読書日記132「民王 シベリアの陰謀」ー池井戸潤

以前読んだ作品の続編が出たので読むことにした。

謎のウイルスの蔓延に挑む首相とその息子がメインの物語だ。首相とそのバカ息子が入れ替わる前作よりこちらの方がシリアスで現実に起こり得る(というより起こった)テーマなのに登場人物同士の掛け合いが面白く、本作の方が軽い気持ちで読めた。

この本に登場するウイルス(通称マドンナウイルス)は人を凶暴化させるという特徴を持つ点でコロナウイルと異なる。実際そのようなウイルスが実在したらコロナとはまた違った大変さがあるだろう。

この本にはコロナ禍に対する作者の皮肉がこめられているのは分かったが、その皮肉がどのような内容なのか名言されておらず、作者の持つ考えが気になった。(Kindle上でハイライトされていた箇所も少なかった。)陰謀論が拡散された状況を冷ややかにみていたことは分かったが、もう少し具体的な考えを聞いてみたくなった。

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