バイオ特許のポリテク

バイオ、化学、医薬、食品特許の調査と分析をやってるポリテクノロジー有限会社です。 既に弊社をご存知の方、まだの方。どちらの方もコーヒー片手にさっと読んで楽しめる特許分析の記事の書いていきます。 お仕事のご依頼、お問い合わせは mail@poly-t.co.jpまで。

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最近の記事

培養肉の特許を分析してみる

● 培養肉とは?歴史と現在今回は培養肉がテーマです。 大豆やえんどう豆の代替タンパクを使った「人工肉」「プラントミート」ではなく、培養された動物細胞です。微生物由来(キノコ含む)のものもここでは含みません。 英語ではlab meat, lab-grown meat, cultured meat, と呼ばれるものです。 ちなみにバナー画像は生成AIで「おいしそうな培養肉」のお題で生成した画像です。ちょっとグロいですね。 詳細はネットで検索して頂くとして、その培養肉の歴史を

    • 米国の腸内フローラ関連出願を分析して面白い用途を探す (前編)

      この数年、腸内微生物叢と宿主生物のさまざまな生理機能の関連が次々明らかにされていることは皆様もよくご存知かと思います。 特に、この数年間で次々報告されるようになった多発性硬化症などの中枢神経炎症を伴う自己免疫性疾患の発症と進行の機序に、腸内フローラの一部の細菌群が直接関与する作用の発見などは大変画期的といえるのではないでしょうか。例えばこれ。 この発見により、フローラの細菌群のバランスが崩れる事で、自己抗原を認識する免疫細胞がブーストされ症状が進行するというメカニズムの存

      • 米国の腸内フローラ関連出願を分析して面白い用途を探す (後編)

        前編では検索式の設定と、できあがった母集団の概要把握、それに続いてIPC分類から腸内フローラに関連する出願で面白そうな用途を開示していそうな公報の特定まで進めました。今回、後編としてピックアップした公報の詳細を調べてみたいと思います。 前回、IPCの分析を通して「A61P25=神経系疾患の治療薬」を付与された出願の一部を「おもしろそう」と判定しました。この集合は今日本でブームの機能性表示食品の「眠りの質を改善」「ストレスを緩和する」あたりの製品との絡みで興味深いです。 加

        • 人工土壌技術の国内特許ランドスケープ

          1.土壌とは?人工土壌とは?昨年末頃から、次世代人工土壌とこれを用いた宇宙空間でのサステイナブル農業を標榜する株式会社Towingのニュースをたびたび目にするようになりました。Towingは名古屋大発のスタートアップで、高機能バイオ炭と呼ばれる多孔質化炭素素材を有機質肥料と混合した次世代型の人工土壌をコア技術としています。Towingではこの多孔質素材の空隙に微生物を包摂させることを特徴としています。 このTowingの人工土壌は、植物残渣焼却灰から合成した多孔質バイオ炭を

          MFC (Microbial Fuel Cells) 特許分析1

          MFCの特許分析 (海外編)MFC=Microbial fuel cells です。 ピンポイントな検索でここに皆さん辿りついてるはずなので、概要は端折ります。シュワネラとかジオバクターなどの細菌が有機物を分解して発電するあれです。とても簡潔にMFCの仕組みを解説したyoutubeビデオがあったのでご参考に。 ネットを用いてMFC情報をリサーチすると”MFC market analysis”と銘打ったリサーチコンサルティングファームの資料(のサンプル)に多く行き当たります。

          MFC (Microbial Fuel Cells) 特許分析1