読書日記17「推しエコノミー『仮想一等地が変えるエンタメの未来』」ー中山厚雄
「推し」この言葉を聞くことが以前よりも増えた上、従来よりもカジュアルな響きの言葉になった気がする。この本を読めばそのあたりのことが分かるにではないかと思い、手に取ることにした。この本ではそれを「萌え」文化から「推し」文化への移行であると指摘している。確かに最近「萌え」という言葉をあまり聞かなくなった。
この本では「推し」および「推し」文化を形成する経済圏について多角的な論理が展開されている。自分は今まで「推し」文化は特殊なものと考えており、他の事象を起点に説明できるようなものではないと決めつけてしまっていたところがあった。本書では様々なことを起点に説明されており、ここから話が始まるのかと驚くことが多かった。自分には論理展開が難しく感じたが、物事を結びつけて考える姿勢は勉強になった。
物事を特殊と決めつけてしまったらその物事を一般化できず、他のことに生かしづらくなってしまう。そんなことを気づかせてくれる本だった。