ひらがなを使うべきか漢字を使うべきか
今回は日本語って本当に難しいシリーズです。
いつも文章を書いている中で迷ったり考えたりする部分についてメモ代わりにまとめていくシリーズですが、今回はひらがな表記されている漢字について触れたいと思います。
「ものの数え方って難しい」や「今年ならではの漢字が難しい」という記事で、普段何気なく使っている日本語や漢字の難しさを実感してきましたが、まだまだ気になる部分はあります。
当たり前のように知っているという方も多いと思いますが、知らないことで使えそうな内容があれば、ぜひ簡単な言葉を書く際にでもご活用ください。
あえてひらがなを使うということ
できるだけ漢字を使ったり他の人が知らないような漢字を多く使うことで、場合によっては漢字だけで意味合いを伝えることができたり、知的な印象を与えられるようなメリットが得られると思います。
逆にここ15年ほどの間に、漢字をあえてひらがな表記にした言葉もよく見かけるようになりました。
これは日本人特有の細かな気遣いや、優しさを含むものだと思っているのですが、実際のところ決まり等はあるのかどうか。
ここ最近よく見かけるようになったひらがな表記されている言葉や漢字について次の項目からいくつかご紹介したいと思います。
子供・子ども
初めてこの違いについて触れられるようになったと実感したのは10年ほど前だったと思います。
学校で配られる教科書やプリントの言葉が子供から子どもに変わりつつあるような気がしていたのです。ですが、
子供派の意見→「子」「ども」を交ぜて表記するのはよくない
子ども派の意見→「供」という部分に大人に従属する印象を受ける
という2種類の意見があり、この使い分けについては決して強制されているものではなく、こちらの書き方に変えていかなければならないという決まりは無いそうです。
ですので、これこそ優しい印象を与えたい手紙や文章であれば「子ども」と書いたり、特定の子を示しているわけではない文章等であれば「子供」と使い分けを行うのもひとつの手かもしれません。
参考⇒ 「子供」と「子ども」、「子供」or「子ども」どっちで書く?
障害・障がい・しょうがい
障害・障がい・しょうがいの表記については、数年前に仕事で某教科書の挿絵を受けた際に聞いて初めて知りました。
1949年より障害者という漢字が使われてきましたが、「害」という漢字には「わざわい」や「さまたげ」といった意味が含まれているため、「障がい者」というひらがな表記へと変わっていったようです。
ただ障害者・障がい者という表記方法についても法令で定められていないためか、2020年の現時点では気持ちや感じ方によって書き手がその場によって漢字とひらがなの使い分けを行っている状態で、表記はさまざまなようです。
参考⇒ 「障がい」表記 、その表記の違いはいつから?
使い方について
子供・子ども表記、障害・障がい・しょうがい表記について、いずれも決まりは無く、場面や気持ちに応じて使い分け可能であるということがわかりました。
では仕事関連などでメールを送る際に、「頂きます」や「有り難う御座います」といった言葉を使う際に漢字を使うべきか、ひらがなを使うべきか?ということについても今回調べてみました。
結果、相手に与える「印象」、相手にとっての「読みやすさ」で決めていいのだそう。
漢字3割、ひらがな7割にすると読みやすいとのことです。
確かに人によってメールで送られてくる漢字の利用方法が曖昧であったのは、感覚問題で決まっていないからなのですね。
参考⇒ 漢字とひらがなの使い分け
今回取り上げたどの言葉に関しても、思いのほか漢字・ひらがなどちらにすべきかということは決められていませんでした。
決して強制するものではなく、よく見かける分「自分でも取り入れてみてもいいかな」。という感覚で柔軟に漢字とひらがなを使っていけるといいですね。
ところで前回の記事「江戸時代、犬は旅に出かけていた」の文中に出てきた“道中でかかるお金や伊勢参りの旨を書いたものをしめ縄で犬に着けて向かわせた”の「しめ縄」という言葉について。
漢字を使った「絞め縄」にはあえてしないぞ、絞めてはいけない、ぶら下げているだけだもの。と犬の気持ちを考えたつもりでいたのですが、そもそも「しめ縄」を漢字にすると「注連縄」だそうです。
あまり漢字が得意でないという方にも、いざという時のひらがなは便利です。
次の記事⇒ ピーマンのはずがトウガラシが生えてきた