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創業10周年記念トークライブ 〜あのとき、あの瞬間を振り返る、Polaris今昔物語〜
「未来におけるあたりまえのはたらき方を創る」という壮大なミッションを掲げ、2011年に立ち上げたPolaris は、2021年8月20日、創業10周年を迎えました。
無事10週年を迎えることができたのは、共に駆け抜けてくれた仲間と、様々なパートナーの存在があったからこそ。そこで、10周年記念として、それぞれの年を一緒に駆け抜けてくださったみなさんを、ゆかりのある経営メンバーが訪ねるというプロジェクトを企画。題して、「創業10周年記念プロジェクト〜あのとき、あの瞬間を振り返る、Polaris今昔物語」。その対談の動画を8月5日より毎日1本ずつ、合計15本公開し、創業記念日までカウントダウンしてきました。
そして、8月20日のフィナーレでは5人の経営メンバーが、Polarisのこれまでとこれからを語り合うトークライブを生配信。今回はその内容をお届けします。
当日の様子はこちらから。
創業10周年記念トークライブ
https://youtu.be/FTx3_Oofepw
【経営メンバー紹介】
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写真左から
市川望美(いちかわのぞみ) 取締役ファウンダー/Chief Story Officer/
ソーシャルデザイン事業部統括
野澤恵美(のざわさとみ) 取締役/Design Executive Officer
大槻昌美(おおつきまさみ) 代表取締役/Chief Community Officer
野村香奈(のむらかんな) 取締役/ロコワークデザイン事業部
山本弥和(やまもとみわ) 取締役/コーポレートデザイン事業部
育児離職した女性から「はたらくにまつわるすべての人たち」へ
弥和:創業者の望美さんは改めて10年を振り返ってみてどう思う?
望美:創業時に思った以上のことがやれてるよね。特にこの1、2年の変化は大きい。自ら選んでリモートワークや、より柔軟な働き方をする人は増えていくと思っていたけれど、自ら選ぶかどうかに関わらず、そうした働き方があたりまえになるとは思ってもみなかったよね。10年前「心地よくはたらく」という話をしてもなかなか分かってもらえなかった。それが震災があったり、コロナ禍があったり、生活が根っこから揺さぶられることがあって、働くことと暮らすことがみんなの自分事になってきたのを感じる。Polarisがここまで来れたのはこうした社会の変化も大きいよね。
弥和:香奈さんは最初セタガヤ庶務部のメンバーとして働いていたんだよね。
香奈:そう。まさか経営に入るとは…。後から入ってきた私に対してもみんなが受け入れてくれたのはありがたかった。
望美:香奈さんが入ってくれたのは大きな転換点だったよね。でも元々のメンバーも仲良しだから始めたわけじゃない。恵美ちゃんや香奈さんが加わってくれたから組織になっていったのだと思う。
弥和:10年経って、やれなかったことは何だろう。
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望美:特にやれなかったことというのはないかな。この10周年記念プロジェクト動画で、私の長男と、恵美ちゃんの長女が出てくれた回があったけど、それが一つのギフトだよね。子どもたちが社会の入り口に立つまでに働くことの選択肢を増やしたいという思いでやってきて、確実に何かを受け取ってくれてたのを感じた。
Polaris創業10周年記念プロジェクト〜Polaris今昔物語
#15 次世代へ繋ぐ。
Polarisメンバーの子どもたち(けいごとふくめ)からみた、母たちとは。
https://www.youtube.com/watch?v=1V-HfHhQda0
弥和:今回いろんな人を訪ねてみて、印象的な言葉は何かあった?
香奈:セタガヤ庶務部のメンバーからのコメントは一つ一つが嬉しかったな。今は直接やりとりすることはないけれど、伝えてくれたこと自体が嬉しくて、言葉以上のものがあったよね。
Polaris創業10周年記念プロジェクト〜Polaris今昔物語
#4「セタガヤ庶務部」誕生
セタガヤ庶務部へ最初に飛び込んでくれたメンバーと振り返る
https://www.youtube.com/watch?v=ck-43Cd_bV0
Polaris創業10周年記念プロジェクト〜Polaris今昔物語
#14 Polarisの事業を支えてくれた在宅ワークメンバーたちと
コロナ時代のはたらきかたを振り返る。
https://youtu.be/BalIOiUX_vA
弥和:最初は育児離職した人のために始めたけれどそれも変わってきたよね。
望美:そう。最初に定款を作るときに、育児中の女性を対象にと書くことも考えたけれど、最初はそうかもしれないけれど、お母さんたちに限らず、もっと多くの人に対して、働くことをもっとのびやかに、みんなの選択肢を増やすために、【いつでもどこにいても、何をしていても、その人らしくいられる社会 】というのを定款0条の最初に入れたんだよね。
そしてその通りに、途中からフリーランスや転職組やいろんな人が関わってくれるようになった。
弥和:今年は、「はたらくにまつわるすべての人たちへ」と、これからの10年で大きく転換していこうとビジョンを決めた年でもあるよね。
望美:時代も変わってきたし、もう同じことはできないからね。ようやくPolarisも最初に目指した、多様な人たちに向けた活動ができるようになってきたよね。
発表!10周年でPolarisのここが変わる!
弥和:では改めて、これから変わっていくことを発表していきたいと思います。まずは仙川にあったPolarisの事務所兼コワーキングスペースcococi(ココチ)と一緒になったco-ba CHOFU(コーバチョウフ)のことから。
昌美:2年ぐらい前からco-ba CHOFUの移転先を探していたのだけど、なかなかいい場所が見つからず、今の場所のことをご連絡いただいだのは2020年9月のこと。最初はそんな家賃は払えない、という怖さの方が勝っていたのだけど、恵美ちゃんに話したら「やるしかないじゃん」と。そこはチームで経営する強みだよね。自分ではできないと思っても、誰かができると思ったらやってみる価値はある。会員さんに男性が多かったり、事業を一人でやっている方がいたり、そうした人たちの中にPolarisが混ざれることに価値を感じた。そこからは一生懸命事業計画を作って、契約までもっていって。この空間もたくさんの人と一緒に手を動かして作ったよね。3月にオープンしたからちょうど半年ぐらいだね。だいぶ馴染んできたかな。
つながりの根を張り巡らせる「ワーク+コミュニケーション」空間 co-ba CHOFU(コーバ チョウフ)
https://www.youtube.com/watch?v=sA6zaVJziMM
望美:Polarisのメンバーがここに来ることもあるし、みんなが触れ合える機会があるのは嬉しいね。
昌美:コロナが落ち着いたら、いろんな人に見学やドロップインで来てもらいたいね。まだまだこれから。可能性と余白がいっぱいある。地域の人が交差する場所にしていきたいな。
弥和:次はセタガヤ庶務部について。セタガヤ庶務部は7月末で解散して、CoHana(コハナ)というサービスに変わりました。セタガヤ庶務部はPolarisの原点で、思い入れの深いサービスであり、組織だったよね。
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セタガヤ庶務部とは:離職した女性の働きにくさに課題を感じて設立された「セタガヤ庶務部」。育児などをきっかけに離職した女性達による業務請負サービス。企業から「業務委託」という形で引受け、より多様で柔軟な人材活用の仕組みにより、最大約400名ほどのメンバーがチームで働いていました。これまでは業務委託の際にセタガヤ庶務部への登録が必要でしたが、CoHanaではその必要はなくなります。
望美:このネーミングが秀逸だったよね。「庶務部”じゃないといけなかった。スキルのある人を集めて、単価の高い仕事をやった方がいいといろんな人に言われたけど、Polarisでやりたいのはそういうことじゃなかった。子育てNPOなどの活動で出会った、名もないスキルというか、目立つスキルはなくてもものすごく感じのいい人たち。その人たちを活かす場を作りたかった。そのためにも「庶務」という敷居の設定は絶対に必要だったんだよね。手もかかるし、制限のある人でもできる小さな仕事を集めるのも大変で、辞めようかと話し合うこともあったけど、何度考えてもセタガヤ庶務部は原点で守っていきたいものだった。10年で一定の役割は果たせたと思う。だけど、今はその在り方を変えていくべきときなのかな。
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香奈:CoHana(コハナ)というのは、英語で「共に」という意味の「co」と、ハワイ語で仕事や働くを意味する「hana」を組み合わせた造語。今までは子育て中の女性と共にやってきたけれど、これからはもっといろんな人と関わっていきたい。関わり方も、これまで通り少しだけやりたいという人はもちろん、もっと深く関わりたいという人もウェルカム。庶務部でやってきたことは踏襲しながら、よりクライアントの方も向きながら名前を一新してやっていこうと思ってるよ。
弥和:求人も今まではセタガヤ庶務部メンバー限定で公開していたけれど、これらからは外に公開していく。女性に限らず、いろんな人に自分の新しい可能性を発揮してもらえるといいね。
香奈:仕事内容も、誰もがやれる仕事というよりは、特性のある仕事もやっていきたい。チームでやる楽しさをいろんな人に届けていきたいね。
弥和:次は学び事業だね。私と望美さんとで主にやっている「自由七科」。もともとPolarisは働くことの中に、学び合えることや成長し合えることを組み込んできたけれど、今回、学びを事業として切り分けることに。対話やワークショップを軸に、Polarisで培ってきた知見をコンテンツとして学びを提供していく。学び続ける場やコミュニティをつくっていきたいと思っています。
望美:自由七科では「はたらくをアートする」ということをコンセプトに掲げた。「アート」という言葉には表現するとかクリエイティブという意味もあるけれど、社会に対して新しいものの見方を提示するという意味もあって。これまでも違和感を大事にしようということは言ってきたけれど、違和感こそが、その人なりの新しいものの見方でもある。そこを「アート」として捉えて掲げていくことにした。そうすることで、改めて自分の中のリーダーシップを発揮したり、多様性の中で生きることを発信していきたいんだよね。
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「 はたらくをアートする自由七科」
https://www.youtube.com/watch?v=a9wT5vBDOlM
弥和:もう一つ、敢えて事業化したのが、メゾンPolarisというオンラインコミュニティ。Polarisで仕事をしていなくても居続けられる、ゆるやかな繋がりを持つコミュニティをFacebookの中のグループとして立ち上げました。7月末にまずはセタガヤ庶務部の人たちに先行入居してもらって、今はベータ版として運用を始めています。コミュニティというと熱量の高い人たちが集まっているイメージがあるけれど、マンションというと住んでいる人の温度感はそれぞれ。すごく仲良くなる住人同士もいれば、挨拶を交わすだけの人もいながら、同じマンション住民としてコミュニティに属している様に、これからのはたらき方を考えたいとか、Polarisの中をのぞいてみたいとか、それぞれの思いで入居してもらえたらと思っています。
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望美:ずっとオンラインコミュニティの構想はあったんだけど、ようやく形になったよね。
弥和:現状、入居には申し込みが必要(笑)で、申し込むためにはまずメルマガ登録が必要になっています。少し手間だけど、気軽にお申込みいただけたら嬉しいです。
崖っぷちを乗り越えて得たもの
弥和:ここまで10年の節目としての変化を発表してきたわけですが、今期、売上がんばりましたね、昌美代表!
昌美:7月に決算を終えたんだけど、1年前は底だったよね。このままだと超えられないものがあるというところから…。
恵美:一番それを感じていたのは、セタガヤ庶務部担当の私と香奈さんだよね。庶務部がもう役割と終えようとしているというか。庶務部で対象にしていた出産育児離職した30代前半の人たちが社会に戻れるようになってきた。それがデータとして分かったのが2020年。約2年前から兆しを感じて、手は打っていたけれど、打っても打っても打ちきれない。このままじゃだめだというところで、コロナ禍に。あそこで終わることもできたけど、辞めずに、自分達の存在意義を問い直したから今がある。あの時期は試されたよね。次の10年を迎えるための修行のようだった。ようやくやり切って、みんなを船に乗せて次に行けるね。船が動き出してよかった。
昌美:今年は過去最高の売上。V字回復ができたね。
恵美:一人の経営なら耐えられなかった。絶対逃げてた。
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昌美:本当にそうだよね。世の中にたくさんのはたらき方ができたからこそ、Polarisで働きたいと思ってもらう意味ってなんだろうというのは私もすごく考えた。その一つは収入を増やすことだと思ったし、そこの危機感はすごくあった。
恵美:セタガヤ庶務部のみんなにはびっくりさせてしまったけれど、何度も繰り返し伝えてきた。
香奈:戻ってきてくれる人もいたりして嬉しいよね。
弥和:組織としてだけじゃなくて、私たちも人として抜けた感じはあるよね。
恵美:代表交代もあったよね。2016年に望美さんから昌美さんに代わったけど、ようやく馴染んできた、というのが経営陣の実感。組織の変化、成長にはそれだけ年月が必要ということ。
望美:今Polarisにいる人は私が代表だったことを知らない人も多いんじゃないかな。始めた当初の思いを手放しつつ、新しいものを持って、みんな少しずつ変わってきたよね。
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恵美:私をずっと惹きつけてきたのは、セタガヤ庶務部のメンバーだな。一緒に仕事をして、その人らしさが見えてくるのが好き。一人一人の顔が思い浮かべながら、その人らしさを活かす環境をどう作ろうかということをよく考える。コロナを経て、働き方は大きく変わったけれど、まだ仕事の仕方は変わっていないところが多い。管理、統括ではなくて、どう環境設定するかというのはすごく大事。こちらが環境セットをした後は、あとは本人がその環境を受け入れる準備ができてるかどうかだよね。その人自身が自分の変化を認めることができるか。そしてチームをどうつくるか。チームで自分らしさが発揮できれば、自分だけの成果だけではなく、相手の成果も喜べるようになる。そうしてチームが醸成されていくうちに、違う価値の出し方ができるようになったりする。それはできないことができるようになるのとは違うんだよね。そういうメンバーをたくさん見てきた。そこまでいけば、管理監督するよりも、人は大きな力を発揮することができる。みんな働き方は変わったけど、仕事の仕方がよくないんだよ。そこはPolarisがずっとやってきたこと。どんな小さな仕事でもプロジェクト型でチームで取り組んで、管理監督に頼らないやり方を確立できたのはこの10年の価値だと思う。みんなを信じてここまでやってきたよね。
弥和:Polarisの仕事の仕方はCoHanaに引き継がれるし、関わる個人がその環境を受け入れる準備や自分の変化を認めることは、自由七科での学びにも繋がるね。
恵美:Polarisで仕事して、学び事業で学ぶのを同時にやるのがお勧めです(笑)
10年後に向けて
弥和:いろんな話をしたけれど、私たちも未来に向けて、沈まず(笑)ワクワクやっていきたいね。子どもたちに背中を見せたいと思って始めたけれど、そんな子どもたちともクロスしながらこれからの「はたらく」をつくっていきたいね。
望美:10年後、何をやってるんだろう。私と弥和さんは還暦前だよ。日本全国、世界中からPolarisの仕事にジョインできる機会をつくっていきたいね。
弥和:子どもたちにも言われたけれど、気負わずに、みんなと楽しみながら1日1日を積み重ねていきたいね。それが本当の願いだから、みなさんこれからもよろしくお願いします。
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10年の歴史、そして経営メンバーのチーム力を感じるトークライブになりました。co-ba CHOFU、CoHana、自由七科、メゾンPolarisと、より外に開かれていくPolarisをどうぞお楽しみに!はたらくに関わるすべての人へ。Polarisはこれからも「未来におけるあたりまえのはたらき方」を創っていきます。
お知らせ
自由七科では現在下記の講座、座談会を募集しています。
・連続講座
10月3日(日)開講「オーセンティックライフキャリア講座 第2期」
10月15日(金)開講「ライフストーリー・インタビューによる社会学入門」
・座談会
9月22日(水)子どものいる暮らしの中ではたらくを考える座談会
11月22日(月)子どものいる暮らしの中ではたらくを考える座談会
また、CoHanaでは随時、案件で働いてくださる方を募集しています。具体的な案件についてはPolaris WEBサイトでご確認ください。
最後に、YouTubeでは本プロジェクトの全15本の動画を見ることができます。よかったら登録をお願いします!
Polaris YouTubeチャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UCxOHI_CwrmnC0_sV7DnnFug