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2021年度 北海道教育大学 函館校 国際地域学科 地域教育専攻 小論文

設問1

図3-1:b, 図3-2:f


図3-1は「能力」褒められた「第1グループ」と何も言われなかった「第2グループ」の結果を表すものである。両者の比較において、最初のテストでは両者が同じ成績である。しかし、最後のテストでは能力をほめられたグループのほうが成績が悪く、最初のテストと比較しても、成績の落ち込みが確認された。一方賞賛なしのグループは、成績の変化がない。したがって、図3-1は、グラフbであるとわかる。図3-2では「努力」をほめられた「第3グループ」の情報が加わる。本文中には、同グループが難しい課題選択に意欲を示し、「最後のテスト」では好成績を収めたと述べられていることから、グラフfが適切だと判断できる。(291字)




設問2

教師は生徒たちが掃除を時間内に終えることができた「能力」や、時間内に掃除を終えたという「結果」をほめている。しかし、本文によれば、能力や結果のみをほめることは、モチベーションの低下やパフォーマンスを低めたりする大きな原因となることが明らかにされている。それゆえ、二日目と三日目の生徒たちが時間内に掃除を終えられたが、掃除の仕方が雑になったのは、教師が掃除の質や時間内に終える努力ではなく、掃除を終わらせるという結果を賞賛したからだといえる。さらに最後の2日間には、児童たちが時間内に掃除を終えることができなかったのは、教師が児童たち全員のまえで、時間内に掃除を終える能力を賞賛した結果、児童たちに引き続きうまくやらなくてはならないというプレッシャーを与え、生徒たちの不安を高め、最終的にパフォーマンスを低下させたからだといえる。

この場面において適切だと考えられる教師の褒め方は、「時間内に掃除を終わらせることができたのは、皆が時間に注意しながら、協力したからだね」と、児童の能力ではなく努力をほめる方法が考えられる。なぜなら、課題文によれば、人は能力をほめられると、努力をするのではなく、困難な状況や失敗を避けるようになるのに対し、努力をほめられることによって、モチベーションが高まり、努力を惜しまず、困難に直面しても、最高のパフォーマンスをおさめる可能性が高いからだ。したがって、教師は児童のたちの努力をほめ続けることによって、より困難な課題として、児童たちが時間内に掃除を終えることに加えて、丁寧かつ綺麗に掃除をすることができるようになることが考えられる。(680字)



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