読書日記165「あしたの名医―伊豆中周産期センター―」-藤ノ木優
以前からAmazonのおすすめに表示されていたこの本をついに読むことにした。
産婦人科医が突然本院から地方の系列院への異動を命じられる場面から物語が幕をあける。異動先は本院では考えられない「教授ルール」が徹底されているとの噂があった。
この本で考えさせられたのはルールの意味だ。物語の終盤になるにつれて、「教授ルール」には本院の価値観で判断すれば、古いルールであるが、実際はリソースが限られた地方の系列院が円滑に運営されるために意味があったことを知る。ルールに価値があるかは目的と状況によって異なることを学んだ。
作者が現役医師であるため、病院のシーンがリアルに感じられる。また、物語の伊豆について詳しく描かれており、医療以外の部分も物語として面白かった。
シリーズの続きが楽しみだ。