読書日記77「下町ロケット ゴースト」-池井戸潤
知財に関して訴えられる場面から物語が展開していった。佃製作所の時と似たような話だと最初は思ったが、途中から思いがけない方向に物語が進んでいった。自分達も同じような経験をしたことがある佃製作所が訴えられた会社を救おうとする。このような企業の成長が描かれるのもシリーズものの良いところだと思った。
自分が印象に残っているのは技術を持ちながらも、出世コースを外された人たちだった。その描写があまりにリアルでぞっとした。今回のメインはそんな大企業で出世コースを外れた2人が立ち上げた企業だった。技術力を礎とし、大企業と距離を置いたビジネスをしているように思われたが…という展開だった。
大企業で働くことのデメリットについて考えさせられる本だった。