレス解消になっていることにも気がついたからである。
この前たまたま見たテレビで、このような特集がされていた。
「◯◯瞑想で心が整う」
「瞑想」と聞くと、目を閉じて心を無にして、じっとする…といったイメージがある。
しかしここでいう瞑想とは、日常生活の中で取り入れられるものを指す、とのことだった。
例えば「洗濯物瞑想」「アイロン瞑想」などなど。
要は、日々の動作ひとつひとつを行う際、目の前のことに集中すること、それが「瞑想」になり、心が整い自己肯定が高まるようになる、とのことだった。
その解説を聞いた出演者の言葉を借りると、「丁寧に生きることが大事」ということになる。
確かに、それなら1分でもできる。
とはいえ、日々考えることは色々ある。
ついつい考えながら家事をしてしまう、というのはありがちだ。
しかし、余計なことを考えずに済む、いや、考える余裕がないのが、私にとっての「料理」である。
料理を始めると、目の前の食材や器材にしか目がいかなくなる。
どれだけ仕事が忙しく、その仕事を中断して始めた場合でも。
モヤモヤを忘れられるのである。作っている間は。
食べ始めると速攻思い出すのだが。
そして、かえって一度時間を置くからこそ、頭の中が整理できることもある。
同じ理由で、昔からお菓子作りや工作が好きである。
もはや成果物そのものでなく、途中の工程こそに意義を感じる。
料理をするようになったのは大学生の後半ぐらいからだが、やはり頭の中を空っぽにできること、それが「作るということ」の醍醐味だと思う。
なお、作る料理は「鳥とブロッコリーと卵をいい感じにあえたもの」や「サバとじゃがいもとなんかを一緒に焼いたやつ」などの名も無きものがほとんどなので、「得意料理なに?」と適当な質問を投げてくる人をはっ倒したい気持ちは変わりない。
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